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株式教室

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相場観の修正(2013年01月19日)

それにしても米国は、流石に市場経済の国ですね。株は高値圏になってきました。日本の多くの政策官僚は自分の考え方が正しいと思い、自らの政策が間違っていても、市場がおかしいと批判します。しかし米国は市場の動向が正しいと仮定して、自らの政策を変えますね。これが市場原理主義で、株式市場の動きがおかしくなれば、それを救う手立てを、法律を変えてまで行います。FRBの対応は、まさにこの動きです。更に、どうして事前予想と違ったか? 検証して改善をするわけです。場合によれば、失敗すれば更迭されます。ボーイング787のように、原因を究明し、更に改善されだんだん完成されていきます。しかし日本は「御上の考え」が絶対に、正しいとして建前を重視し、現実の矛盾は大岡裁きの裁量決済により対処します。故にデジタル化に慣れ親しんだ現代の若者は、マニュアルに従い行動し、アナログ時代の世相要求に戸惑うのでしょう。日本では法律をなかなか変えようともしません。押し付けられた憲法を検証もせずに、議論さえもしません。改正しようと言う気構えもありませんね。尖閣湾の問題も日米同盟におんぶの有様で、米国の言いなりです。その割に米軍基地移転を望んでおり、考え方は支離滅裂です。米国は日本の利益より自国の利益を優先するのが当たり前ですね。仮に中国と手を結んだ方が有利だとすれば意見も変えるのでしょう。

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SP500のチャートを見ると…再び、米国は1500の壁に来ました。今回は3度目の挑戦になります。シェールガス効果は経済の要であるエネルギー・コストを賄います。金融機能はまだ正常ではありませんが、株価を見れば順調に回復しています。技術力向上の為の研究開発を支える教育制度は、ハーバード大の新興国重視の姿勢を見れば、常に改善をしています。しかし日本は未だに内向き思想、大学で留学を卒業の条件にしている話を聴いたことがありません。しかしイギリスも米国も1年程度の留学を学生に求めていますね。日本は企業が優秀な人材を育てます。官庁もそうですが、例えば楽天の三木谷さんは興銀に入社しましたが、彼は興銀のお金でハーバードに勉強しに行き、帰国後に金融開発部門で育ててもらいました。しかし興銀はお金を掛け彼を育てましたが逃げられましたね。通常の日本人の感覚では、企業に育ててもらったので、企業へ恩返しするのが当たり前の倫理観です。しかし彼の選択は違いました。まぁ、今の時代は当たり前なのでしょうが…。この点からも、僕は、孫さんは好きだけれど三木谷さんが嫌いなのかな? まぁ、個人的な感想はどうでもいいのですが…。話がそれましたね。対数チャートを見ると、また違った印象を受けます。普通のチャートでは、今度の壁を超えるのは大変だと思いますが、対数では十分な調整期間を過ごしたようにも見えますね。2000年のIT革命はインターネットの進歩を買った相場でしたね。

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そうして金融デリバティブの発展が、金融力の拡大に繋がり、リスク許容度が増したので本来は成り立たなかった融資が実行され、その原動力がBIRCsなどの新興国の躍進に結びつきましたね。この相場が2007年の相場です。日本は2006年に新興勢力への金融力パワーは、外資の撤退で切れています。楽天からライブドアとメディア買収で世間を騒がした辺りがピークでしたね。ここで述べたいのは、成長の為にはエネルギー、教育、資金は非常に大切だという事です。エネルギーの中には食料も含まれるでしょう。三つの柱を確保しないと、成長は望めませんね。

今日の狙いから、だんだんそれそうなので…修正します。今日は株式教室なのでテクニカル面の話題を解説しようかと思いました。話しは、冒頭の市場を見ながら相場観を変える事を話題にしようと思っています。ただ僕はいくら駄目だと考えても、なかなか空売りまで踏み込めませんが…。この点から見ても僕は、アナログ世代で大岡裁きの裁量好みなのでしょうね。テレビ・チャンネルは回す世代ですからね。故に「心の葛藤」が生まれるわけです。未だに引きずっています。最近の市場を見て感じる事は、高速回転が起きているようです。先日のサニックスなどは、どう解釈すべきなのでしょう。何しろ出来高が8千6百万株でした。発行済株式総数が4千8百万しかないのです。通常は、発行済株式総数の5%程度も出来高が膨らめば、大きく株価は跳ね人気になるものです。今の市場は如何にディーリングが中心で、高速回転しているかを物語っているようです。このような事例は他にも見られます。昨日のミヨシ油脂もそうですね。実に発行済株式総数の50%程度の売買高です。

