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鬱からの脱却(2013年09月07日)
技術革新による構造改革や新興国の台頭によるグローバル化などの要因が引き金になり、雇用と余剰生産設備の償却が、課題になったデフレ時代からの転換は容易ではないのでしょう。半導体産業やシャープを見れば分かります。しかし一部では生産人口の低下により、このギャップの溝が埋まり始めているのでしょう。団塊の世代の退職は、ある意味で労働需給に変化を与え、企業には人件費の削減により収益バランスが改善するのでしょう。この構造改革は、歪な形でプログラマーなどの新しい分野は人手が足りずに逼迫しており、最近は建設労働者も不足しているようです。カタルが提唱する「スマート・コミュニティー」への展開は、時間の問題です。日本がこの未来技術を積極的に活用し進化できる素地が一番ありますが、政府が音頭を上手くとれるかどうか…。日本と言う社会は官主導に慣れており、誰かが音頭を取らないと民間主導では、動けませんからね。サラリーマン社長は、所詮、時代をリードする器ではありません。ソフトバンクの孫氏、ファーストリテイリングの柳井氏、楽天の三木谷氏など活躍は、まだ僅かな勢力で日本全体を引っ張る力は秘めていませんからね。マイクロソフトなどをみると、せいぜい10年かな? ピークと思われる革新が続く期間は…、既にITバブルから10年以上が経過しており新しいスターが求められます。
例えば市場で期待されている3Dプリンターですが…、カタルはアークを研究するときに、この技術革新が気になりました。3Dプリンターが普及すれば…あるいは、3Dプリンターで作られた金型への信頼性が確立されれば、金型産業が消えることになります。しかし現状では高度の自動車金型の主要部分は、まだ置き換わらない…と判断した経過がありました。耐久性などがネックになり、精密な技術が求められますからね。僅かな温度差が微妙な伸縮率に影響を与え、まだ3Dの本格的な実用化は先だろうと…と判断したのです。
カタルは昔、上京した当時なので…1989年頃の話です。アスキーに興味を覚え、買っていた時期がありました。結局は消えるのですが…。その時に、もし米国のマイクロソフトを買っていれば…カタルは大金持ちでした。まだ海外株の投資は、一般的ではない時代の話です。しかし今は簡単に外国株も買えますね。それなら何も、MUTOHや群栄化学を買わなくても、米国の3Dシステム株(DDD)を買えばいいのですね。本質を外してはなりません。所詮、日本はこの分野では後進国です。しかしこの3Dシステム株は、急騰を続けていましたが、最近は評価が二分され始めています。おそらく爆発的な伸び率はないのでしょう。面白半分に3Dプリンターを買っても使い方が限られます。
でも何か時代をリードする産業が生まれると思うのです。その一つが「クラウド」と言うキーワードですが、この流れからLINEが誕生しています。少しクラウドの解釈から外れるかもしれませんが、バックグランドを結び付けるサービスは、ミクシーのSNSなどから進化を続けています。ソニーのネットテレビに期待するのは、ソフト資産と技術革新を結び付ける火種がソニーに残っているからですね。能力のある経営者次第で…ソニーが輝く可能性があります。映画、音楽、ゲーム、金融、医療とあらゆる分野に、それぞれ足がかりがある企業は、世界を探してもないからです。だからカタルは8月17日の日経新聞の報道を見て、ソニーに対する評価を単なる家電企業から一変させつつあります。でも本当は小さなベンチャー企業が成長株なのですね。果たして日本で生まれるのかな?
