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2013年09月28日

切り上がり

今日は皆さんが好きなテクニカル分析の話を展開しようかと思います。基本的にチャートの形を見て需給動向を探るのがテクニカル分析です。市場には「効率的市場仮説」と言う物が存在するかどうか…議論の対象に良くなります。この効率的市場仮説とは、株価は全てを知っていると言う仮説です。発表されていない材料まで含め、株価は先取りして動いていると言う考え方ですね。本来、会社の動向は企業経営者が一番よく知っています。発表されていない材料を把握しているからです。所謂、インサイダー情報と言うものですが…

例えば、ユビキタスこと007は村田が発売するWiFiモジュールの部品価格の中から、どの程度の使用許諾料を貰えるのか? 1個あたり1円か5円か…いやいや10銭か50銭なのかもしれません。もし契約単価が分かり発売数量まで把握しているなら、当然、今期のユビキタスの売上数字が、ある程度読めるようになり黒字化の時期が分かります。既に6月ごろから発売されているので、2Qの7-9月期には売り上げ計上されますから、単価の推測が11月の決算数字では、分かる筈です。

株価は数字が纏まる9月には、何処かで動く筈との読みは、当然、事前に働きます。故にカタルは今日か、明日か…と、なけなしのお金をはたき、何度か007に事前にチャレンジを続けていました。おかしいな、既にナノキャリアが上がったのに…。市場環境は駄目株のガンホーまで反発したし、終わっている筈のナノキャリアも上がったのに…。何故、007はなかなか上がらないのだろう。ひょっとすると…、WiFiモジュールの単価は相当安く、あまり業績に寄与しないのかな?とも考えていた矢先に、アイフォーンが発売され分解されたために、村田の製品が使われていることが分かり007が突然、動き出しました。ギリギリのタイミングですね。しかし事前に単価は分かっている筈で、それならば株価は事前に動いている筈。厳格に内部情報が管理されているのか…それとも。

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株価はこのような思惑や、内部情報などの潜在情報が加味されて動いており、株価は全てを知っているから、材料出尽くし…と言う言葉も生まれているのでしょう。故にテクニカル分析をすれば、未来が分かるという事で、「酒田五法」などの経験からの法則が生まれてきました。確かにある程度、当てはまるパターンがある訳です。例えば急騰後の株価の保ち合いの形が、今回のユビキタス(007)のように下値を切り上げていると…これまでの経験則では最初の波動が、間もなく再び現れ、この倍返しの2倍波動から、3倍波動になることが良くあります。所謂、初動波動が強い程、その後の相場は強く、相場が大きくなると言う経験則ですね。今週の007の動きは、全体市況が弱かった24日に急伸しました。米国株は金曜日に急落し月曜日も続落しての幕開けでしたからね。

通常は24日の火曜日に、株は上がらないものですが…スタートがストップ高でした。大幅高でも良いのですが、ストップ高したから潜在的な買い意欲は強いのでしょう。実はカタル君、1Qの赤字発表を受け、下がらなかった株価を見て、再度、参入を決め、8月19日の寄り付きでも買い増ししたのでが…その時は、失敗しました。その後、再び12日の安値1582円を割るのです。仕方なしに資金力のないカタル君は、株を投げざる得なかったのです。株価が上がるのは分かっているのですが、自分の手持ち資金が乏しい為に株価が下がると、追証の可能性がありますから…安値を承知で買い増しした分を投げたのですね。投げた途端に反発し…、コンチクショウ!と思ったものです。再び1800円絡みの動きになり、今度こそ…と、再び手持ちの株数を増やしていました。しかし来年から税制も変わるので、買値の安い現物株を入れ替える作業もしなくてはなりません。故に少し上がると現物を売り、少し下がると信用で、とりあえず買う作業を繰り返していました。だから24日の火曜日に高く始まったのに驚きつつ、寄り値の1850円でも売っています。しかしその後の急伸を見て、再び高値で買い増しをするわけですね。まさかストップ高するとは思いませんでした。

