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どうせ浮世はままならぬ…(2013年05月25日)

5月3日のコラムに「クロトン効果はアノマリーを凌駕できるのか」を掲げました。あの時点では漠然とした不安でしたが…その後、新興株の下落から始まり、日経平均株価が大きく値下がりし、昨日は乱高下をしています。結局、答えは何処にあるのでしょう。通常僕らの世界では、調整は二通りのパターンがあり、値幅調整と時間調整と言うものです。どちらが強いかと言えば、時間調整の方が強いのでしょう。一時的な感情の動きには耐えられるものですが、時間の壁は誰にでも越えられません。故に同じ調整でも、時間調整の方が価値は高いのでしょう。今回の相場の大部分は、行き過ぎたデフレ現象からの修正が主だった上昇なのでしょう。アベノミクス効果と騒がれていますから、成長期待に向け、日本経済は動き出したと言う幻想が、崩れたのが1143円の値下がりなのでしょうね。

つまり昨年11月からの株価上昇は「デフレ・ボトム・ポケット」の修正が主体であり、その修正が終った…と解釈する方が自然なのでしょう。そう考えると…進まぬ日本への生産移管などの実体経済が反映され、市場と実態との整合性は取れます。シャープの株価を550円と、当初設定した鴻海精密工業への割当価格を上回り、過度に沈んだボトムからの脱出に成功したに過ぎないのでしょう。長期金利の状況なども、その事を示しています。1%は、もともとかなり低い水準ですからね。「3Qの謎」と言うテーマの仮説は遅れており、現状では崩れてもいます。この背景は先進国への回帰が始まるとの期待がありましたが、今の所は、円安を梃にしての輸出企業の国内回帰の動きは、ほとんど見られませんね。せいぜい生産基地移転を考えていたものを、先延ばしすると言う現象に過ぎません。

つまりこれからの動向にもよりますが、仮にこの程度の動きに留まるなら、マツダなどの過度に期待された幻想は、当然、はげ落ちることになります。つまりこの考えが正しいなら、マツダは株価が天井を打っているのでしょう。ただ中国の動向やメキシコの新工場などの動向にも、よるのでしょうが…。少なくとも、国内有利の現象は株価に織り込み済みですね。

当然、シャープも、目先は、お役目終了でしょう。だって「デフレ・ボトム・ポケット」からの修正は終わったのですからね。ソニーも同じ理屈になります。ヘッジファンドが資産の切り売りを述べているのは、ソニーにそれらの資産を有効活用する力がないから、切り離せと述べているのでしょう。パナソニックが三洋への投資が空回りしたように…。所詮、企業買収などは「もろ刃の剣」で、扱いが非常に難しいのですね。失敗する企業もたくさんあります。グリーにおいても可能性は否定できません。

企業の設備投資、買収も含めた投資の成果は、必ず成功するものではありません。家電のテレビ事業への設備投資は、みんな失敗です。亀山から堺と…成功した筈のシャープが、失敗したのですからね。シャープは国内、NO1なのですよ。NO1で失敗したルネサスエレクに似ていますね。ルネサスは世界でも、NO1だったのです。見せかけの売り上げは真の成長ではないのでしょう。やはり利益が付いてこないと…難しいものですね。

さてアベノミクスの真価を試すのは、これからです。ここまでは誰でも出来るテクニックを応用したに過ぎません。既にアベノミクスは、禁じ手に着手したわけで、最後の挑戦が始まったのですが…、果たして当事者に、その認識があるのかどうか…。歴代の政権より、確り運営されていますが、市場は新たなテーマを、政権に与えたことになります。この解答を市場は待つことになりますね。6月に予定されていると言う新成長戦略の発表が、実現性の乏しい空回りの飾り餅なら、更にまた、株価は下落することになりますね。

おそらく今回の株安は、その事への警告なのでしょう。既存の言われているものを纏めるだけの新成長戦略なら、株価は大きく上がらないのでしょう。やはり地方分権など権限を委譲しないと…日本は立て直せないのではないか…とも考えますね。最近、橋下市長の存在価値が薄れています。石原さんなんかに傾斜した辺りから…切り味が消えているようにも見えますね。慰安婦なんかより、日本経済の立て直しでしょう。主眼を責めなくて、筋を外すようでは…本手になりませんね。株式投資も王道が筋でしょう。現在は難しい局面ですね。やはり無理をしない方が、良いと思っています。たいぶ担保は空いているのですが…。どうも、ピンと来ないのですね。昨年10月の下旬の時は、非常に、株が買いたくてウズウズしていたのですが…。今は難しい局面で、如何に損をしないか、儲けると言うより損をしないことが、肝心な局面のようにも感じます。

しかし株屋根性が、やはりカタル君には残っていますね。通常、駄目な相場でも材料株の一本釣りはあるのですね。その僅かな一本釣りに賭けるのが株屋です。まだ市場には余熱が残っており期待が渦巻いています。好意的に考えるなら、6月に発表されると言う参議院対策の甘言に、乗りたい気持ちもありますね。しかし…どうかな。二番天井の可能性はあるのですが、「今日の市況」で述べたように、仮に二番天井を取りに行っても、大きく相場は伸びないのでしょう。せいぜい、好意的に考えても…ボックス相場かな。下手をすれば、下落する調整場面でしょう。よって買いは慎重に対処され、できれば一時的に休むのが正しい投資行動なのでしょう。でもプロはこの困難な局面でも、鞘を取りに向かい、なお往復ピンタで取ろうとしますね。

「デフレ・ボトム・ポケット」からの修正局面は終わった…と、仮定するなら、シャープやソニー、パナソニックの株価も、間違いなく調整局面入りであり、仮に二番天井を取ったとすれば、そこが絶好の「空売り場面」と言う考え方も成り立ちますね。まぁ、ソニーは何れ2000円を割れでしょう。すこし空売りも研究してみる場面が、到来しているかもしれませんね。あぁ、嫌だ、いやだ。体質に合わないことをするなら、少し休む方がマシですね。山にでも、行ってみるかな…。どうせ、浮世はままならぬ…