今日の市況(2012年04月03日)
かたる:昨日、日銀短観が発表されました。基本的に日銀は経済をある程度コントロールできます。金融政策と言う手法ですね。もう一つは政府が行う財政政策です。本当は両者が的確に動き、歯車がかみ合わないとなりませんが、日本はチグハグの連続で財政政策の方も落第です。だから、かたるは何度も未来都市の実現を言っているわけです。野田政権は消費税の引き上げばかりが主眼のように言いますが、大切なことは国民に希望を与えることですね。未来図を示し突き進めば、日本は世界で一番強い団結力を発揮する国ですね。
今日は金融政策の話だから…デフレ経済が続くのは、基本的に日銀がコントロールする金融政策が間違っているために起こっています。グローバル化していませんね。現代は情報化の進展でグローバル化しているために、むかしのような手法では、水が広がりなかなか効果が出ないのでしょうが…今回はチャンスです。FRB、ECBと大規模な流動性供給をしているために外堀は埋まっています。あとは内堀ですね。日本は長い期間かけてバブル崩壊の後始末をしてきました。つまり欧米に先行して金融危機を克服したのです。
米国発の金融危機では三菱UFJはモルガンの株主になり、子会社のユニオンバンカルを用いて米国の地方銀行を盛んに買収し規模を拡大させています。基本的に欧州の銀行も米国も苦しんでいますが、日本は比較すれば元気です。(野村は残念ながら飲まれている現状ですが…)だから日銀は大規模な緩和策を実施し、後押しをすれば一気に景気が活性化する条件が整っています。世界中の金融マンは日銀の政策に敏感になっている理由がここにあります。先頭を走れるのですね。
仮に日銀が市場の期待通りに、インフレ・ターゲット論を的確に捉え実施するなら、20年以上も調整をしている地価は、収益還元法価格水準を下回っており、十分に採算に合うので投資が動き出します。世界中から余剰資金が日本に集まり開発できるのですね。日本は戦後の急成長で、道路などの基礎社会基盤を造ったので、更新時期を迎え老朽化しています。日本中には修理を待つ橋などが多く存在しますね。道路の維持管理も膨大な費用が掛かります。この機会に地方から情報化の未来都市づくりをすれば、先進国のモデルになるのです。日本で先ず、成功させアジアや先進国にもノウハウを売り込むことが出来ます。予算は必要ありません。最新の金融技術を駆使すればリスクを分散できますから、お金は世界中から集まりますね。
日銀が市場から期待の目で見られている今、資産買い取りの枠を増やせば良いのです。50兆円程度の規模なら市場は暴騰します。まぁ、10兆円規模でも良いのです。リートやETFを買う枠を増やし、明確に資産デフレをインフレ方向に向かうことを内外に示せばいいのです。このアナウンス効果は大きいですね。事実、住友不動は一昨年の日銀の資産デフレ対策から、経営行動を変化させ大規模開発を行っています。今日も日経新聞に報じられている通りです。既に一部の経営者は開発投資を行っています。三菱地所もそうですね。丸の内開発を加速させ、地域一帯の不動産価値を高めています。三井不動も日本橋開発をやっています。
大規模開発は2年から3年、場合によれば5年10年と掛かります。その間、投資した土地は眠る訳で金利負担がかかります。基本的に資産デフレだと、開発で掛かる地価が下がり続けると負担が大きく開発ができません。逆に資産インフレなら、含み資産が生まれ金利負担を上回り開発が進みますね。何故、景気が悪いか? 少子高齢化だけが原因ではありません。むしろ政策により少子高齢化は有利なのですね。移民政策を発表すれば簡単にひっくり返りますね。エネルギー問題もウヤムヤ、全てが人気取りの国民感情任せの政治ではどうしようもない。
日銀が世界中から注目を集める意味は、時機が到来しているからです。ここで明確なスタンスを示せば世界中からリスクマネーが押し寄せ、日本のデフレはインフレに転換され開発ラッシュになりますね。未来都市の建設から雇用が生まれ豊かな日本が創れます。このまま政策不在では、やがて体力はなくなり一気に円安になり超物価高に巻き込まれ、優良企業は海外に逃げ出し悪循環が続きます。ギリシャどころか、ジンバブエの世界ですよ。農業の自給率から見れば大変なことです。
日銀の緩和が主眼ですね。話がそれました。株の世界では先ず開発している大手不動産、住友不動などが象徴的に買われていますが、大手不動産はどこもある程度はやっています。リスクを高めるなら、瀕死の重傷を負っている長谷工などはボロ株の代表格でしょう。野村証券のようなもの、疲弊していますね。エルピーダも政策でつぶされ、日本企業はどんどん弱体化しています。新興国の躍進で潤ったのは技術革新を怠らず外部に漏らさなかったNC装置のノウハウを持っているファナックぐらいでしょう。嘗て、半導体の技術王国だった日本、その開発の最先端を走っていたNECは基本的に内部分裂ですね。派閥争いが技術流出に繋がったのでしょう。社員を冷遇したのでサムソンに流れ、サムソンは冷遇された社員を三顧の礼で迎え入れたのです。ファナックとの違いですね。