翌日、例のルネサスを含めた村田とのIVIの発表がある訳です。正直、驚きましたね。もともとルネサスと関係のある007は知っていましたが…村田と結びつける話に驚いたのです。村田はスマフォだけでは食えません。流石、世界の村田です。車の電装化が進み、今の車は全てが電子制御され昔と違いますし、急速に通信絡みの需要が、ITSやスマフォの活用で進み、環境は大きく変化しています。ルネサスもその事を知っていますから、前から最新車載向けSoC「R-Car」に、社運をかけていました。どんな経緯か知りませんが、007が仲介したのかもしれません。ルネサスには最新の通信技術が乏しいし、情報化は時代の流れですからね。007は前から、ルネサスにQBなどの採用を働き掛けていました。実はまだ発表されていませんが、カタルの推測としては、情報の整理が必要で、SQLも組み込まれる可能性があります。既にデジタルカメラには情報の整理の為の同社の技術が多く実用化されています。集めた情報を整理して送るのですね。更に一元化して入ってきた情報の中から、必要なものを選択する仕組みも必要でしょう。007には様々な切り口があります。何しろ時代は、ユビキタス時代なのです。混乱しない為にもカタルはユビキタスの事を007と書いている理由が、この辺りにも存在します。むろん違う意味も内包されていますが…。それは兎も角、007の事を書き出すときりがないのでこの辺で切り上げて…

急伸した後に利食いに押され、通常の株価は下がるものですが、下値に注目してもらうと分かりますが、この4日間は何れも安値を切り上げていますね。通常は、しこり感がある場合は、一旦、下げてから出直るケースも多いのです。しかし木曜日は良く耐え、金曜に高寄りしていますね。更に板状況を見ていた人は感じていたと思いますが、意外に場の売り物が少なくなっても居るように感じます。ひょっとすれば、玉の吸い上げが始まっているのかもしれません。現状では未だに確認されておらず、分かりませんが…急伸した後に下値を切り上げる大変珍しい形のチャートが形成されつつあることが分かります。経験則では007のように、前に高値がある場合は、概ね、今後、高値保ち合いを形成するケースが多いのですが、このような下値切り上げ型の場合、ひょっとすると…。スター株として市場から選択される可能性がないとは言えません。もし今年の高値…と言うより、7月の2540円、更には6月の2777円を抜くなら、絶対に売りではなく、買い増しあるのみと…経験則では変化します。一気に、今年の高値を抜き上場来高値を抜く可能性さえ見えてくる可能性があります。仕掛け筋の一気の参入ですね。ファンド参入が一つだけでもすごい事ですが、複数のファンドが参入さすれば、相場のスケールはさらに肥大化します。

裏付けは村田のWiFiモジュールの単価がマズマズで、他の潜在的な材料が次々に表面化する可能性があるのですね。007は弱小故、共同を多く開発しています。村田は大手ですから人員も豊富で、開発は6か月体制でしょう。QBは独自の開発でケンウッドとの開発の為に2年も時間を要しました。この経験から007は有力企業と共同開発をしています。実はあまり話題にされていませんが、インヴェンティット株式会社との提携においても、クラウドの絡みで大きなビジネスチャンスが広がっているとも考えています。西田さんも大坂大学からIBM、NECと渡り歩き、なかなか面白そうなのです。

株価を大きくするための材料は…見えない利益なのですね。例えば、この発表に絡み
「IoT/M2M市場は、2015年には国内関連市場で現在の3倍以上の3,300億円にも上ると見られており、また2020年までにはこれまで人類が経験したことのない量のデータの蓄積が行われ、新しい市場が登場すると予測されています。今後はさらに広範囲のセンサー機器や家電機器などあらゆる機器がネットワークに接続され、その膨大なデータを管理、運用することにより、従来のM2Mで期待されていた単なる機器の遠隔制御や自動運転などにとどまらず、エネルギーや物流の飛躍的な効率化から、リアルタイムのセンサー情報を利用した新しい社会インフラや、経済活動の基盤となることが予測され、それらを実現する高度かつ複雑なシステム基盤、サービス基盤の整備が急務となっています。しかしながら、独自のシステム基盤、システム運用技術者、資金力などのリソースを持たない中小規模の企業にとっては、導入が難しい側面も持っていました。」と解説されています。仮に1%の売上でも33億ですからね。現状の3倍以上です。

