今日の市況(2012年04月09日)
かたる:米国の雇用統計値が悪化しても、市場原理で動く国だから追加の緩和策も期待され、そんなに心配はしてないが、問題は欧州の景気かな?…昨日と言うか夜中にアップしたコラムで述べた金融保護主義が起こるのかどうか…中国の指導部の混乱は気になるし、ブラジルなど…、本来、いいはずの国の動向も含めBIRICsの動きも金融保護主義の立場をどう考えるかの問題になりますね。一般的にリスクを取れる人達が減っているのでチャンスが失われ全体が沈みます。金融機能と言うのは大切な存在ですね。
多くの人は金融が高給だとか批判対象にしますが、金融が博打をするから景気が浮上するのです。危険な投資にも夢を賭けるわけです。日本の場合は不良債権も、亀井静香の中小企業融資を除き綺麗です。だから本来なら正常な投資論理が復活し銀行融資が伸びるのですが、少子高齢化が進み案件が少なく、且つ、金融のコンプライアンス規制が、依然、変化していないから過剰な規制社会に沈んでおり融資が伸びません。中小企業の親父さんが受注を抱えても設備投資資金を融資しないのですね。その受注の継続性が問われるからでしょう。
昔は日銀などの窓口指導で、融資が伸びてないと銀行が指導され、行員にノルマを課して融資を伸ばそうとしましたが、今ではコンプライアンス優先で…肝心の融資を選別する担当者さえも人材不足になる世の中ですね。失われた20年は融資業務の人材を育てていないからですね。回収ばかりで…。デフレ社会の弊害は至る所にあります。この副作用を作ったのは小泉・竹中改革ですね。UFJを無理やり潰したから…まさかの衝撃が銀行界を大きく萎縮させました。金融庁の姿勢が問われるわけです。この事を理解している政治家は何人いるでしょう。ようやく実質GDPと名目GDPが話題になり、日銀の金融政策が大きく取り上げられるようになりましたが…事の良しあしではなく結果が全てで、デフレが続くなら改善せねばなりません。要するに日銀は言い訳をせずに努力しなくてはなりませんが、20年間も落第点を取っている日銀に、やはりショック療法は必要でしょう。白川さんの言い分も分かりますが…やはり結果論が全てで…落第です。
25年ぶり10週連続陽線の偉業は、変化の時期が来ているから記録が出来たのでしょうが…今日も野村証券は続落し、みずほも株価を崩しています。いつか来た道…ここ十数年繰り返しているパターンに見えますね。本当は株価が下がらずに循環物色に移行しなくてはなりません。しかし三菱UFJの純資産価格割れの株価も維持できない現状は、やはり政策ですね。先物から上がった相場なので、同じように先物から下がるのでしょう。候補をいくつか挙げればファーストリテイリングやファナックなどの値嵩株に、コマツなども対象になるかな?
ただ日銀の金融政策決定会合で、ETFやリートの買い増しなどの金融政策の変更があれば、これは話が別になるでしょう。この点が一つの相場の焦点ですね。かなり上がりました。NY市場の株価も日本株も…だから調整局面は仕方ないのです。持ち株を減らしキャッシュ比率を上げるのが自然です。こういう時に、東レなどの下値を見て拾えばいいのですね。慌てることはありません。業績的に問題なく下値は限られます。次に全体が上がるときは確実に高値を更新するでしょう。だから下値をどう買うかの問題だけですね。
更に日銀などの政策次第ですが、野村やみずほは、必ずいつか大きく取り上げられます。ただ野村は諸刃の剣ですね。リーマンの残党は、おそらく米国で不動産絡みの金融デリバティブ商品を抱えていると推測しています。昨年末に劣後債を募集したのは、その為じゃないか?とも推測していますね。あの時、野村土地建物や野村総研の売却話があった所を見ると…そうとう追い込まれていたはずです。首の皮一枚かな? 頭の片隅にはエルピーダと同様のケースじゃないかとも考えていました。

金融の世界は時間と価格の勝負ですからね。大会社でも数千億円の損失の計上は良くあるケースです。恐い世界ですね。不動産ファンドは特に規模が大きいですからね。このような観測記事を書くとビビるかもしれませんが、ハイリスク・ハイリターンの商品ですからね。仮に日銀が正常な判断をし、FRBが的確に運営すれば、もうすぐGSEの問題は解決され、野村には膨大な利益が転がり込み、株価はうなぎ登りの可能性もありますね。これはあくまでも観測ですよ。どの程度、不動産絡みの商品があるのかもわかりませんし、既に処分済かもしれません。だから相場は面白いのですね。日銀が動かなければ、押しはさらに広がり300円を割れることも想定されます。
思惑で書く記事はこれくらいにして、相場を見ながら様々な想像をこのようにするわけですね。今の野村の話のように…。エルピーダはある意味で詐欺ですよ。あの増資は日本政策銀行に返還されており、おかしな話です。米国なら訴訟に発展し、坂本さんは罪に問われるかもしれません。日本の場合、決められない政治と言われる所以は、合議制だからですね。本来、責任者が存在し、その是非を問われますが、澄田さんも三重野さんも幸せな老後を送っていますね。犯罪者にはなりません。失われた時代を作った鍵を握っていた人達ですね。不思議な国です。まぁ、僕も買い一辺倒で、多くの人に迷惑をかけたけれど…。だから僕の意見が正しいわけじゃありません。ヒントにして、自分なりに考えて欲しいと思っています。

投稿者 kataru : 2012年04月09日 17:30