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業績と株価(2013年02月23日)

今日は「利益の質」の続編や「業績と株価の動向」を書こうと思っています。1月に入ると既にカタルは高値保ち合いから個別株物色の展開も考え1月15日にイニシャルで銘柄を紹介していました。材料株としてグリー(1466円)や007(63300円)、そうしてサニックス(279円)にJ・TEC(94400円)に、JVケンウッド(318円)などを、参考に銘柄を掲げていました。その後、あまりのマツダの急騰に浮かんだ銘柄であるA(非公開)も、カタルの注目株に採用しました。サニックスは1月次の売上数字は良く業績予想の数字が裏付けられ、四季報数字に疑いを抱いていましたが、第3四半期までは悪かったのですが、ある程度、背景が確認されました。一方、今期予想を減額したのがグリーやJVケンウッドです。

当初からサニックスはカタルの注目銘柄でした。決して株価が上がってきたから述べた訳ではありません。過去に何度かIRNETでは取り上げています。理由は政策です。太陽電池の買い取り価格が42円と高額に決まったためです。その為に設備投資の進展が進むと考えていたためです。実はこの相場が始まる昨年春に、この事項が菅直人政権時代に決定されており、一度、相場になっています。しかし利益の出方が昨年は確認されずに、理想買いに終わっています。その為に四季報予想利益の変化率が高いので、カタル銘柄に採用していたわけです。株価が動いてない200円台だったためですね。上の表が2集の四季報予想、下が4集の四季報予想です。

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2013年の一株利益予想が2集では18.9円なのに、4集では37.7円になっています。カタル君はこの時期の業績修正で何度も痛い目に遭っています。(今回もグリーで…)サニックスは仕手系の銘柄でお気に入りですが、内容に怪しい点があります。ほらシロアリ駆除の詐欺事件はよく話題になります。この手の訪問販売のような業種は、もともと会社の体質が怪しいのでしょう。しかし上場企業ですから、一応は確りと管理されていると思いますが、何度も痛い目に遭っているから、カタルは当初から、この会社の業績予想は疑っていました。事実、今回も第3四半期の業績数字の売り上げは伸びていますが、営業、経常とも減額で、最終利益は赤字ですね。これならば通期も減額する筈ですが、何故か通期予想は、四季報予想を遙かに上回る数字に増額修正されています。通期の売り上げ予想は435億で、前年度比38.3%増になっています。営業利益は26億とされ、経常は24億8千万、最終利益は21億円になっており一株利益は44円に変更されています。おかしな数字ですね。この予想は明らかにおかしいと思いますが、通常ならは減額修正されるのに…一体、何故?

太陽電池の販売が開始された、昨年10月から売り上げが大きく伸び始めている背景があるのでしょう。更に太陽電池の買い取り価格42円を確定させるために、今年度中に手続きを完了させないと42円の適用が受けられず、どうも価格や買い取り期間は、年度ごとに変更されるためのようです。つまりこの影響で駆け込み需要が生まれ、1月に売り上げが大きく伸び、第3四半期まで赤字の予定が、大きく転換する予想らしいですね。事実、1月の売り上げは前年の昨年の1997百万円から4393百万円と、2倍以上に伸びています。これを材料して株価は大きく上げたのでしょう。しかしここでよく考えてください。自民党の政策により利益が変更される利益ですね。利益の質はかなり悪いですよ。自民党は原発稼働を考えており、太陽光価格の買い取り価格の引き下げに動いています。

この制度はエネルギーの多様化で安定を生みますから、電力料金の引上げもありますが、一つの日本の方向性を考える政策の一つでもあるのでしょう。どちらかと言えば好感を持って見ています。既に買い取り価格の引き下げも決まっており、どの程度かに価格設定するかにより、サニックスの業績も左右され、仮に高収益企業になっても、あまり安定的な利益ではありませんね。それに僕はこの通期予想も怪しいと…依然、疑念を抱いています。よって株価が上がった現在における株価判断は、見送りなのですが、市場は1月の売り上げを大きく評価して、人気化に拍車がかかっています。しかし早晩、相場は終了でしょう。

