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2008年10月25日
何故、日本の株価は弱い?

少しグラフの作り方でどう捉えるべきか迷いました。時間軸では日本株はNY市場を見て影響を受けるので一日遅れで作成すべきなのでしょうか? そうするとこんな感じですね。ここで述べたいのは震源地の下落率は22%なのに…日本は32%も下げています。更に変動率が米国は3.85%なのに日本は4.51%もあるのです。不安定なのは日本の株価なのですね。この背景は…なんでしょう?
世界を取り巻く金融危機で日本の弱点が暴露され始めています。何故、日経平均株価だけが金融危機震源地のNYより弱いのかな? 日経新聞ではドル評価の株価が強いから売られるという見方をしています。一般的にはこの評価はある意味で正しいのでしょうが…私は違う見方が存在すると思っているのです。ずっと述べてきた単純平均株価の意味ですね。この単純平均株価の1989年末はなんと1579円だったのです。日本経済の舵取りを誤ったのがプラザ合意前後と思われます。1985年の単純平均は682円です。そのときを遥かに下回っているのです。昨日の単純平均株価は216円です。1971年から1972年の水準ですね。日経平均株価は国際優良株が多く組み入れられています。しかし12年連続で売上を減らすスーパーなどの小売産業、デパートの統合など国内消費を示す数字はどれも悲惨なものです。縮小する経済の日本の通貨が買われる? おかしな現象は何を催促しているのでしょう。円・ドル・キャリーの巻き返しは異常ですが、背景には日本の政策が問われているのだと思っています。つまり「加工貿易の限界論」…日本の衰退です。ブルドック事件以来、経済的に鎖国政策をしている日本の株価のPBR1倍割れは株式の紙くず化の始まりだった。と言う仮説ですね。
もう一つのテーマ、世界的に「投資銀行の悪者論」が横行しています。しかしそうでしょうか? サブプライムからCDSと金融デリバティブの混乱が世界金融市場を揺さぶっていますが、古典経済からの脱却の洗礼じゃないかと推測しています。かりに本当に投資銀行業務が否定されるなら、オリックスの株価はここから暴落する筈。お金を借りて効率的に再配分する業務は、本来は銀行が担うべきなのに金融行政は過剰に規制を掛けています。その補完作業としての役割をオリックスは担っているのでしょう。過剰の規制が金融を弱め経済を傷めます。サラ金業界の過払い返還金規制や年収制限規制は、いかにも日本らしい規制です。自由な経済活動を規制で縛る。銀行が本来の機能を果たしてないから、わが国ではサラ金業がその穴を補完してきたのです。それなのに…様々な経緯があり罰則の意味合いがあるのでしょうが、明らかにやり過ぎです。金融業界のコンプライアンス規制は呆れるばかり…何も私達の業界だけでなく振り込み詐欺を阻止する為に異常な規制を見ればわかります。空洞化を阻止する為に派遣や請負制度が発達したのです。所が厚生労働省はグッドウィルを潰し、自然の起こった人間の知恵を否定する政策を実行しました。サラ金と同じ構図です。
そろそろ日本人も自己責任の意味を考え、政府、役人に頼らない生活を考えねばならないのでしょう。そんな印象を強く持っています。まだ結論に至っていませんが、「加工貿易限界論から日本の衰退」と「投資銀行業務の今後」は今の株価を考える上で重要だと考えています。マスコミの人は表面的な現象ばかり追い嘘の報道をするからおかしくなるのでしょう。どんどん日本が劣化しているのは日本経済新聞やNHKなどの影響が大きいですね。報道の基本姿勢を変えるべきでしょうね。日本の株価を見ると…市場経済が悲鳴をあげているのに…最高裁の今井と言う判事は本当に判断を下すだけの知識があったのでしょうか? 前例主義の日本の判例制度から見れば、あの判断は日本の汚点なのでしょう。
この局面からの脱却は簡単です。新しい産業を育てグローバル競争に勝てば良いのです。幸い日本には世界一安い通信インフラ整備がなされています。IT技術産業を擁護しアジアでの覇権を後押しすれば良いのです。そうして循環型の社会を構築する為に税制優遇するのです。例えばメタンハイドレードは眠れる資源が日本にあります。この産業に対し資金を無利息で貸し出し、場合によれば政府が過半数未満の株式を持っても良いでしょう。そうして10年、20年間、その企業の利益に対し無税にすれば参入企業は溢れるでしょう。殆んどお金が掛かりません。希少金属のリサイクル資源は日本に多く眠っていると言います。循環型の経済を作れば良いですね。農業に参入する企業にも無税の特権を与えればいい。全て正常化に立ち上がるまでの時限法です。中国と共同で情報インフラ基盤を整備し需要を喚起すれば良いのです。簡単ですね。キャッシュレスにすれば不正も犯罪もなくなります。全ての現金を排除し携帯電話の機能を利用すれば良いのです。何故、こんな簡単なことが出来ないのでしょう。加工貿易で利益を得る? 車を作って輸出? 覇権は情報インフラ立国を目指せば良いですね。
2008年10月18日
乖離率
今日はあまり気分が乗らないようで…書くこと思い当たりません。
故に雑談的に簡単にしたいと思います。「乖離率」の話がよく最近出ますね。過去の平均値と現在を比べるのですが、これほど乖離が開くのは珍しいのです。
これまでの経験では大きな乖離が開いた所を買えば、多くの場合は利益を得られると思います。今回のように極端な乖離を示す数字が出るのですね。NY市場では過去20年間、このような下落幅はありません。日本も同じでしょうが、どうも日本株はNY市場の写真相場の様相を示しています。一つは日本市場の主導権が外資系証券に握られているのでしょう。売買代金シェアを見ると60%程度を外国人投資家が占めているようです。だから写真相場になるのも無理がありません。そこでNY市場はどんな状態か調べてみました。


