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株式教室

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CDSって?(2008年09月27日)

今日は流動性について考えてみます。
インターネットの普及のおかげで様々な情報が簡単に手に入るようになっています。しかし利用者の理解度が低い為に、有益な情報が間違った価値観により利用されているように感じます。その為に市場が一元化の方向に動く帰来があります。日本のマスコミのような存在になっていますね。極めて危険な現象です。BIS規制は銀行の健全化を守る手段なのでしょうが、今日のような金融危機時は異常な現象なのですね。その為に通常、有り得ない現象が起こります。

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リーマンはCDSスプレッドの拡大により信用が失われ倒産したという仮説を元にしたレポートをよく目にします。

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信じられないような現象が起きています。このCDSスプレッドと言うのは分かりやすく言えば上乗せ金利(保証料)ですね。AIGの救済にあたり米国はLIBOR3ヶ月もの(ロンドンで取引される銀行間金利のことで通常は2.8%、現在は金融危機で3.2%ぐらい)+8.5%ですから、実質11.3%~11.7%ぐらいの調達金利になりますね。この8.5%はスプレッドになります。因みにバークシャー・ハザウェイがゴールマン・サックスに投資した優先株の配当利回りが10%です。かなり高い金利に感じられますが優先株は資本に計算できますからね。実際のCDSスプレッドは以下の通りです。それぞれの格付けにより金利が変わります。

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先日、WTIの月替わりの取引で異常な価格が付きましたね。一時、1バーレル=130ドルを付けたというニュースでした。10月渡しから11月に変わる瞬間の出来事です。金融危機に動じたカラ売りの買戻しが相場を形成したのでしょうが…市場性がないのですね。つまり流動性がないために異常な価格が付くのです。バルティック海運指数により商船三井の株価が上下するように、情報が簡単に手に入る為にその情報的な価値を理解せずに、その情報の価値を悪戯に拡大し株式売買に役立てる。異常な現象は沢山あります。先日、古河電工の株価が急騰し、そうして1日で下がりました。理由を聞いてみるとモルガン・スタンレーのレーティングの引き上げが切っ掛けだそうです。そんな話で相場が実際に動くケースが多いですね。アメリカでもそうですが…

皆さんはその背景を考えたことがあるのでしょうか? 
何人の人が実際にレーティング引き上げのレポートを読んだのでしょうか? 
その内容はどんなものですか? 

くだらない情報に踊らされる日本人は本当の価値観を持っているのでしょうか? インターネットにより様々な情報が発信され鵜呑みにせずに自分で調べると良いですね。CDSと言う市場が出来たのは最近のことです。たぶん2000年以降でしょう。盛んになったのはITバブル後の話ですね。どの程度の投資家がCDS市場に参加しているのでしょう。金融デリバティブが発展し、リーマンは融資をしてCDSを組成して売り出す。そうして内容が怪しいとそのCDSを叩き売り株価のカラ売りも仕掛ける。普通の人はリーマンが第三者割当増資に応じたから、会社の内容は確りしていて大丈夫なんだろうと考えますね。しかしリーマンは商売だけを考え、投資に見合う利益をあげられる算段があるからリスクを取るのでしょう。しかしそのやり方が詐欺まがいに汚いから「グリード」と呼ばれ破綻に追い込まれたという説があります。

今回の金融危機は投資銀行のあり方を問うものでしょう。
きっと多くの日本の経営者は、だから「ものづくり」は大切で金融など…と言うでしょうが。果たしてそうでしょうか? 私は問題が起こりCDSと言う金融派生商品が一般的になり何れは有意義な金融市場を形成するのだろうと考えています。日本の新興市場も試練を迎えています。明らかに異常な価格なのですが、下がり続けるから誰も見向きもしない。そうですね。ロームのようなケースが実際にあるわけですから…幾ら沖電機の半導体部門を買い、半導体が不振だといっても…。

日本の株式市場は未曾有の水準にあるのですね。2003年の単純平均株価を完全に割っています。先週末は294円です。馬鹿な政策が続きますね。何故、日本電産による東洋電機のTOBに価値があり、ブルドックや新日鐵が市場を歪めているのか? 何故、かたる君が強い口調で批判し続けるのか? 株式は紙くずではありません。支配権を手に入れることが出来るのです。ブルドックや新日鐵の事例はその価値を歪めているのです。だから理屈に合わない新安値が続くのでしょう。

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