分かりますかね。何故、カタルが現状では、赤字で売り上げ規模も小さいのに、007に拘り続けているのか? 成長株とは時代に合っていれば、次々に新しい種がドンドン生まれるのです。事実、最初は任天堂向けのWiFi利用だった技術だったのです。たいしたことがないレベルと…評価されるかもしれません。しかし簡単で実用性が高いから世界の任天堂が…亡くなられた山内さんの目に留まったのでしょう。その任天堂向けが、村田に変わり世界トップのスマフォに採用されているのです。シンプルなほど素晴らしいのでしょう。プログラムは簡単なほど良いのですね。複雑な仕組みは調整に時間が掛かります。自分でプログラムを書いてみればいいのです。カタルが主張する意味が理解されると思います。難しい事を分かりやすく簡単に解説する人が、本当は優れているのですね。

チャートの形から007の解説に傾き過ぎましたが…、全体市況が弱い中での急伸後の下値切り上げは、非常に強い上昇サインです。果たして来週は一気に立ち上がるのか? それとも揉み合いを間に挟むのか…、どちらに転ぶかカタルにも分かりませんが、言えることは収益化の時間が、刻々と迫っており、次々に見えない利益が膨らんでいる事実が背景にあります。

投稿者 kataru : 11:59 | コメント (0)

2013年09月21日

バーナンキの選択は…

市場はFRBの態度に戸惑いを見せているように見えますが、カタルはバーナンキの判断は正しいのだろうと考えています。どうも日本の報道を見ると、共有化されていると言うか…奇妙なことに報道内容が統一されています。この現象は各局が独自分析できないのでしょう。日本人の教育方針が、そもそも多様性を認めず、画一化された教育をしている背景があるからでしょう。単一民族で島国なので村意識が高くなる地理的、歴史上の背景があります。株式投資を長く実践していると…世の中の多様性に戸惑いますね。今、市場で起こっている現象は一時的な現象で早晩、流れが変わるのではないか?と常に警戒心を抱きながら臨む癖がついてきます。

丁度、本日の日経新聞の私の履歴書には、カタルが問題としている1980年後半の事に触れられていますね。宮内さんの実践談ですが…バブル当時、カタルは上京し西葛西中心に新規開拓をし、その当時のお客様の態度が良く分かります。保険会社までが貸し出し競争に踊っていたのです。不動産融資は100%どころか…、未来の値上がり益を元に120%融資の実話までありました。これを許したのが澄田日銀総裁ですね。まぁ、彼ばかり責められませんが、プラザ合意後の円高の中で、政治家が日銀ばかりに円高対策を押し付け超低金利のものでの資産インフレを見逃していたのです。不動産神話がアダになり、今日の日本の低迷があるのです。

バーナンキが緩和縮小を見送った事を、何故、カタルは正しいと思うか…。
理由は色々ありますが、いくつか示せば、先ずは米国金融株の動向ですが、残念ながら未だにリーマンショック前の株価に、平均では届いていません。その指数化したものを今日は掲げましょう。現在は85.1%まで株価は回復しています。JPモルガンやバフェットが出資するウェルファーゴ、ゴールドマンサックスは、既にリーマン倒産前の株価を上回っていますが、バンカメ、シティーは50%以下と論外で、モルガンスタンレーは75.7%の水準ですね。

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も一つが雇用統計と失業率のグラフを掲げます。未だに失業率は、嘗ての2003年のピークである6.3%を大きく超えており改善しているとはいえ、未だに7.3%水準なのです。金融機能が失われた影響は、非常に大きいのです。確かに最近の資産効果で自動車の買い替え需要は、金融危機の落ち込みの影響もあり伸びていますが、末端の人間まで仕事がない状況は依然続いているのでしょう。丁度、この米国と同じような時期に、日本は緩和縮小を始めたのですね。2006年の話です。その為にバブル崩壊の影響からは立ち直っているのに、金融危機の影響もありましたが、ダブルパンチで再び駄目押しを入れたのが2009年から2010年でしょう。アベノミクスが始まる前は、既にこれ以上、叩きようがない水準だったのです。まぁ、安倍さんはついている人です。このツキは大切です。宮内さんの水曜日の履歴書にも、USリースの経緯が書いてありました。顧問弁護士の助言が活きた顛末ですね。