SP500の推移を見ると、この20年間で最大の乖離状態なのですね。その様子が下のケースです。ITバブル後の底入れパターンには数ヶ月の時間を要しています。既に株価的にはいい水準なのでしょう。理論的に安すぎるデータが沢山揃っています。企業業績が赤字であっても、株価は既にそれを織り込んでいるように感じます。いずれ業績悪化の報道があっても株価は下がらずに上がるようになるでしょう。株価はかなり先を見込んで下げているわけです。このような株価が妥当な水準と言うことは、かなり業績が悪化すのでしょうね。それとも異常に警戒した株価が実体経済に合わせ戻るのか? 果たして、どっちが正しいのでしょう?
9月15日のリーマンの倒産から混乱している金融システムの動きを知るのに便利なのは、ドルの3ヶ月もののLIBORの動きでしょう。金利の推移を見ると金融システムは公的資金投入で落ち着きを取り戻し始めたのでしょう。いずれ3%を割れるのでしょう。まぁ当分、株価は乱高下するでしょうから、じっくりと自分の好みの株を見つけて売り買いをすれば良いでしょう。

2008年10月11日
配当利回り

話題性も兼ねて説明します。基本的に金融機関は自己資本比率規制が掛けられておりBIS規制に縛られています。上のグラフのように金融機関の自己資本は、概ね10%が目処になっています。サブプライムローンは住宅ローンに占める割合は20%にも満たないでしょう。今回の問題の発端はサブプライムローンなどの損失が切っ掛けで、他の関連商品に及んだことです。
それらの損失を計上したので自己資本が毀損し、資本増強が行われたのが9月頃の動きですね。ところが幕引きを図るために、サブプライムローン問題の主役を演じたリーマンが道義上か分かりませんが破綻させられました。AIGはCDSの保証を幅広くしていたようで、故に破綻を免れたと言われています。
ダブルスタンダードの選択が、政策当局への疑心を生んだこと。
破綻したリーマンの整理が行われたこと。
救済はされましたがAIGは総資産の圧縮に動かねばなりません。
FRBからの調達金利は3ヶ月ものLIBOR+8.5%ですからね。このような売り圧力が原因となり、金融機関同士の信用不安が広がり株式が暴落しています。株式は今後の展開も予想しているわけです。金融機関が総資産を圧縮する為には、貸し出しを減らさなくては自己保全が図れないために貸し渋りになるのです。そうすると実体経済が縮小しますね。業績悪化が更なる下落を招く連鎖が働きます。

