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見えない利益の過程(2013年09月14日)

オリンピック開催の決定を受け、市場は直接的な感覚で反応し、大成建設から鉄建とハコモノ相場に流れています。この動きをカタルは否定するわけではありませんが…如何にも発想が貧困で市場に旗振り役が不在だという事が分かります。3Dもハコモノも本来は業績向上への見込みが低いのでしょう。ただ建設株は失われた時代下で、構造調整を終えています。まだ三井住友建設のように資本整理まで済んでいないものは多いのですが…三菱自動車のケースは、ある意味で次のステップへの布石ですね。しかしこの表現は間違っているかな? そもそも経営危機時に発行された優先株の消却は、失敗を市場に押し付けるもので、本来、優先株の消却は期間利益や借り入れで正常化させるべきなのでしょう。東証を含め、野村などもこの失われた時代の過程を見ると、偉そうなことを言えませんね。みんな苦しくなれば、他人をだましたりするのですね。人間の本質は醜いものなのかもしれません。勝俣さんからの東電の後処理人事をみると、山一証券を思い出します。泥をかぶる覚悟がある人は、日本には居なかったのでしょう。故に失われ時代が長引いたのでしょう。まるで誤魔化し社会です。

米国は公正で公平の国かと思っていましたが、結局、米国も自分勝手な論理が目立ちます。この度のシリア問題でのオバマの対応を見ると…日米同盟などは、安保闘争の時にやはり潰すべきだったのでは…とも考えます。カタルは学生運動の時は中学生で、僕らの兄貴達が運動をしていた人が居たようで、中学生の同級生のW君が火炎瓶の作り方などを教えてくれて、感化された記憶がある程度です。高校生の時は既に下火でした。しかし全校に学生闘争の集会ビラが貼られ、その時に学校は臨時休校になり機動隊が来ましたが、実際に演説したのは一人との話でしたね。M君と言う生徒会長をやった人間だったように記憶しています。あさま山荘の立てこもり事件、三島由紀夫の割腹自殺など…。あの時代がある意味で曲がり角だったのかもしれません。55年体制の確立は蛆虫軍団を作ったようで…失われた時代を振り返ると悔しさだけが残るのです。

3Dやハコモノ相場は55年体制が延長された偽物相場に感じられるのです。代わってカタルが一時、推奨株としてよく採り上げた「J・TEC」はある意味で株式相場らしい…動きになっています。フィデリティーファンドが主体となり、市場から浮動株を吸い上げ高株価が維持されたままです。カタルが最初に注目したのは昨年10月頃の話しでした。膝関節の治療薬として「自家培養軟骨」を用いて再生医療の認可を受けたと言う話が切っ掛けです。薬の場合は正式な薬になる前から相場になるケースが多いですが、実際はかなりの開発年月がかかり、認可を受けてからで充分なのでしょう。その認可が10月に降りたので…当時株価は2倍程度に跳ね上がり、その後、低迷していた時期からカタルは推奨を始め7万円台の株価でしたね。カタルの発想はグルグルのグルコサミン、世田谷食品のTVのCMが布石にあったのですね。だから市場規模はかなり大きいのだろうと…推察していました。

この市場規模を巡り市場では意見対立があり、株価に対立が生まれます。まだ収益化されていませんが、フィデリティーファンドは既に投資を開始し、その影響もあり株価は88万円台の高値を一時付け、下がったとはいえ、高株価を維持しています。おそらく認可から2年後辺りから徐々に収益化が進むのでしょう。今後、薬の適用範囲が広がるかどうかにより市場規模は変わり、ここに株価の焦点は移りますね。でもファンドの連中は待たされる訳です。実際に黒字化して株価に見合う収益が表面化しないと、彼らは逃げられませんからね。株価を高くすることは誰にでも出来ますが、その高くなった株を買う人を見つけることは困難です。ただ本当に四季報の予想規模の数百億円規模なら…株価は確実に今の10倍程度まで伸びても、不思議ではありません。四季報も怪しいものです。よく考えれば同時に、再生医療のトップ企業としての地位を目指す夢もあります。