成功するのは、必ず、努力だけでは駄目ですね。努力があり技量を磨いても、最後は「運」と言う神様のさじ加減が、人生を左右します。証券マン時代、様々な人の人生を見てきました。例えば、カタルのあるお客様は、大量の東電株を持っていました。カタルは退社する前に、この東電株を売って、全て三菱UFJ株に変えてきました。でも三菱UFJ株もその後、下がったのですね。たしか800円前後から買い始め、最後は500円台を残りの東電株を叩き売って、三菱UFJを買っていました。結果はその後、東電は原発事故を起こし、三菱UFJは生きていますね。きっと、これはお客様の運命ですね。たまたま僕がお客様の担当になり、銀行株の安さに魅了されていた。確かに銀行株もその後下がりましたから…一時は呆れていたでしょうが…。今では買いの平均買値を上回っていますね。人生、「塞翁が馬」とは、よく言ったものです。

金融日の米国株の大幅の下げは、FRBが緩和縮小をしなかったのは、実体経済が悪いとか…なんとか理由を付けているのでしょうね。きっと…。でも株価は高値を抜いて下がっていますから心配はないのでしょう。ダウ平均銘柄の入れ替えもあり、ダウはいい加減な指数ですね。SP500は綺麗な形をしています。バーナンキの選択はきっと正しいのでしょう。同時に金融株も、綺麗なチャートになっています。まだ利益が唸るほど増えていませんが、マズマズの水準ですね。しかし完全復活には、あと1年程度は必要なのでしょう。

カタルはいくつかの検索を用い銘柄選別をしていますが、どうも小型株が入ってなく見落としが、かなりあるようです。時代が大きく変化していますから、検索の範囲を広げる必要性もあるのでは、ないかとも考えています。更に会社を辞めてから3年が経とうとしていますが、この検索方針を少し見直そうとも思っています。その為に、ホームページの在り方も、少し変更するかもしれません。僕の場合は、こうして原稿を書くことにより自分の考えを確立させているので…その為にページのあり方を変えるかもしれませんから、ご了承ください。まぁ、希望的な思いですが…本来のカタル君は怠け者ですからね。システム転換させる時間も、かなり努力が必要で大変なのです。強い衝動がある訳でもないし…こうやって宣言しないと、なかなかカタルは努力をしようとしませんから…ある意味では書くことにより、自分を追い込みたいと願っているのでしょう。それではまた明日。

投稿者 kataru : 11:15 | コメント (0)

2013年09月14日

見えない利益の過程

オリンピック開催の決定を受け、市場は直接的な感覚で反応し、大成建設から鉄建とハコモノ相場に流れています。この動きをカタルは否定するわけではありませんが…如何にも発想が貧困で市場に旗振り役が不在だという事が分かります。3Dもハコモノも本来は業績向上への見込みが低いのでしょう。ただ建設株は失われた時代下で、構造調整を終えています。まだ三井住友建設のように資本整理まで済んでいないものは多いのですが…三菱自動車のケースは、ある意味で次のステップへの布石ですね。しかしこの表現は間違っているかな? そもそも経営危機時に発行された優先株の消却は、失敗を市場に押し付けるもので、本来、優先株の消却は期間利益や借り入れで正常化させるべきなのでしょう。東証を含め、野村などもこの失われた時代の過程を見ると、偉そうなことを言えませんね。みんな苦しくなれば、他人をだましたりするのですね。人間の本質は醜いものなのかもしれません。勝俣さんからの東電の後処理人事をみると、山一証券を思い出します。泥をかぶる覚悟がある人は、日本には居なかったのでしょう。故に失われ時代が長引いたのでしょう。まるで誤魔化し社会です。

米国は公正で公平の国かと思っていましたが、結局、米国も自分勝手な論理が目立ちます。この度のシリア問題でのオバマの対応を見ると…日米同盟などは、安保闘争の時にやはり潰すべきだったのでは…とも考えます。カタルは学生運動の時は中学生で、僕らの兄貴達が運動をしていた人が居たようで、中学生の同級生のW君が火炎瓶の作り方などを教えてくれて、感化された記憶がある程度です。高校生の時は既に下火でした。しかし全校に学生闘争の集会ビラが貼られ、その時に学校は臨時休校になり機動隊が来ましたが、実際に演説したのは一人との話でしたね。M君と言う生徒会長をやった人間だったように記憶しています。あさま山荘の立てこもり事件、三島由紀夫の割腹自殺など…。あの時代がある意味で曲がり角だったのかもしれません。55年体制の確立は蛆虫軍団を作ったようで…失われた時代を振り返ると悔しさだけが残るのです。

