今日の市況(2012年05月30日)
かたる:3月17日書いた株式教室の「気になる動き」から2か月が過ぎ、間もなく3か月になりますね。いつだったか忘れましたが、ブラジル株式のボベスパ指数の動きを懸念しているレポートも書きました。昨日の日経新聞の夕刊は新興国通貨が軒並み下落していると記事でした。明らかに「流動性の罠」に陥っている状態です。日本は清貧思想が蔓延し投資行動が起きづらくなっています。デフレ経済が20年も続けば誰でも前向きな投資をするのは難しいのです。FRBやECBが必死になって景気を押し上げる為に流動性を供給していますが…この動きが勝つのか? それとも…日本病が勝つのか?
しかしこの環境下でゴールドマンサックスは3-4年を掛けて不動産投資を再開し、日本の不動産市場に4000億円程度の規模で投資するそうです。どちらでも捉えられる市場の状況ですね。自分の立ち位置が問題なのでしょう。世界の中央銀行は流動性を供給しているが、「流動性の罠」と呼ばれる現象に陥っているのが、日本やドイツの国債投資に向かっている慎重姿勢。反面、確実に時間をかけ金融危機を修復しているのが米国の経済状態です。つまり現在の市場はこの二人の巨人が綱引きをしており、どちらに市場が軍配を掲げるのかの争いですね。スペインは一時に日本に似ています。バンキアは2010年に7つの貯蓄銀行が合併した弱小銀行です。235億ユーロの公的資金を投入し国有化するそうですね。
スペインは比較的にEUでは規模は大きい方です。しかし日本のように金融庁が強引に強権を奮う国民性とは違うでしょう。日本のデフレが長引き日本化などと非難されているデフレの長期化の背景には、異常な金融検査の実態があります。日本の金融庁は検察などの調査や取り締まりをしてきた人たちも交じっており、犯罪者を作り上げる組織の傾向が強いのです。だから机の中に1円玉が入っていると、営業停止に追い込まれたり、事件をでっち上げる傾向があります。UFJの検査はある意味で結果がまずあり、そこに追い込んだ検査だったのでしょう。もともと不良債権の認定は難しいものがあります。どんな企業でも巨額の融資を続ければ立ち直るものです。三菱自動車や千代化はいい実例でしょう。両社とも三菱グループですね。しかし追加の資金援助がなければ不良債権化します。今でも鐘紡などの企業がバラバラにされた理由が分かりません。双日もあの時の問題会社でしたね。
日本化現象の背景には金融庁の姿勢のような厳格な清貧思想が日本中に蔓延した背景があります。丁度、ドイツの姿勢に似ていますね。メディアは面白おかしく、この動きに加担します。原発事故もおかしな方向性に向かいました。何故、東電に全ての責任を被せるのか?僕には理解できませんね。確かに東電は傲慢で日本村の代表格で奢っていました。ある意味で日本の恥部なので叩かれても仕方ありません。しかし原発事故とその問題は違う次元の話ですね。
日本株が今のように低迷するのは市場原理が根付いてないからです。まやかしの資本主義を日本は国民に教育してきました。大学教育を見れば分かります。入学するのが難しい日本と卒業するのが難しい米国の違いを考えれば、なんとなく真の競争原理が理解できると思います。外見ではなく中身が問題なのです。肩書などどうでも良い。目先の鞘取りがちやほやされ、ディーリングが投資だと誤った理解をしている日本市場でなかなか本当の投資の原点を語るのは難しいですね。
僕に英語力とソフト技術があれば、始めてみたいサイトの一つです。
米国で話題になっている「キック・スターター」。これこそ市場原理を物語る夢の投資の原点ですね。日本でも、みんなで育てたい。

投稿者 kataru : 2012年05月30日 14:21