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決算を考える(2013年05月04日)

多くの投資家の人は間違った観念を抱き、株式投資を実施しているように感じます。メールの質問で一番多いのが、需給バランスについての話ですね。多くの人が余りに短史眼的なイメージを株価に抱いているようです。確かに株価を大きく動かすのは市場人気であり、ディーラーなどが参入する時期が問題になります。ディーリングを中心に、投資をする種族はネット取引の一般化で、大きなウェートを占めるようになりました。メディアが小手川君の成功事例を報じたこともあり、多くの人が彼をモデルにイメージを構築させたのでしょう。実はカタル君も証券マンになりたての頃は、罫線に魅了され様々な本を読み漁り、酒田五法からエリオットの株価波動論まで…色んなものを試しました。実際に、今も経験に基づいたアイディアを検証し、σ理論なる仮説を基に実証検証をしています。

しかし銘柄動向を探るうえで、一番気にするのは社会環境や時代性からくる企業業績の動向です。カタルが今回の株高の要因で、軽視したグループでバイオ関連と円安関連があります。カタルは教科書通り、金融緩和から物色される金融相場をイメージして金融・証券・不動産と言うオーソドックスな金融相場の3点セット銘柄を中心に、相場のシナリオを考えてきました。しかし現実はマツダをはじめとする円安銘柄やナノキャリアなどのバイオ株が大きく物色されました。まぁガンホーは、ある意味で新興財閥のターゲットになったのでしょう。僕の友達もそうですが、六本木ヒルズ族と言うか…、ネット・ビジネスで成功した新興成金の遊び仲間のグループが株価を持ち上げたのでしょう。どう考えても、バブル株価です。丁度、2000年2月のイメージですね。ITバブル時も驚きました。ガンホーはそのイメージですね。その話は兎も角、ナノキャリアは新成長戦略のイメージと捉えると、話は分かりますね。

でも、カタル君の選んだJ・TECの方が、今では株価が上に位置していますね。この理由は以前から述べていますが、僕には薬品の市場規模の予測が分かりません。きっと、J・TECの切り返しの株価の動きは、正確な市場規模を見越したグループの新規参入なのでしょうね。所謂、手替わり相場と言うイメージなのでしょうね。だから株価に見合った利益が、2年から3年以内に実現するのでしょう。現状の水準では、どう考えてもあの株価は整合性がないですからね。でも間違いなく、株価に見合った利益は生まれるのでしょう。安倍首相がここまでバイオ関連、一般的にはIPS関連かな?…を後押しするとは思いませんでしたね。今回のロシアから中東への歴訪も、経団連のグループを引き連れたトップセールスを実現させ、実務家のイメージを市場に与えています。これは大きな材料なのですよ。おそらく皆さんは、この現実を過小評価しているでしょうが…過去の歴史の中でなかったことです。

更に余談を…続けますと、今日、報じられている金融庁の方針転換は非常に大きいですよ。銀行への貸し出し指導ですね。昔は日銀が窓口指導をしたのですね。今では金融庁様の意向は「絶対の権力」を持っています。何故なら、この意向に逆らおうとした三和銀行(UFJ)はなくなりましたからね。竹中平蔵時代の話ですが、カタルはこの処置をやり過ぎだと批判しましたが、この為に日本はデフレ状態が延長されたと考えています。失われた時代が長引いたのです。それは中途半端に、竹中路線が軌道修正されたからでしょが…。まぁその話は兎も角、ここに来て金融庁が方向転換する現実は、日本経済を大きく浮上させます。間違いないですね。安倍首相のトップセールスと金融庁の方針転換は確実に景気を浮上させます。何故、1日にカタルが単純平均株価の話を持ち出したか? この理由は何れ明らかにされます。カタルは、既にかなり株価が上がったけれど…、依然、かなり日本株は歴史的に見て、割り負けしていると考えています。必ず、イールドスプレッドなどの概念が甦るのでしょう。金利と株価には整合性があるものなのです。