3Dやハコモノ相場は55年体制が延長された偽物相場に感じられるのです。代わってカタルが一時、推奨株としてよく採り上げた「J・TEC」はある意味で株式相場らしい…動きになっています。フィデリティーファンドが主体となり、市場から浮動株を吸い上げ高株価が維持されたままです。カタルが最初に注目したのは昨年10月頃の話しでした。膝関節の治療薬として「自家培養軟骨」を用いて再生医療の認可を受けたと言う話が切っ掛けです。薬の場合は正式な薬になる前から相場になるケースが多いですが、実際はかなりの開発年月がかかり、認可を受けてからで充分なのでしょう。その認可が10月に降りたので…当時株価は2倍程度に跳ね上がり、その後、低迷していた時期からカタルは推奨を始め7万円台の株価でしたね。カタルの発想はグルグルのグルコサミン、世田谷食品のTVのCMが布石にあったのですね。だから市場規模はかなり大きいのだろうと…推察していました。

この市場規模を巡り市場では意見対立があり、株価に対立が生まれます。まだ収益化されていませんが、フィデリティーファンドは既に投資を開始し、その影響もあり株価は88万円台の高値を一時付け、下がったとはいえ、高株価を維持しています。おそらく認可から2年後辺りから徐々に収益化が進むのでしょう。今後、薬の適用範囲が広がるかどうかにより市場規模は変わり、ここに株価の焦点は移りますね。でもファンドの連中は待たされる訳です。実際に黒字化して株価に見合う収益が表面化しないと、彼らは逃げられませんからね。株価を高くすることは誰にでも出来ますが、その高くなった株を買う人を見つけることは困難です。ただ本当に四季報の予想規模の数百億円規模なら…株価は確実に今の10倍程度まで伸びても、不思議ではありません。四季報も怪しいものです。よく考えれば同時に、再生医療のトップ企業としての地位を目指す夢もあります。

なにも高くなったJ・TECの宣伝ではないですよ。007との比較に登場させただけの話です。一方007はゲームの需要がなくなり、収益の構造改革下にあります。通信関連など、様々な先端分野の組み込みソフトメーカーとして注目されており、カタルもどっぷりと…その魅力に、魅せられた部類でしょう。この解説は省きますが…、J・TECと007の業績回復の進化スピードは、カタルにとって同じ程度の進化に見えるのですね。J・TECは大手ファンドから評価され株を吸い上げられ、007はその対象になっていない理由は、何処にあるのでしょう。それは見えない利益の確実性なのでしょうね。既に厚生労働省からお墨付きを頂いた銘柄と007は村田製作からお墨付きを頂いたのですね。

カタルにはJ・TECが昨年10月に薬の認可を頂いたのと…、007が12月に村田から資本提携を受けた意味が、同じに見えるのです。しかし厚生労働省の認可と村田の認可では価値が違うのでしょうか? おそらく技術の収益化の確実性が違うので、フィデリティーなどのファンドの賛同が得られないのでしょう。もう少し見えるようにならないとファンドは参入しないのでしょう。でもカタルは既に感じているのですね。先日、村田社長は日経新聞でのインタビューで、スマフォから車などへの展開を狙っていると語っており、既に秋のITS会議で、村田と007は共同で展示ブースを設けていると発表されています。

今日は007の解説ではないのですよ。株価の原理の解説です。3Dやハコモノ相場は収益化が難しいのです。建設業界を見れば分かります。復興が遅れていると良く聴きますが…当たり前なのです。失われた時代で建設作業員の技術伝承が全く出来ておらず、人が足りません。その為に臨時対応の人件費が高騰し利益がでないのですね。だから復興予算が未消化になっているのですね。需要はあっても採算は合わずに、一時的な需要に対し、建設会社は人員増員などの設備投資の拡大志向に、なかなか移行できないのでしょう。デフレの定着です。

昨日、東京都がオリンピック建設に絡む予算の再計算をしたら…1538億円から2500億円増えて4100億円になったと報道されていますね。異常な試算ですね。何処に狂いがあったのか分かりませんが、今年1月は1300億円と…盛んに報道されていたのですね。わずか半年で地価が2倍になるのでしょうか? 資材が2倍に、人件費が2倍に跳ね上がるの? 如何にも不自然ですね。まぁ、この問題は兎も角、需給バランスが崩れ、人件費や資材が上がるのは、何となく分かります。そうすると…果たして建設業界はそんなに儲かるのでしょうか? むしろ太平洋セメントなどの資材を提供する会社の株価が評価されていいのでしょう。