一方、JVケンウッドは第3四半期に四季報予想を大幅に減額修正しています。しかし僕のお気に入りの銘柄ですね。円安になり環境が改善します。あいにく欧州の低迷が響き、米国やアジアが落ち込みを補えませんでしたが、来期は期待され何処かで大きく株価修正が入ることは間違いありません。今の株価は買い場でしょう。業績悪化で売られた数字がその後も低迷を続けるか?それとも改善されるかの読みですね。

グリーもそうですね。今期の数字を減額修正し、アナリストはこの現実を知っていましたが、一般の認識は驚きをもって見られています。悪くとも横ばいを維持できると考えていたからでしょう。しかしよく考えてほしいのですが、コンプガチャで業績の落ち込みが疑われたから2400円台の株価が急落し、およそ半値になっていたのですね。それが現実化しただけの話です。既に株価は減額分を織り込み下げていたのですね。株価は常に先の業績を読むのです。

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ここでマツダやトヨタは第2四半期の数字を既に株価は評価したと書きました。覚えていますか? だから株価は調整を迎えるとIRNETでは述べています。サニックスも昨年春に人気化し理想買いを演じますが、実際の業績が見えないと株価は、一旦、調整を迎え業績の裏付けが見える今、再び人気化している訳です。理想買いの段階が相場としては面白く、大相場になるケースが多々ありますが、現実化した利益では大相場には至らないケースが多く存在しますね。それは見えない利益の「潜在利益」がどんどん膨らまないからですね。サニックスの利益は政治的に決められ、サニックス自体がコントロールできません。外部環境に影響を多く受けます。故に利益の質はあまり高いとは思われません。更に最終利益は経常に比べ膨らみ、見せ掛けの最終利益です。トヨタは来期の一株利益500円を予想していますが、実際はそれほど出ないでしょう。利益はいくらでも隠せます。楽天などは、いい実例ですね。ほぼ毎年、赤字企業を買収し構造改革をして特別損失を計上し利益調整しています。西武のように…利益を誤魔化しています。だから、カタルは楽天が嫌いです。ソフトバンクはほぼ目一杯の計上をしています。税金を多く払っているから好きです。大企業は社会的な責任もあると考えているからですね。

長くなってきましたね。真剣に株価予想など多くの人が考えないから、カタルの話は退屈でしょう。むしろチャート論などが好まれますね。多くの人が目先のディーリングに溺れ、チャートに没頭するのです。かたるも証券マンになりたての頃はそうでした。色んなチャートの勉強をしましたよ。しかし一番大切なことは利益の質や潜在利益の考え方、世の中の見方なのですね。例えばインドの成長が昨年は疑われていましたが、9月に政策を変更し現在はインドの成長に期待が生まれていますね。このような事例は株価を考えるうえで非常に大切です。FRBが今年の何処かの時点で、政策を変更する可能性があります。しかし…90年代や2006年のような日銀の失敗をするかもしれませんね。ブツブツが暖炉に薪をこめる話を前にしましたね。最初はバブルに様に7本も8本も薪を入れますが、一度暖めれば、あとは2本か3本で充分だという話です。景気はそうなのですね。

確かにSP500は過去最高水準ですが…綺麗に抜けていませんね。バブル状態まで金融危機の後は暖める必要があります。日銀は2006年に間違って引き締めたから、今回は日銀法改正まで追い込められ、ターゲット・インフレ論の採用まで強要されたのです。インドやFRBの金融政策は、非常に重要なキーワードで注意は怠れません。しかし今はアベノミクスの期待感が続き1幕は終了したと思っていますが、延長もあり得るのです。まだ日経平均株価も、野村証券の株価も明確な調整入りを示してはいません。まだ伸びはあるかもしれませんね。だから材料株に拘るのは…どうかとも考えます。カタルの相場観は常に修正されます。今日は少し分かり辛かったかな? もう少し表やグラフを用いて解説すれば良いのでしょが、作成にも時間が掛かり手抜きですね。考え方のニュアンスだけでも感じてください。