未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2012年05月16日)

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かたる:早くも…ギリシャのユーロ離脱の影響が考えられています。一番怖いシナリオは連鎖なのですね。ポルトガル、アイルランド、イタリア、スペイン…色々とありますね。ECBはギリシャの銀行融資を停止し、ギリシャ通貨の「新ドラクマ」は導入当初から混乱が予想され資金逃避が起こりますね。物価は天文学的に跳ね上がり、様々な混乱が予想されますが、市場経済ですから何れ落ち着き、最初の混乱から数年が経過すれば、貿易のルールにも影響されますが、海外企業が生産基地を構えるかもしれません。何れ変動相場制の為替が痛みを和らげます。ただギリシャの混乱予想が広がるから、どうしてもドイツ国債がマイナス金利になったり、キャッシュ比率が高まり投資が減速します。中国は日本より欧州依存比率が高く影響を受けますが、日本はどちらかと言えば米国依存の国で影響はありますが、相対比較で見れば中国より有利ですね。

日本にはどんなに株は安くても冒険をする投資家は少なく、どうしても海外投資家の姿勢に相場は左右されます。JPモルガンが多額の損失を計上すると、関係ないのに世界の金融株は売られます。まぁ、どちらかと言えば…JPモルガンの損失が金融規制強化につながる懸念が、世界の金融株を売る理由なのでしょう。日本が時間をかけて不良債権処理を実施してきましたが、欧州や米国はまだ完了していません。度々、IRNETではGSEの問題を取り上げています。米国金融の完全復活は、フレディーマックやファニーメイなどの政府系の住宅融資会社の立ち直りに焦点があります。やはり時間がかかるのですね。デフレ下の不良債権処理は時間を要するのです。この背景は新興国の躍進ですね。

基本的に人件費の安い新興国は、先進国からの生産移管により、昨日述べたように、購買力平価のGDPを大きく押し上げ、一人あたりの所得の向上に繋がりました。 フォックスコンと言う子会社を有する台湾の鴻海精密工業を思い浮かべると良いですね。世界最大のEMS(Electronics Manufacturing Service)の会社は、グローバル展開を計る訳です。この形が新興国と先進国の成長の違いのイメージです。でも購買力平価での逆転現象は変化の時機が到来しているのでしょう。金も売られ、ドイツ国債のマイナス金利など…日本が歩んだ日本病が世界中で蔓延し始めた印象ですね。ある意味で日本は世界で先頭を切っているトップランナーかも知れません。国債の値上がりで空前の利益を誇る邦銀は、何故、見直されないのでしょう。三菱UFJは良い会社ですね。

最近は個別株の話をあまり掲載していませんが、全体相場が沈む以上、個別の優劣で株価が動き続けることは稀で、どうしても市場全体のリスクである「システマティック・リスク」の影響は避けられません。先物から見直された株式市場は、再び先物で売り崩されています。しかし日銀はETFを購入しているわけで、この効果は冷酒のように効き、何れ大きく株価位置が変わるのでしょう。その変化日は近いとは考えていますが、いつか分かりません。投資家層の薄い今のままの市場では、なかなか新しい展開は期待し辛いのです。だから個別株の話をしても無意味ですね。
多額の設備投資負担が必要な有機ELがいよいよ登場しますね。サムソン関連で参考銘柄をかたるは掲げていますが、年後半は面白い存在で材料株人気になる場面があるかもしれません。それにしてもソニーとパナソニックが共同で有機ELの製造をすると言う話が成功する確率は、どの程度あるのでしょう。

日韓のFTA交渉が難航しているのですから、まだ技術的に日本は優位な立場にあるのでしょう。日本には現代自動車はあまり見かけませんね。長期保証を武器に米国進出している現代は日本勢を抑えシェアを拡大させています。悔しいけれど…世界で勝てる日本企業の領域が、どんどん狭められているような気がします。欧州危機の落ち着きが見られるまで相場は沈むとの見方が大勢ですが…東レなどの好業績銘柄の参加チャンスでもあるのでしょう。このように地味な値動きの株は、このような非人気の時期に投資しないとチャンスを逸しますね。資金が乏しければ、株価が上がり始めてから参入すれば良いし、資金が豊富なら下値を買い下がればいいのです。

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米国の消費動向はマズマズですが、仮に米国の景気指標がどんどん悪化すれば、QE3の話題が出てきて相場が立ち直るのでしょうか? どんな形で再び上昇相場に推移するのでしょう。エレクトロンのチャートを見ると、先物からの影響はそろそろ限定的なものに見えます。ただ野村証券はなかなか止まりませんね。ホンダも同様です。決算数字を発表したユビキタスですが、赤字は当初から予定していました。期待をかけたQBは情報端末への大量採用は期待薄ですが、カーナビは期待できそうですね。他にもキャッシュデスペンサーやコピー機など沢山の応用製品がある筈で営業力が問われるようです。この手の株は残念ながら今の環境下ではどうしても見送られます。何れ業績面で変化が出てきますから株価にも変化が見られるでしょう。グリーと同じで業績面の変化を待っている段階なのでしょうね。

日銀のETFの買い入れはだんだん効果が増してくるのですね。同じ100億円でも継続すれば110%、120%と株価効果が出て来るのです。玉が沈み浮動株が薄れます。確かに金額的に僅かですが無限の資金源を有する中央銀行に勝てる人は居ません。欧州危機など一時的な混乱に過ぎませんね。あとは日本の政治が前に進めばだんだん前向きな考え方に変化するのでしょう。1%割れの国債金利が0.8%割れに近づいていますが先進国のデフレは技術革新により終わりを告げます。情報を取り入れた現実社会は既に技術的に可能な時代になっており、あとは強烈なリーダーシップを待つだけですね。日本は震災から復興の段階でスマートシティーの建設も実行しやすい環境下にあります。多くの条件は揃ってきましたね。あとは切っ掛けだけなのでしょう。頑張れ!野田政権。

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投稿者 kataru : 2012年05月16日 14:03