どうも脱線しますね。大手不動産からリスクの高い長谷工が狙い目になり、同時に銀行も潤います。資産インフレになると開発が進みお金の需要が高まるからです。基本的に日本の銀行は安全な融資先が不足しているのですね。だから国債投資に頼っています。お金が眠っているのですね。インフレにすれば日本国債に行っているお金は民間に流れます。日本国もインフレになれば税収が増え、財政は豊かになります。全ての投資の源は名目GDPと実質GDPの差なのですね。この基準が逆ザヤになっているから日本は失われた時代に入っているのです。ところがメディアは需要不足と言っていますが、政策がデフレ政策なので投資論理が働かない。先ほどの開発不動産の金利負担を例にとればわかります。
物価が適度に上がると、皆さんは預金をするより借金をして家を買ったり事業をしたり行動を急ぐようになりますね。だって来年家を建てれば3000万円かかるが、今年なら2500万円で出来るなら、多少、金利負担があっても早めに実施しますね。消費税の導入はある意味でチャンスです。段階的な引き上げなので、ここで日銀が政策転換を明確に市場に示せば一気に相場は走りますね。分岐点なのです。だから一番の焦点はここにあります。金融相場のセットは決まっています。銀行、証券、不動産、その後に建設や素材が来ます。
銘柄選別は基本的に経済の理屈通りに動きます。業績により株価は左右される訳ですね。株価がさえないグリー、DENAは需給バランスがありますが、基本的に端境期になっています。これまでは国内市場で成長を続けてきましたが、そろそろ飽和状態になっています。だから収益の伸びが鈍ります。故に海外展開を急いでいるわけで、この出来にかかっています。株価が弱いと何を言っても駄目でしょうが、基本路線は日本の文化が世界に通用するかどうか…任天堂のケース、カラオケ、ウォッシュレット・トイレ、カーナビ…この考え方ですね。でも今は端境期ですから評価が落ちるのは仕方ありません。丁度、日銀の政策に似ている感じですね。でもスマートフォンやネットは、新しくできた文化なのです。メディア文化を日本は世界に向かって発信するのです。ハードではありません。有力なソフト資産は、一番、価値が高いのです。付加価値とは何か? 人々を感動させることですね。
世界で一番評価の高いのは芸術です。ピカソはキャンバスと絵具で数百億円の絵を作りました。ものすごい付加価値ですね。物はどうでしょう。確かに価値を生んでいますが大きな価値ではありません。人々を感動させるのは何か?この度合いの大きなものを生んでいる企業が市場では大きく評価されます。ゲームは人間を堕落させるから駄目…との考え方が一部にあります。しかし時間を楽しんで使うことは大切だとも考えられます。心を豊かにさせる。ストレスを発散させる。アップルと言う製品を生む企業より、画期的なソフトを提供する方が高い評価を得られると思っています。まぁ、株価が下がっている所を見れば、目先の業績は低迷するのでしょうが…市場の評価はどう変化するのでしょう。
このように市場の物色は、それぞれに焦点を抱えています。マツダにも買われる背景がありますね。これは素人には分かり辛いところです。多くの人はチャート波動などだけで動きます。米国の景気状況から経済の流れを理解せねばなりません。米国では金融危機の影響で極端に消費が控えられました。今は融解に向かっていますね。FRBが消費者心理を支えています。株価の上昇が消費を促していますね。その為に買い替えを控えていたユーザーが、更新期の来た車を積極的に買います。だから米国の車の需要は当面落ちません。10年で乗り換えていたユーザーが我慢して12年、13年と乗っていたのです。調べてないので平均的な数字は分かりませんが、意味を捉えればいいですからね。だから需要は余程景気が落ち込み、株価が下がらねば回復傾向です。欧州と中国が怪しいのですね。だから米国依存度が高いホンダが注目されたのです。先ほどの住友不動と同じです。長谷工はマツダになりますかね?こんなイメージですね。それぞれがリスクを選択し、銘柄を選別すればいいだけの話です。際なのですね。株式投資は分岐点を探るゲームとも言えます。それぞれの力量で自分の責任の取れる範囲で行動すればいいのです。頑張りましょうね。

投稿者 kataru : 2012年04月03日 13:35