なにも高くなったJ・TECの宣伝ではないですよ。007との比較に登場させただけの話です。一方007はゲームの需要がなくなり、収益の構造改革下にあります。通信関連など、様々な先端分野の組み込みソフトメーカーとして注目されており、カタルもどっぷりと…その魅力に、魅せられた部類でしょう。この解説は省きますが…、J・TECと007の業績回復の進化スピードは、カタルにとって同じ程度の進化に見えるのですね。J・TECは大手ファンドから評価され株を吸い上げられ、007はその対象になっていない理由は、何処にあるのでしょう。それは見えない利益の確実性なのでしょうね。既に厚生労働省からお墨付きを頂いた銘柄と007は村田製作からお墨付きを頂いたのですね。

カタルにはJ・TECが昨年10月に薬の認可を頂いたのと…、007が12月に村田から資本提携を受けた意味が、同じに見えるのです。しかし厚生労働省の認可と村田の認可では価値が違うのでしょうか? おそらく技術の収益化の確実性が違うので、フィデリティーなどのファンドの賛同が得られないのでしょう。もう少し見えるようにならないとファンドは参入しないのでしょう。でもカタルは既に感じているのですね。先日、村田社長は日経新聞でのインタビューで、スマフォから車などへの展開を狙っていると語っており、既に秋のITS会議で、村田と007は共同で展示ブースを設けていると発表されています。

今日は007の解説ではないのですよ。株価の原理の解説です。3Dやハコモノ相場は収益化が難しいのです。建設業界を見れば分かります。復興が遅れていると良く聴きますが…当たり前なのです。失われた時代で建設作業員の技術伝承が全く出来ておらず、人が足りません。その為に臨時対応の人件費が高騰し利益がでないのですね。だから復興予算が未消化になっているのですね。需要はあっても採算は合わずに、一時的な需要に対し、建設会社は人員増員などの設備投資の拡大志向に、なかなか移行できないのでしょう。デフレの定着です。

昨日、東京都がオリンピック建設に絡む予算の再計算をしたら…1538億円から2500億円増えて4100億円になったと報道されていますね。異常な試算ですね。何処に狂いがあったのか分かりませんが、今年1月は1300億円と…盛んに報道されていたのですね。わずか半年で地価が2倍になるのでしょうか? 資材が2倍に、人件費が2倍に跳ね上がるの? 如何にも不自然ですね。まぁ、この問題は兎も角、需給バランスが崩れ、人件費や資材が上がるのは、何となく分かります。そうすると…果たして建設業界はそんなに儲かるのでしょうか? むしろ太平洋セメントなどの資材を提供する会社の株価が評価されていいのでしょう。

一見すると、今日の話は繋がりのない解説ですが、株式相場は「未来の収益(見えない利益)」の読みの可能性だと…述べているのです。3Dやハコモノ相場の背景にある企業業績が、どの程度プラスなのかカタルには見えないのですね。ただ建設株に関しては、カタルは予防保全の考え方など含め、社会資本の更新期に当たるので、前から推奨しています。カタルはPFIの概念から、大手では清水建設を事例に掲げ、仕手性のある銘柄に熊谷組を推奨していましたね。さらに橋梁の横河なども掲げてあります。でも何故か、ハコモノ相場には、抵抗感があります。理由は前世代的な財政支出に絡むので、カタルの目指す小さな政府の考え方から、逸脱するからです。時代を戻しては…なりませんね。折角、時間をかけて、構造改革を進めたのです。おそらく…カタルは、ここに抵抗感を覚えるのでしょう。

今日は「見えない利益」の読み…の微妙な感覚を解説したので、分かりにくかったかもしれません。明日はケネディクスの関連ニュースが増えているので、その解説をコラムでしましょう。