一見すると、今日の話は繋がりのない解説ですが、株式相場は「未来の収益(見えない利益)」の読みの可能性だと…述べているのです。3Dやハコモノ相場の背景にある企業業績が、どの程度プラスなのかカタルには見えないのですね。ただ建設株に関しては、カタルは予防保全の考え方など含め、社会資本の更新期に当たるので、前から推奨しています。カタルはPFIの概念から、大手では清水建設を事例に掲げ、仕手性のある銘柄に熊谷組を推奨していましたね。さらに橋梁の横河なども掲げてあります。でも何故か、ハコモノ相場には、抵抗感があります。理由は前世代的な財政支出に絡むので、カタルの目指す小さな政府の考え方から、逸脱するからです。時代を戻しては…なりませんね。折角、時間をかけて、構造改革を進めたのです。おそらく…カタルは、ここに抵抗感を覚えるのでしょう。

今日は「見えない利益」の読み…の微妙な感覚を解説したので、分かりにくかったかもしれません。明日はケネディクスの関連ニュースが増えているので、その解説をコラムでしましょう。

投稿者 kataru : 11:05 | コメント (0)

2013年09月07日

鬱からの脱却

技術革新による構造改革や新興国の台頭によるグローバル化などの要因が引き金になり、雇用と余剰生産設備の償却が、課題になったデフレ時代からの転換は容易ではないのでしょう。半導体産業やシャープを見れば分かります。しかし一部では生産人口の低下により、このギャップの溝が埋まり始めているのでしょう。団塊の世代の退職は、ある意味で労働需給に変化を与え、企業には人件費の削減により収益バランスが改善するのでしょう。この構造改革は、歪な形でプログラマーなどの新しい分野は人手が足りずに逼迫しており、最近は建設労働者も不足しているようです。カタルが提唱する「スマート・コミュニティー」への展開は、時間の問題です。日本がこの未来技術を積極的に活用し進化できる素地が一番ありますが、政府が音頭を上手くとれるかどうか…。日本と言う社会は官主導に慣れており、誰かが音頭を取らないと民間主導では、動けませんからね。サラリーマン社長は、所詮、時代をリードする器ではありません。ソフトバンクの孫氏、ファーストリテイリングの柳井氏、楽天の三木谷氏など活躍は、まだ僅かな勢力で日本全体を引っ張る力は秘めていませんからね。マイクロソフトなどをみると、せいぜい10年かな? ピークと思われる革新が続く期間は…、既にITバブルから10年以上が経過しており新しいスターが求められます。

例えば市場で期待されている3Dプリンターですが…、カタルはアークを研究するときに、この技術革新が気になりました。3Dプリンターが普及すれば…あるいは、3Dプリンターで作られた金型への信頼性が確立されれば、金型産業が消えることになります。しかし現状では高度の自動車金型の主要部分は、まだ置き換わらない…と判断した経過がありました。耐久性などがネックになり、精密な技術が求められますからね。僅かな温度差が微妙な伸縮率に影響を与え、まだ3Dの本格的な実用化は先だろうと…と判断したのです。
カタルは昔、上京した当時なので…1989年頃の話です。アスキーに興味を覚え、買っていた時期がありました。結局は消えるのですが…。その時に、もし米国のマイクロソフトを買っていれば…カタルは大金持ちでした。まだ海外株の投資は、一般的ではない時代の話です。しかし今は簡単に外国株も買えますね。それなら何も、MUTOHや群栄化学を買わなくても、米国の3Dシステム株(DDD)を買えばいいのですね。本質を外してはなりません。所詮、日本はこの分野では後進国です。しかしこの3Dシステム株は、急騰を続けていましたが、最近は評価が二分され始めています。おそらく爆発的な伸び率はないのでしょう。面白半分に3Dプリンターを買っても使い方が限られます。

でも何か時代をリードする産業が生まれると思うのです。その一つが「クラウド」と言うキーワードですが、この流れからLINEが誕生しています。少しクラウドの解釈から外れるかもしれませんが、バックグランドを結び付けるサービスは、ミクシーのSNSなどから進化を続けています。ソニーのネットテレビに期待するのは、ソフト資産と技術革新を結び付ける火種がソニーに残っているからですね。能力のある経営者次第で…ソニーが輝く可能性があります。映画、音楽、ゲーム、金融、医療とあらゆる分野に、それぞれ足がかりがある企業は、世界を探してもないからです。だからカタルは8月17日の日経新聞の報道を見て、ソニーに対する評価を単なる家電企業から一変させつつあります。でも本当は小さなベンチャー企業が成長株なのですね。果たして日本で生まれるのかな?

