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切り上がり(2013年09月28日)
今日は皆さんが好きなテクニカル分析の話を展開しようかと思います。基本的にチャートの形を見て需給動向を探るのがテクニカル分析です。市場には「効率的市場仮説」と言う物が存在するかどうか…議論の対象に良くなります。この効率的市場仮説とは、株価は全てを知っていると言う仮説です。発表されていない材料まで含め、株価は先取りして動いていると言う考え方ですね。本来、会社の動向は企業経営者が一番よく知っています。発表されていない材料を把握しているからです。所謂、インサイダー情報と言うものですが…
例えば、ユビキタスこと007は村田が発売するWiFiモジュールの部品価格の中から、どの程度の使用許諾料を貰えるのか? 1個あたり1円か5円か…いやいや10銭か50銭なのかもしれません。もし契約単価が分かり発売数量まで把握しているなら、当然、今期のユビキタスの売上数字が、ある程度読めるようになり黒字化の時期が分かります。既に6月ごろから発売されているので、2Qの7-9月期には売り上げ計上されますから、単価の推測が11月の決算数字では、分かる筈です。
株価は数字が纏まる9月には、何処かで動く筈との読みは、当然、事前に働きます。故にカタルは今日か、明日か…と、なけなしのお金をはたき、何度か007に事前にチャレンジを続けていました。おかしいな、既にナノキャリアが上がったのに…。市場環境は駄目株のガンホーまで反発したし、終わっている筈のナノキャリアも上がったのに…。何故、007はなかなか上がらないのだろう。ひょっとすると…、WiFiモジュールの単価は相当安く、あまり業績に寄与しないのかな?とも考えていた矢先に、アイフォーンが発売され分解されたために、村田の製品が使われていることが分かり007が突然、動き出しました。ギリギリのタイミングですね。しかし事前に単価は分かっている筈で、それならば株価は事前に動いている筈。厳格に内部情報が管理されているのか…それとも。

株価はこのような思惑や、内部情報などの潜在情報が加味されて動いており、株価は全てを知っているから、材料出尽くし…と言う言葉も生まれているのでしょう。故にテクニカル分析をすれば、未来が分かるという事で、「酒田五法」などの経験からの法則が生まれてきました。確かにある程度、当てはまるパターンがある訳です。例えば急騰後の株価の保ち合いの形が、今回のユビキタス(007)のように下値を切り上げていると…これまでの経験則では最初の波動が、間もなく再び現れ、この倍返しの2倍波動から、3倍波動になることが良くあります。所謂、初動波動が強い程、その後の相場は強く、相場が大きくなると言う経験則ですね。今週の007の動きは、全体市況が弱かった24日に急伸しました。米国株は金曜日に急落し月曜日も続落しての幕開けでしたからね。
通常は24日の火曜日に、株は上がらないものですが…スタートがストップ高でした。大幅高でも良いのですが、ストップ高したから潜在的な買い意欲は強いのでしょう。実はカタル君、1Qの赤字発表を受け、下がらなかった株価を見て、再度、参入を決め、8月19日の寄り付きでも買い増ししたのでが…その時は、失敗しました。その後、再び12日の安値1582円を割るのです。仕方なしに資金力のないカタル君は、株を投げざる得なかったのです。株価が上がるのは分かっているのですが、自分の手持ち資金が乏しい為に株価が下がると、追証の可能性がありますから…安値を承知で買い増しした分を投げたのですね。投げた途端に反発し…、コンチクショウ!と思ったものです。再び1800円絡みの動きになり、今度こそ…と、再び手持ちの株数を増やしていました。しかし来年から税制も変わるので、買値の安い現物株を入れ替える作業もしなくてはなりません。故に少し上がると現物を売り、少し下がると信用で、とりあえず買う作業を繰り返していました。だから24日の火曜日に高く始まったのに驚きつつ、寄り値の1850円でも売っています。しかしその後の急伸を見て、再び高値で買い増しをするわけですね。まさかストップ高するとは思いませんでした。
翌日、例のルネサスを含めた村田とのIVIの発表がある訳です。正直、驚きましたね。もともとルネサスと関係のある007は知っていましたが…村田と結びつける話に驚いたのです。村田はスマフォだけでは食えません。流石、世界の村田です。車の電装化が進み、今の車は全てが電子制御され昔と違いますし、急速に通信絡みの需要が、ITSやスマフォの活用で進み、環境は大きく変化しています。ルネサスもその事を知っていますから、前から最新車載向けSoC「R-Car」に、社運をかけていました。どんな経緯か知りませんが、007が仲介したのかもしれません。ルネサスには最新の通信技術が乏しいし、情報化は時代の流れですからね。007は前から、ルネサスにQBなどの採用を働き掛けていました。実はまだ発表されていませんが、カタルの推測としては、情報の整理が必要で、SQLも組み込まれる可能性があります。既にデジタルカメラには情報の整理の為の同社の技術が多く実用化されています。集めた情報を整理して送るのですね。更に一元化して入ってきた情報の中から、必要なものを選択する仕組みも必要でしょう。007には様々な切り口があります。何しろ時代は、ユビキタス時代なのです。混乱しない為にもカタルはユビキタスの事を007と書いている理由が、この辺りにも存在します。むろん違う意味も内包されていますが…。それは兎も角、007の事を書き出すときりがないのでこの辺で切り上げて…