ただ相場が良くなっているのでしょう。GSユアサは17日に9%ほどの出来高でしたが、陽線で、株価は大きく落ち込んでいません。以前なら、どう考えても、もっと売られても仕方がありません。どういう契約になっているか分かりませんが、もしGSユアサに落ち度があり、被害賠償を求められたら、倒産する規模でしょうからね。市場は常識的な反応になっており、相場環境が良くなっていることは、間違いありませんね。ソニーなどのビル売却は、本来は悪化している現象ですね。ソニーは大赤字を繕う動きで、IGZOを抱えるシャープとは意味合いが違いますね。ただシャープも出荷が鈍るアイフォンの状況をみると、未来利益の領域が縮小しているのかも知れません。ただマツダやこのシャープが人気になる辺りは、市場の元気度を示すものです。ややカタルの感覚に近くなっています。今までは利益が出てないと物色されませんでした。かなり利益が生まれていても正常な価値観を有していませんでしたね。しかしJトラストからアイフルを選択した辺りから、大きく修正され始めていますね。この辺りは解説が必要でしょう。

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サラ金の予想利益は、かなり以前から高かったのですが、実際に株価が反応したのは、今回のアベノミクス(11月14日)からです。アイフルは税金も払ってないし、見せかけの一株利益ですが100円と水準は高いですね。つまりこの数字に反応しましたね。サニックスもそうですよ。マツダやシャープは未来利益の読みですね。赤字からの脱却企業でこのような感覚の相場が、一番ワクワクするのですね。既に明らかになっている利益では妙味も何もありません。

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しかし同時に三菱UFJを見ても分かるように、全体の株価水準の訂正は正常とは言えず、まだ続くはずですね。グリーなんかは200円の一株利益で、利益が減少するなら兎も角、売り上げの増大は続いており、更に大きく伸びる余地も存在します。何しろ、たった15%の会員で売り上げの90%が叩き出されているのです。だから、ある地点から大きく海外売り上げ、海外利益が伸び出す余地が大きい筈で、未来利益が見えない現在でも、最低PER10倍の2000円は当たり前でしょう。通常は15倍程度の評価が正しいと考えています。株でもっとも面白いのは、未来利益の膨大な夢ですね。その点、ピカ一なのが007ですが…この話は又にしましょう。

多くの皆さんは、株価が下がると諦めていますが、企業の戦略には時間差があります。最近、デルがMBOかどうか分かりませんが、株式の非公開化の道を考えているとされています。日本でも大きく経営を立て直すために非上場化を選択することがありますね。本当はシャープなどもその対象だったのでしょう。ドラスティックな改革は、大きな株価の棄損を生みTOBの危険があります。シャープはおそらく既存の設備価値だけで買収資金が捻出できるほど下げたのでしょうね。最新鋭の工場の価値は、時間の移り変わりがいくら早いと言っても、かなりの資産価値を有するのでしょう。PBRとはそういう事ですね。ソニーの昨日の反発も、1869円の資産価値の見直しに過ぎません。

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今の相場は確かにアベノミクスへの期待もあるのでしょうが、基本的に落ち込み過ぎた株価修正の振り子が働いているのでしょう。本来の株の魅力は、やはり未来利益なのですね。今日は一株利益の物色動向のさわりを述べています。本当は出来高から見た売り場などのテクニカル面を前面に語ろうかとも考えていましたが、なかなか僕の頭の中を説明するのは難しいのですね。相場観としては、先日の振り(大きな下落)からの大幅高の形の判断は難しいのです。高値を取っての二番天井と言うか…調整の前の現象で、このような形は良く表れます。逆に一気に、このラインを抜けると、更に急伸することもありますね。マツダの12月21日や、1月7日からの反発など…。今回もそうですね。いやはや…円・ドルチャートは非常にきれいな形をしていますね。

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常に市場を見ながら、相場観を修正しながら進まねばなりません。しかし急伸相場は何度も言いますが、上げるうちは買い乗せが正解なのでしょうね。多くの人が利食いばかり考えますが、利食いを考えるのは素人です。今回は特に基礎的な背景が大きく変化しています。マネタリーベースの伸びは、これから加速するのです。この意味を良く噛みしめないとなりません。