さて今日の新聞には、中国の住宅価格が上昇していると…の掲載がされています。1989年から1992年頃まで…日本も同じ状況でしたが、日本は銀行借り入れにより、不動産価格の上昇の鞘取りをゲーム化していました。しかし中国は現金取得が多く、借り入れは厳格に制限されています。更に重要なことは、日本は地価を下げてコントロールしようとしました。所得を上げずに地価を下げようとしたのですね。中国と大きな違いですね。おそらく中国政府は、日本の失敗を糧として、参考にしているのでしょう。如何に資産価格が重要か…よく知っていますね。日本のように、株などで稼いだ所得を不労所得と言い、「悪銭身につかず」と批判などはしませんね。文化の違いでしょう。過剰な減損会計が、自らの経済の崩壊に繋がった一例として、昨日は歳入と歳出のバランス推移を見て頂きました。正しい政策が実行されていれば、歳出とともに歳入も伸びるのです。こんな歪な事例は世界では珍しいでしょう。カタルは過去、何度もこの清貧思想を批判し続けました。

さてアベノミクスの成果の一つで、今回の金融検査の変更があります。ノーパンしゃぶしゃぶに狂った大蔵省が焼け太りし、金融庁と言う新たな出先機関を獲得し、転んでもただで起きない官僚組織の象徴的な事象となっています。その金融庁に強権を与えたのが、竹中平蔵なのでしょう。大銀行のUFJが官僚組織に潰されたのです。あんなことが許されたから、失われた時代が長引くのでしょう。もともと不良債権の素地を作ったのは政府ですね。資産価格の劣化は、兆円単位の話しで、民間企業が賄える水準ではありませんね。それを増長させたのが金融庁検査です。この方針が昨日の金融庁の発表で、少し変わります。正式に金融庁が検査方針の転換を発表しました。しかしカタルが求める姿には遠く及ばず、金融庁にとって譲歩の産物なのでしょう。

権力を一度、与えると…なかなか組織は、手放そうとしないのが人間社会でしょう。最近の日銀総裁の発言をみても…黒田さんは日銀マンの組織に冒されてきたようです。やはり小者ですね。消費増税見送りなら「どえらいリスク」との表現が、日経新聞に載っていますね。おそらく日経新聞は、大蔵省の出先機関メディアですね。このようなミスを連発して、失われた時代が作られてきました。日本の株式持ち合い株による終身雇用と年功序列の維持は、ある意味で良き仕組みだったのです。それを壊したのは…このような日経新聞などのメディアによる金融関係者の洗脳でした。1985年まで、日本は世界でも稀な形で高成長を続け、社会を維持してきたのです。ところが…宮澤喜一のような学者肌の人間により、一見すると正しいような米国の罠に嵌り、今日まで来ました。民主党も政権を獲得した瞬間に官僚組織に手なずけられ崩壊しましたね。

カタルは市場原理主義者ですから…、もし黒田さんの発言が正しいなら、もっと金利が上昇し政府に対応を迫る筈ですね。事実、今年の春の異次元の量的緩和の時は、金利が急騰し、あっという間に1%を超えました。しかしまた下げていますね。この意味を考えると、市場は政府のデフレ脱却を本当に信じているのかどうか…怪しいのでしょう。消費税引き上げは必要でしょうが、本当に、今なのでしょうか?

