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日本の恥部(2008年10月04日)

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誰も報じない『日本の恥部』どうしてマスコミは隠そうとするのでしょうか?
株価を考えると日本の問題点が様々な形で見ることが出来ます。2003年の金融危機で懲りたのだろうと思いましたが、人間、再び楽なほうに舵をきるものなのですね。2006年からの政策運営を考えると「日本人の性」を感じざるえません。残念ですがこれが現実です。1989年末の東証一部単純平均株価は1579円でした。それから下落の一途を辿り日本は構造問題に時間をかけて解消してきたのです。過剰債務、過剰設備、過剰人員など…苦労したのです。新日鐵はその先端を走っており強烈なリストラクチャリングを実施しました。大量の鉄鋼マンが会社を去って行ったのです。川鉄は象徴的な事例でしょう。NKKと統合したのが2002年の話しです。

何故、名門企業がここまで追い込まれたのか?
過去の遺産を食いつくし倒産の危機まで行ったのは新日鐵も同じです。2002年に住金と神戸製鋼所と資本業務提携しています。本当は合併すべきだったのです。しかしご存知のように2006年、2007年に鉄鋼会社はミタルの脅威に脅え株式の持ち合いをします。何故、こんな馬鹿げた行動をとったのか? 私は市場経済をよく理解してない事が背景にあり、経営者が保身に走った以外の何ものでもない行動でしょう。くだらない自己欲の為に日本を危機に落しえる行動に走ったのです。

何故、このような行動を批判するのか?
市場原理を歪めているからです。市場経済の原理はお金が自由に動くことが前提になっています。ところが株式の持ち合いをすると理論価格を歪めるのです。ブルドックソースの最高裁の判決もそうです。同じ株主が、株を買った株主によって権利が違うという判決を、最高裁の今井功と言う判事により判断されました。つまり株券の価値が歪んだ判決になったのですね。日本の判決は過去の事例により判断されます。彼が株券の価値を、買った人間により変わるという判断を下したことが市場原理を歪めたのです。Jパワーの問題もそうですね。上場株でなければ良いのですが…上場したのにも関わらず、買えない投資家がいるという国の誤った判断です。

日本にはまだまだ沢山の弊害があります。
ライブドア事件の粉飾決算は悪いことです。それならばIHIはどうなのでしょう?その粉飾決算を元に公募増資を実行しているのです。これではまるで詐欺ですね。東証の権威もありません。地検もライブドア以後、村上逮捕に動いています。ずいぶん強引な法の解釈ですね。これから株を買うという話しを前提に、買うか買わないか分からない段階の話しを、インサイダーと判断したのです。まだ判決が確定していませんが、これでは自分達の都合次第で犯罪者を増産できる事になります。

悲しい事に間違った日本の仕組みはまだまだ続きます。何故、正社員ではなく契約や請負と言う形の雇用形態が増えて、経済が立ち直ったということを理解せずに、労働分配率の向上を狙ったのか分かりませんが、雇用政策を急変させたのがグッドウィルの事件です。政策のツケを自分たちが払わずに、民間に押し付ける政策を実行しているのが、フルキャストの行政処分です。時代環境を考えない権力の横暴ですね。正社員化が望ましいのは事実です。このような事例を見せつけ経営者の態度を変えさせ労働分配率を引き上げようとする気持ちは分かります。しかし日本の法人税は諸外国に比べ高いのです。その中で利益をあげて事業を継続する為には、過剰な労働分配をする余裕があるのでしょうか? 自分達の都合の悪い部分にだけスポットを充てる政策の為に、市場は悲鳴をあげているのです。

ところが同時に平行したサブプライム問題の為に、問題の本質が歪んでいることを誰も指摘しません。アメリカは大丈夫です。中国も大丈夫でしょう。一番問題なのはわが国、日本の現実です。誰が考えても可笑しな水準の株価を演出したのは、わが国の政策ですね。経済に立ち直りのゆとりができたので、歪んだ形態を元に戻したいと実行した動きは理解できます。日銀の金融政策を見ればわかりますね。下は長期プライムレートの推移です。目論見どおり運びました? 明らかに失敗ですね。冒頭の単純平均株価は、日経平均株価などより重要なのです。日本の実力そのものだからです。悲しい現実が続きます。

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この原稿は10月5日に作成しました。