さて話がそれますね。この辺で元に戻しましょう。この時期の決算数字と株価の動きを見ると面白いですね。今日はその話をしましょうか…。実は「3Qの謎」も、業績の読みの考え方を示したものです。良い事例が見つかると良いのですが…、全部、調べてみて例題が見つかれば一番いいのですが…カタル君、無料のサービスの為に、そんな時間をかける作業をするのは…商売ではありませんから、遠慮させていただき、まぁ妥協の産物ですが、先ほど、リコーのケースでも良いかな…と妥協して、この事例で説明しますね。


基本的に株価は、常に期待感で動き、反応しています。だから、どんなに好決算が発表されても、一度、事前に株価が上がっていれば、多くは結果が分かった段階で、パーティーは一時的にお終いですね。ただ稀に事前に株価が上がっていても、その結果を利用して、仕掛ける筋が絡む動きが出るので混乱しますね。要するにケース・バイ・ケースなのでしょう。この決算数字の発表は、株価の分岐点の一つで、あらたに示された数字は、今後の株価動向の方向性を決めるので非常に重要なイベントです。

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リコーは、どうして決算数字が発表された段階で、株価が売られたのでしょう?
カタルにはよく理解できません。前期の数字は四季報より悪かったですね。しかし今期の予想数字は四季報の事前予想より良かったのですね。通常は会社が打ち出す今期の決算予想は(2014.3)控えめな数字を出すものです。ところが四季報予想より、かなり上方修正されています。これは為替などの関係でしょう。つまり株価は需給バランスで一時的に売られた現象で、移動平均線にぶつかる現在の水準から下は買い場でしょうね。

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中長期的なリコーの株価位置もついでに観察してみると…、決して現在の株価水準は高い位置ではありません。おそらく事前に好業績が予想され株価が買われていたので、需給バランスを調整する乖離調整なのでしょうね。このように中長期的な株価波動が転換するときには、一時的に売られることは良くあります。業績の回復度合いから、今年中に2010年の高値1647円を目指すのでしょう。だから26週の株価移動平均線を基準に考えると良いですね。しかしこれだけの数字なので、おそらく26週線より上の位置で切り返すのでしょう。よって現在の75日線より下の株価から打診買いを入れ、株価を観察するのが良いでしょうね。

このケースは一般的なパターンです。カタル銘柄のJVCケンウッドもこのケースです。前期の数字は更に減額されましたが、今期予想は増額されていましたね。今回の外部環境を考えると、このケースが一般的な事例なのでしょう。むしろ11月からなので、前期の数字も増額、更に今期も増額なのでしょうが…企業は往々にして保守的ですから、前期に損失を過大に増やすケースが考えられます。何故なら、今期は前期より間違いなく外部環境がよく、好業績が予想されるので、前期に考えられる赤字を付け替える事をするケースがあるでしょう。

まぁ、リコーの場合は目先筋が、決算数字が良い事を知っていたために買い上がったので決算数字の発表で、利食い売りが集中したケースですね。それだけの話しでしょう。ところが…決算発表した後に急騰するケースがありますね。リコーのケースは一般的なケースですが…ガンホーをイメージすると良いでしょうか?ガンホーは2月14日に前期の決算数字が明らかにされました。その前日の起点から大きく飛び始めますからね。好業績を背景に仕掛け人が存在するケースは、こんな株価動向になることが時々あります。

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兎も角、今回の業績動向は今後の株価に大きな影響を与えるので、その数字の行方は非常に注目されます。此処で一番大切なことは、前期の数字なんかどうでも良いのですが、その数字に作り方が問題なのです。特別損失を加えているかとか…。今期予想も前提となる為替水準をどう見ているとか…。会社側の姿勢が決算数字に反映されます。そのような動きが今後の株価に影響を与えます。詳しい分析は、長年、決算数字の作り方を見ている人間には、敵いません。会社にはそれぞれ特徴がありますからね。ただ事前に株価が大きく跳ねた企業は、発表後に売られることは良くあります。リコーのケースのように…その点は注意された方が良いでしょう。