この選択はカタルにも、どちらが正しいのか分かりません。しかし今一番、必要なことは資産価格の上昇でしょう。そうしてデフレを脱却して、景況感の浮上をもたらし設備投資に火をつける事です。予防保全などの社会インフラの再構築をスマート・コミュニティーの観点からすべき時ですね。バランスシートを見れば…国家の負債の反対側には、膨大な資産が眠っている筈で…この活用により負債が減らされるはずです。強制的に官の人員を削減して、権力の権限を縮小させ、民間に移譲させるべきとの考えが、正しいはずだと考えています。市場がもたついている本当の理由は、FRBによる量的緩和縮小でもなければ、シリア問題でもありません。消費税の判断に、市場は戸惑っているのでしょう。

株式相場にとって、金融秩序の維持は絶対に必要な事で、黒田さんが脅す発言の趣旨も分らないでもありません。それほどの状況なら、円の価値は、何故、円は100円を挟んだ展開なのでしょう。120円、150円になっても良いじゃないですか…、金利は0.9%と高値水準すら、維持できていませんね。現状は0.79%程度ですね。もし円安が加速するなら、日本の中国やタイに向かった生産は、日本に回帰しますね。この考え方が支持されると思い、カタルはアークを選択しましたが…、実際はこの円安下では、微々たる現象で生産の維持止まりの結果でした。実社会もアベノミクスの強さの判断に戸惑っている訳です。故にカタルは、毎年1%ずつ消費税を引き上げるやり方が、ものの価格を上げるデフレからの脱却にも、健全財政への道にもプラスに働くと思っているのです。

しかしまぁ、難しい判断ですね。しかしどちらに転んでも…。これまでの政権に比べ、これまでの選択は、どちらかと言えばベターの選択をしているように感じます。ベストの選択は、今の日本にはないのでしょう。少しずつ長年の失政を修正するしか、道はないと考えています。だから金融庁の方針転換も不満ですが、これで良いのでしょう。株式相場を考えると分かりますね。株価は企業業績の伸び率が落ちた段階で、下げ始めます。一見すると…まだ伸びが続くので、株価の評価はおかしいと考えるのですね。ガンホーの株価を想定して下さいね。企業業績がまだ伸びていても、伸び率が縮まると株価は横這いに移り、やがて下げ始めます。これと同じ理屈ですね。だから融資額が小さくても貸し出しする銀行に、裁量権が委譲されることは、良い事なのです。官から民への流れに沿っています。

今回発表された、金融庁の裁量権の委譲の話は…非常に大きなインパクトを、後の世に示すことになります。このような動きが、外人買いを促すのです。外人投資家はみんな頭が良い、ノーベル賞級の投資家が揃っていますから…国策に敏感です。確かに、今、大物が狙っているのは、日本国債の暴落でしょう。だから黒田氏は発言する趣旨も理解しないでもありません。しかし売るものがない現状ですからね。債券先物を規制すれば、それで済みます。実弾がない訳で、厳格に国債管理をしておれば、何処にどれだけ国債が保有されているか? 管理されている訳で、そんなものは管理相場の範疇ですね。だっていくら口で脅しても、米国は債務国で、本や中国は債権大国ですよ。日本国債を暴落させることは出来ませんね。米国が困りますから…。

だから黒田さんや財務省が宣伝する米国寄りの主張もおかしいとも感じます。でも近年続く、貿易赤字は、もたつく政策の警告でもあります。経常で黒字だと…何時までも安心はできません。さて今日は少し難しかったかな? 全銀連が発表している貸し出し推移が8月末は、前年同月比で3.5%も伸びたそうです。この水準は4年3か月ぶりとか…。分かりますか? かたるはケネディクスの解説をしているのですね。このような数字の変化が、個別企業の企業業績の伸び率を、教えてくれているのです。毎日、くだらないゴタクを分からないでも読んでいれば、何時かは、その辺の証券マン以上の知識水準になります。カタルの見方が価値がっていると思ったらメールをください。決して正しい訳でもないでしょう。しかしカタルは、現在はこのように考えている訳です。

ほらG20でも米国、日本、そうして最近カタルが話題にしているイギリスが、好調組にリストアップされていますね。しかし日経新聞は、この重要な事実を大きく取り扱っていません。何故なのでしょう。新興国の通貨安などより、EUの回復の方が世界経済に与える影響は大きいと思いますが…。何故か、日経新聞はこの重要な事実を大きく宣伝していません。きっと裏があるのでしょう。つまり株を安く買いたい勢力が存在するのではないかと…推察している訳です。テクニカル面でも6月の最安値を、現在の200日移動平均線は上回り、この現象は非常に重要です。二段下げのリスクが、限りなく薄れたことを示しています。自分でチャートを開き、自分で確認してください。それでは今日はこの辺で…。明日は良くなる希望の社会が近づき、鬱の社会からの解放は近いのでしょう。

投稿者 kataru : 11:50 | コメント (0)