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分相応(2013年08月10日)
やはりよくソフトバンクは時代を知っていますね。「クラウド」を浸透させようとしています。米国コニーとの提携ですね。グーグルやアップルに勝てるとすれば、やはりこの会社でしょね。株価は既にかなり高評価で、このクラスの株が、今すぐに期待感だけで上がるとは思えませんが、3年後ぐらいには新しいステージに入るかもしれません。長い読者の人は分かると思いますが、僕は昔からファンです。アスキーの西さんは僕と同じように挫折組ですが…光通信の重田さんも立ち直れませんでしたね。あれだけメディアに叩かれると多くの人は価値観が変わるのでしょう。
リクルートの江副さんは失意の中で亡くなられました。ライブドアの堀江さんは復活できるのでしょうか? 今沈んでいるのはグリーの田中さんです。彼はこの壁を乗り越える事が出来るかどうか、ブレーンに恵まれればいいのですが…。ソフトバンクの孫さんは北尾さんと上手く切れましたね。話によれば北尾さんは親分肌との事ですが、あのままやっていたら分裂したのでしょう。あの時に割れたから良いのでしょう。人間関係は難しいものです。理念が共有できるかどうか。やはり人間には度量があり、資質が器を決めるのでしょう。二代目は土台があるからこのステップを省略できますが、この第一段階の壁も厚いですからね。この壁を破り、第二、第三に挑む勇気はなかなか生まれるものではありません。株を通じて人間学の勉強にもなるし、政治の勉強にもなります。やはり株式投資は必須の学習教材ですね。世間を知らなければ儲かりませんから…。
さて今日はガンホーが、あれほど株価は上がったのに、カタルは一度も採り上げませんでした。その理由は単発だからですね。それでは何故、DENAやグリーは何度も取り上げたか?この理由を今日の株式教室の話題にしましょう。一番大きな理由は、利益の継続性です。同じように携帯ゲームのグリーやDENAも利益の継続性が疑われますが、グループ化による利益の搾取の仕組みを評価したのですね。小さなゲームの開発会社に資金提供やグループ化し、自社のインフラを提供する。そうすれば小さな会社はゲームのソフト開発だけで済みます。そのゲームを稼働させるサーバーへの投資や宣伝を含め、料金回収なども…もろもろの諸経費をグループに入ることで節約できます。ウィン、ウィンの関係を構築し世界に羽ばたけると考えていました。まさかアップルが搾取するとは…つまりグリーやDENAの仕組みづくりの効果が失われたのですね。カタルの失敗は、この見極めが遅かったのですね。国内携帯ゲームの仕組みを海外にも転用できると考え、海外利益の計上が遅れているのは、国土が広い為にサーバーの連携とか…通信速度の技術的な問題だと考えていたことにあります。基本的な概念が間違っていることに気付いたのは、株価が1000円の時です。11月に1400円で買い5月に投げた訳です。その時は日経産業新聞の報道が切っ掛けでした。
そのガンホーですが、好業績なのに株価は売られています。一過性の利益と市場は見ている訳です。もともとゲームのPERが低いのは、ゲームに厭きるからです。ファイナル・ファンタジーを、今でも継続的にやっている人は、居るのでしょうか? あの当時は楽しかったですね。それぞれのステージに隠された謎を解きながら進むゲームは…一つの壁をクリアするたびに喜んだものです。パズドラも同じようなものでしょう。DENAの変身はSNSで実証済みですが、グリーはどうやって壁を克服するのかどうか。ガンホーはこの利益をどう利用するのでしょう。グリーは溺れましたね。プログラマーの価値を引き上げたのですが…生かし切れていないようです。費用対効果は市場から失敗との烙印を押されています。でも信用取引の取り組みを見ると、どっちにしても6月本決算の数字が明らかになれば、減損懸念も一旦は消え、短期的な株価上昇相場が予想されます。ただ4ケタ辺りまでかな? 新しい展開が見えないとすれば、いくら仕手化と言っても「上を買う人」が居ませんからね。
株式投資で重要なことは、この「上を買う人」は、誰か?…という問題です。だから割高の株価は、恐くありませんが、割安の株は恐いのですね。一見すると007もケネディクスも背景の知識のない人が見れば、非常に割高に感じられます。どうしてかと言えば、未来の利益が期待され、業績の変化率の角度が高いからです。この確度が問題なのですね。KYBや新電元は、確かに株価と数字が見合い増額修正されていますが、変化率と言うか業績の増額される角度が鈍いのですね。2割、3割程度の増額では、人々の心は動きません。2倍、3倍に利益が膨らむから、PERが30倍、50倍と評価されるようになります。時代の変遷を捉える銘柄は、利益の変化率が非常に高いのです。長いデフレ時代からの脱却が問われているケネディクス。スマートコミニュティーと言うユビキタス社会に賭ける007と言う狙いは、一部のプロからは支持される評価でしょう。しかしあまり時代の先を読み過ぎるのも問題ですね。今からロボットスーツを買う動きに出るのは、早計なのでしょう。
結局のところ、儲けるのは全体相場にかなり勢いがないと…なかなか儲かりませんね。先週は相場観を修正した話でした。米国の経済は好調です。GSE(フレディーマックやファニーメイなどの住宅金融の会社)の利用率を引き下げるオバマ発言は、自信の表れですね。米国が優れているのは、政府の役割範囲を自ら心得ていることにあります。役割が済めば組織は解散するか、維持するだけの小さな組織にします。あるいは民間に委譲しますね。しかし日本は、その組織を永遠に支配しつづけ、場合によれば肥大化させます。政府系の民間組織が、如何に多い事か…。政府予算がドンドン肥大化する構図をメディアはなかなか叩きません。官僚組織は徒党を組んで、自分達の権益を守ろうとしますからね。まさに村論理です。
農協や漁連など様々な組織に官僚の天下りが、学校組織と同じように配属されています。有識者会議のメンバーを見れば、もともと官僚人脈が非常に多いですね。利権集団です。この組織が機能して、日本が成長するなら文句は言いませんが、今は足を引っ張る存在ですね。アベノミクスはある意味で、非常に危うい政策です。ガラガラポンのリスクも存在しますね。現段階では分かりませんが、来年になると…消費税が引き上がると、ある程度見えてきますね。まだしばらく異次元緩和効果は続くのでしょう。三菱UFJの株価を見ていれば予想はつきます。来年4ケタを目指すのか…それとも今の水準にとどまるのか?この辺りはバロメーターの一つでもあります。
カタルのページの読者数を見ているとピーク時より1000人程度が減ってきたようですね。株式相場が低迷すると読むのも厭になりますからね。仕方ありませんが、もし自分が勉強するならカタルの心の移り変わりがどうなって生じているのか? その辺りの人間分析も面白いですよ。カタルが投げる時は、底になる時も多いですね。カタルは駄目だと考えても、自分の考えに固執することがあります。物凄くお金持ちなら絶対に株は儲かるのですね。株は下がれば儲かるのです。株式投資で一番難しいのは、銘柄の選別でもなければ、投資のタイミングでもありません。自分の力量を知ることが、一番難しいのですよ。自分自信の力量をわきまえて行動する分相応と概念を、確立させることが相場で成功するコツなのでしょう。カタルはこの壁がなかなか越えられませんね。かなり自我が強いのですね。自制すると言う意味は奥が深く、難しいものです。