さて今日の新聞には、中国の住宅価格が上昇していると…の掲載がされています。1989年から1992年頃まで…日本も同じ状況でしたが、日本は銀行借り入れにより、不動産価格の上昇の鞘取りをゲーム化していました。しかし中国は現金取得が多く、借り入れは厳格に制限されています。更に重要なことは、日本は地価を下げてコントロールしようとしました。所得を上げずに地価を下げようとしたのですね。中国と大きな違いですね。おそらく中国政府は、日本の失敗を糧として、参考にしているのでしょう。如何に資産価格が重要か…よく知っていますね。日本のように、株などで稼いだ所得を不労所得と言い、「悪銭身につかず」と批判などはしませんね。文化の違いでしょう。過剰な減損会計が、自らの経済の崩壊に繋がった一例として、昨日は歳入と歳出のバランス推移を見て頂きました。正しい政策が実行されていれば、歳出とともに歳入も伸びるのです。こんな歪な事例は世界では珍しいでしょう。カタルは過去、何度もこの清貧思想を批判し続けました。
さてアベノミクスの成果の一つで、今回の金融検査の変更があります。ノーパンしゃぶしゃぶに狂った大蔵省が焼け太りし、金融庁と言う新たな出先機関を獲得し、転んでもただで起きない官僚組織の象徴的な事象となっています。その金融庁に強権を与えたのが、竹中平蔵なのでしょう。大銀行のUFJが官僚組織に潰されたのです。あんなことが許されたから、失われた時代が長引くのでしょう。もともと不良債権の素地を作ったのは政府ですね。資産価格の劣化は、兆円単位の話しで、民間企業が賄える水準ではありませんね。それを増長させたのが金融庁検査です。この方針が昨日の金融庁の発表で、少し変わります。正式に金融庁が検査方針の転換を発表しました。しかしカタルが求める姿には遠く及ばず、金融庁にとって譲歩の産物なのでしょう。
権力を一度、与えると…なかなか組織は、手放そうとしないのが人間社会でしょう。最近の日銀総裁の発言をみても…黒田さんは日銀マンの組織に冒されてきたようです。やはり小者ですね。消費増税見送りなら「どえらいリスク」との表現が、日経新聞に載っていますね。おそらく日経新聞は、大蔵省の出先機関メディアですね。このようなミスを連発して、失われた時代が作られてきました。日本の株式持ち合い株による終身雇用と年功序列の維持は、ある意味で良き仕組みだったのです。それを壊したのは…このような日経新聞などのメディアによる金融関係者の洗脳でした。1985年まで、日本は世界でも稀な形で高成長を続け、社会を維持してきたのです。ところが…宮澤喜一のような学者肌の人間により、一見すると正しいような米国の罠に嵌り、今日まで来ました。民主党も政権を獲得した瞬間に官僚組織に手なずけられ崩壊しましたね。
カタルは市場原理主義者ですから…、もし黒田さんの発言が正しいなら、もっと金利が上昇し政府に対応を迫る筈ですね。事実、今年の春の異次元の量的緩和の時は、金利が急騰し、あっという間に1%を超えました。しかしまた下げていますね。この意味を考えると、市場は政府のデフレ脱却を本当に信じているのかどうか…怪しいのでしょう。消費税引き上げは必要でしょうが、本当に、今なのでしょうか?
