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想像と現実(2013年02月16日)

今でも思い出深いのは、このIRNETを始めた頃の出来事です。当時のカタルは歩合外務員として食えない時代が続き、転職を考えていましたが上手く行かずに、これからはインターネットの時代だと考えており、その技術を会得しようと、素人ながらホームページを開設し、自分の日記のようなものを書いたのがIRNETの前身の「株式市場 日本を考える」と言うページでした。その中で最初に銘柄を紹介したのが、先日、テロリスト攻撃に遭遇した「日揮」と言う会社です。当時の株価は安く日揮は200円台~300円台だったのです。1000円台の株価から大きく売り込まれてきており、たいへんな大幅赤字を抱えていました。1999年の春だったと思います。ところがカタルの考えていたことが現実化されたのは1年遅れでした。しかし推奨時には既に原油価格は上がっていました。企業業績と株価の関係は不思議ですね。

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このような事例は腐るほどあります。金融危機勃発の時に、急落するオリックスを見て熱を入れた事があります。1万円を割れた時に、どうして1万円を大きく割れるのか不思議だったのです。当時は外人投資家がポジション整理の為に、世界中の資産を整理していた最中でした。当時のオリックスは資金繰り難で、倒産さえ噂されており急落してきましたね。この急落を捉え資産を増やしたのが、あの有名なディトレの小手川君です。しかし彼は、もはやディトレの段階から抜け出し、本物の投資家に成長しています。日本からもジョージ・ソロスやバフェットのような大物の投資家が育っても良いでしょう。1万円割れでも安いと感じていたのに…。あれよあれよ…と株価は下がり、ついに1707円ですからね。株には驚きます。そのオリックスの株価は、最近ようやく1万円台を回復してきました。なんと2008年から5年の歳月を費やしています。

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僕は武富士の財務内容に自信を持っていましたが、最高裁の今井判事の拡大解釈により消費者金融市場は目茶目茶になりました。確かに行き過ぎた取り立てが問題視されメディアが誇張した報道を連日した為に、多くの金貸しが倒産し整理統合されました。Jトラストは代表事例の銘柄でしょう。商工ファンドの大島さんが犯罪者とされ、武富士も消え、多くの企業が時代の流れの中で消えて行きました。ライブドアに関連する藤沢氏がイッコウ買収し育てた会社ですね。ロプロ、武富士などを買収し、数々の金融マジックを使い現在が存在します。Jトラストに注目したのはカタルが証券マンを辞める前後の時期でしたね。当時の株価は200円台だったのではないかと思います。下のチャーとの株価は、あれから2倍の株式分割をしているので、このグラフでは100円台の2010年の秋か2009年の春だったと思います。どちらか記憶は定かではないですね。

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さて今、手掛けているユビキタスの推奨は3年前でしたね。2010年の春の話しでした。あれから3年が経過します。当時、かたるはベンチャリの損を取り戻すべき有望株を探していました。その中で登場したのが、このユビキタスです。今日の市況では007と書いていますが、ソフト開発の会社です。注目したのは10万円前後でした。それが、あれよあれよ…と40万円台まで跳ね上がります。当時、開発されたQBが英ARM社に採用されるかも…と期待したのですね。この英ARM社は、日本ではあまり存在が知られていませんが、この英ARM社の特許を使ったCPUが、サムソンやアップルの携帯端末に組み込まれています。自社では製品を生産していません。ユビキタスはこのタイプの成長企業だと考え熱くなったのです。事実、QBの技術は英ARM社もかなり注目していたようです。その為に株価は僅かな期間に急騰したのです。そのQBの技術を使った製品がいよいよ現実に登場するのがケンウッドのカーナビですね。あれから3年が経過しました。

考えている背景が現実化するときに、株価が大きく育ちますが、収益化が見えないと株価は動きません。しかし見えない利益は、想像をどんなに膨らましても現実離れしているようでは意味がありません。確かにJ・TECは2倍以上になっており、膝関節の治療薬が発売されますから現実の利益が生まれます。現状は赤字でも…です。しかし所詮は限られた利益です。ワクワク感はありません。シャープはおそらくリストラ効果とIGZO効果で間違いなく来期は黒字でしょう。しかし此方も所詮は限られた利益。サムソンは必死になってIGZOの解明作業をしている最中でしょう。おそらく今年後半には技術開発を完成させるのでしょう。僅か1年程度の開発リードです。この間隙を利用できるかどうか…資本力にもよります。日本の金融が機能するかどうか…。シャープは銀行団の要請で不利な条件下で資本提携を強要されています。もし信用創造機能が働くなら、こんな安値でしませんね。

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それだけシャープの経営陣は能力が欠けていますね。技術陣の成果を生かし切れていません。堺工場の現実を見れば分かります。いくら技術優位でも世界相手では負け戦です。僕は村田の路線を大きく評価しています。でもシャープの携帯電話は素晴らしいです。未だに愛用しています。ソフトバンクではまだIGZO搭載のスマフォを販売してないようで今年売り出されれば、アイフォーンではなくシャープ製に切り替えようと考えています。先日、かみさんはアイフォーンに変えましたが…僕はあまり利用した事が無いからですね。普通の電話機能とお財布機能があればそれでいいのです。でもアイフォーンはお財布機能を採用していません。最大まで長く考えると、チャート上ではよくある現象で、シャープの反発は75日線と200日線のGC時に反発するのかも知れません。勿論、その前にも可能でしょう。

さて今日はカタルの想像と株価の現実は、大きく「ズレる」話をしました。このズレが、何故、起こるかは一定の規律はありません。それぞれのケース・バイ・ケースです。新興企業の場合、どうしても波は大きくなります。新興企業の経営者の集まりが東京には存在し、どうも内部情報が漏れるようですね。ユビキタスの良いところは、良い技術を見極める力がある所かな? カカクコムを見出したDガレージに似たところがあります。中小企業の親父さんたちが必死になって開発した技術で、埋もれているものはたくさんあります。それを発掘し世に出せるかどうか…丁度、ロジャーがドンをスカウトした様相に似ています。米国の人気ドラマのマッドメンの話です。企業が成長するのは良い人材をスカウトすることも重要な要素ですね。ユビキタスの技術は全て自己開発ではなく、導入品を改良している点にもあります。この辺りの感覚は証券マンの銘柄探しにも似ています。Dガレージもその傾向があるようです。

さて長々と話を続けましたが、僕にはこの時間のズレが見えないのですね。その為に最近開発したσの謎が、何を物語っているのか? 実験は続きます。

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