急伸した後に利食いに押され、通常の株価は下がるものですが、下値に注目してもらうと分かりますが、この4日間は何れも安値を切り上げていますね。通常は、しこり感がある場合は、一旦、下げてから出直るケースも多いのです。しかし木曜日は良く耐え、金曜に高寄りしていますね。更に板状況を見ていた人は感じていたと思いますが、意外に場の売り物が少なくなっても居るように感じます。ひょっとすれば、玉の吸い上げが始まっているのかもしれません。現状では未だに確認されておらず、分かりませんが…急伸した後に下値を切り上げる大変珍しい形のチャートが形成されつつあることが分かります。経験則では007のように、前に高値がある場合は、概ね、今後、高値保ち合いを形成するケースが多いのですが、このような下値切り上げ型の場合、ひょっとすると…。スター株として市場から選択される可能性がないとは言えません。もし今年の高値…と言うより、7月の2540円、更には6月の2777円を抜くなら、絶対に売りではなく、買い増しあるのみと…経験則では変化します。一気に、今年の高値を抜き上場来高値を抜く可能性さえ見えてくる可能性があります。仕掛け筋の一気の参入ですね。ファンド参入が一つだけでもすごい事ですが、複数のファンドが参入さすれば、相場のスケールはさらに肥大化します。
裏付けは村田のWiFiモジュールの単価がマズマズで、他の潜在的な材料が次々に表面化する可能性があるのですね。007は弱小故、共同を多く開発しています。村田は大手ですから人員も豊富で、開発は6か月体制でしょう。QBは独自の開発でケンウッドとの開発の為に2年も時間を要しました。この経験から007は有力企業と共同開発をしています。実はあまり話題にされていませんが、インヴェンティット株式会社との提携においても、クラウドの絡みで大きなビジネスチャンスが広がっているとも考えています。西田さんも大坂大学からIBM、NECと渡り歩き、なかなか面白そうなのです。
株価を大きくするための材料は…見えない利益なのですね。例えば、この発表に絡み
「IoT/M2M市場は、2015年には国内関連市場で現在の3倍以上の3,300億円にも上ると見られており、また2020年までにはこれまで人類が経験したことのない量のデータの蓄積が行われ、新しい市場が登場すると予測されています。今後はさらに広範囲のセンサー機器や家電機器などあらゆる機器がネットワークに接続され、その膨大なデータを管理、運用することにより、従来のM2Mで期待されていた単なる機器の遠隔制御や自動運転などにとどまらず、エネルギーや物流の飛躍的な効率化から、リアルタイムのセンサー情報を利用した新しい社会インフラや、経済活動の基盤となることが予測され、それらを実現する高度かつ複雑なシステム基盤、サービス基盤の整備が急務となっています。しかしながら、独自のシステム基盤、システム運用技術者、資金力などのリソースを持たない中小規模の企業にとっては、導入が難しい側面も持っていました。」と解説されています。仮に1%の売上でも33億ですからね。現状の3倍以上です。
分かりますかね。何故、カタルが現状では、赤字で売り上げ規模も小さいのに、007に拘り続けているのか? 成長株とは時代に合っていれば、次々に新しい種がドンドン生まれるのです。事実、最初は任天堂向けのWiFi利用だった技術だったのです。たいしたことがないレベルと…評価されるかもしれません。しかし簡単で実用性が高いから世界の任天堂が…亡くなられた山内さんの目に留まったのでしょう。その任天堂向けが、村田に変わり世界トップのスマフォに採用されているのです。シンプルなほど素晴らしいのでしょう。プログラムは簡単なほど良いのですね。複雑な仕組みは調整に時間が掛かります。自分でプログラムを書いてみればいいのです。カタルが主張する意味が理解されると思います。難しい事を分かりやすく簡単に解説する人が、本当は優れているのですね。
チャートの形から007の解説に傾き過ぎましたが…、全体市況が弱い中での急伸後の下値切り上げは、非常に強い上昇サインです。果たして来週は一気に立ち上がるのか? それとも揉み合いを間に挟むのか…、どちらに転ぶかカタルにも分かりませんが、言えることは収益化の時間が、刻々と迫っており、次々に見えない利益が膨らんでいる事実が背景にあります。