この選択はカタルにも、どちらが正しいのか分かりません。しかし今一番、必要なことは資産価格の上昇でしょう。そうしてデフレを脱却して、景況感の浮上をもたらし設備投資に火をつける事です。予防保全などの社会インフラの再構築をスマート・コミュニティーの観点からすべき時ですね。バランスシートを見れば…国家の負債の反対側には、膨大な資産が眠っている筈で…この活用により負債が減らされるはずです。強制的に官の人員を削減して、権力の権限を縮小させ、民間に移譲させるべきとの考えが、正しいはずだと考えています。市場がもたついている本当の理由は、FRBによる量的緩和縮小でもなければ、シリア問題でもありません。消費税の判断に、市場は戸惑っているのでしょう。
株式相場にとって、金融秩序の維持は絶対に必要な事で、黒田さんが脅す発言の趣旨も分らないでもありません。それほどの状況なら、円の価値は、何故、円は100円を挟んだ展開なのでしょう。120円、150円になっても良いじゃないですか…、金利は0.9%と高値水準すら、維持できていませんね。現状は0.79%程度ですね。もし円安が加速するなら、日本の中国やタイに向かった生産は、日本に回帰しますね。この考え方が支持されると思い、カタルはアークを選択しましたが…、実際はこの円安下では、微々たる現象で生産の維持止まりの結果でした。実社会もアベノミクスの強さの判断に戸惑っている訳です。故にカタルは、毎年1%ずつ消費税を引き上げるやり方が、ものの価格を上げるデフレからの脱却にも、健全財政への道にもプラスに働くと思っているのです。
しかしまぁ、難しい判断ですね。しかしどちらに転んでも…。これまでの政権に比べ、これまでの選択は、どちらかと言えばベターの選択をしているように感じます。ベストの選択は、今の日本にはないのでしょう。少しずつ長年の失政を修正するしか、道はないと考えています。だから金融庁の方針転換も不満ですが、これで良いのでしょう。株式相場を考えると分かりますね。株価は企業業績の伸び率が落ちた段階で、下げ始めます。一見すると…まだ伸びが続くので、株価の評価はおかしいと考えるのですね。ガンホーの株価を想定して下さいね。企業業績がまだ伸びていても、伸び率が縮まると株価は横這いに移り、やがて下げ始めます。これと同じ理屈ですね。だから融資額が小さくても貸し出しする銀行に、裁量権が委譲されることは、良い事なのです。官から民への流れに沿っています。
今回発表された、金融庁の裁量権の委譲の話は…非常に大きなインパクトを、後の世に示すことになります。このような動きが、外人買いを促すのです。外人投資家はみんな頭が良い、ノーベル賞級の投資家が揃っていますから…国策に敏感です。確かに、今、大物が狙っているのは、日本国債の暴落でしょう。だから黒田氏は発言する趣旨も理解しないでもありません。しかし売るものがない現状ですからね。債券先物を規制すれば、それで済みます。実弾がない訳で、厳格に国債管理をしておれば、何処にどれだけ国債が保有されているか? 管理されている訳で、そんなものは管理相場の範疇ですね。だっていくら口で脅しても、米国は債務国で、本や中国は債権大国ですよ。日本国債を暴落させることは出来ませんね。米国が困りますから…。
だから黒田さんや財務省が宣伝する米国寄りの主張もおかしいとも感じます。でも近年続く、貿易赤字は、もたつく政策の警告でもあります。経常で黒字だと…何時までも安心はできません。さて今日は少し難しかったかな? 全銀連が発表している貸し出し推移が8月末は、前年同月比で3.5%も伸びたそうです。この水準は4年3か月ぶりとか…。分かりますか? かたるはケネディクスの解説をしているのですね。このような数字の変化が、個別企業の企業業績の伸び率を、教えてくれているのです。毎日、くだらないゴタクを分からないでも読んでいれば、何時かは、その辺の証券マン以上の知識水準になります。カタルの見方が価値がっていると思ったらメールをください。決して正しい訳でもないでしょう。しかしカタルは、現在はこのように考えている訳です。
ほらG20でも米国、日本、そうして最近カタルが話題にしているイギリスが、好調組にリストアップされていますね。しかし日経新聞は、この重要な事実を大きく取り扱っていません。何故なのでしょう。新興国の通貨安などより、EUの回復の方が世界経済に与える影響は大きいと思いますが…。何故か、日経新聞はこの重要な事実を大きく宣伝していません。きっと裏があるのでしょう。つまり株を安く買いたい勢力が存在するのではないかと…推察している訳です。テクニカル面でも6月の最安値を、現在の200日移動平均線は上回り、この現象は非常に重要です。二段下げのリスクが、限りなく薄れたことを示しています。自分でチャートを開き、自分で確認してください。それでは今日はこの辺で…。明日は良くなる希望の社会が近づき、鬱の社会からの解放は近いのでしょう。