しかし…異常に売られた株式は金融機関の混乱が収まれば立ち直るでしょう。そこで時価総額1兆円以上の利回り3%以上で純資産倍率1倍以下の企業のリストを下記に掲載します。今回は時価総額基準を設けましたが、基準を外すとスクリーニングでは7%以上の会社が187社も挙がってきました。この中を吟味すればまともの会社もかなりあることでしょう。IDEC(6652)800円なんか有名ではないですが配当利回りは7.5%です。ケムキャット(4106)1149円、スター精密(7718)823円に平和(6412)696円など…配当利回り5%以上の会社は、なんと652社もあるのです。健全な会社は沢山ありますね。だから証券マンに人は、セットで販売すれば良いですね。10銘柄程度ピックアップして買うのです。今後、その中から上がる株と下がる株に分かれるでしょうから…保守的な投資の人にもチャンス到来です。他にはリートなども買い場です。此方はほぼ確定利回りで3%以上になります。安全性を考慮し上位5社程度は問題ないでしょう。

「強気相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福感と共に消えていく」
いつの時代も悲観の中で新しい動きが始まるものです。
2008年10月04日
日本の恥部

誰も報じない『日本の恥部』どうしてマスコミは隠そうとするのでしょうか?
株価を考えると日本の問題点が様々な形で見ることが出来ます。2003年の金融危機で懲りたのだろうと思いましたが、人間、再び楽なほうに舵をきるものなのですね。2006年からの政策運営を考えると「日本人の性」を感じざるえません。残念ですがこれが現実です。1989年末の東証一部単純平均株価は1579円でした。それから下落の一途を辿り日本は構造問題に時間をかけて解消してきたのです。過剰債務、過剰設備、過剰人員など…苦労したのです。新日鐵はその先端を走っており強烈なリストラクチャリングを実施しました。大量の鉄鋼マンが会社を去って行ったのです。川鉄は象徴的な事例でしょう。NKKと統合したのが2002年の話しです。
何故、名門企業がここまで追い込まれたのか?
過去の遺産を食いつくし倒産の危機まで行ったのは新日鐵も同じです。2002年に住金と神戸製鋼所と資本業務提携しています。本当は合併すべきだったのです。しかしご存知のように2006年、2007年に鉄鋼会社はミタルの脅威に脅え株式の持ち合いをします。何故、こんな馬鹿げた行動をとったのか? 私は市場経済をよく理解してない事が背景にあり、経営者が保身に走った以外の何ものでもない行動でしょう。くだらない自己欲の為に日本を危機に落しえる行動に走ったのです。
何故、このような行動を批判するのか?
市場原理を歪めているからです。市場経済の原理はお金が自由に動くことが前提になっています。ところが株式の持ち合いをすると理論価格を歪めるのです。ブルドックソースの最高裁の判決もそうです。同じ株主が、株を買った株主によって権利が違うという判決を、最高裁の今井功と言う判事により判断されました。つまり株券の価値が歪んだ判決になったのですね。日本の判決は過去の事例により判断されます。彼が株券の価値を、買った人間により変わるという判断を下したことが市場原理を歪めたのです。Jパワーの問題もそうですね。上場株でなければ良いのですが…上場したのにも関わらず、買えない投資家がいるという国の誤った判断です。
日本にはまだまだ沢山の弊害があります。
ライブドア事件の粉飾決算は悪いことです。それならばIHIはどうなのでしょう?その粉飾決算を元に公募増資を実行しているのです。これではまるで詐欺ですね。東証の権威もありません。地検もライブドア以後、村上逮捕に動いています。ずいぶん強引な法の解釈ですね。これから株を買うという話しを前提に、買うか買わないか分からない段階の話しを、インサイダーと判断したのです。まだ判決が確定していませんが、これでは自分達の都合次第で犯罪者を増産できる事になります。
悲しい事に間違った日本の仕組みはまだまだ続きます。何故、正社員ではなく契約や請負と言う形の雇用形態が増えて、経済が立ち直ったということを理解せずに、労働分配率の向上を狙ったのか分かりませんが、雇用政策を急変させたのがグッドウィルの事件です。政策のツケを自分たちが払わずに、民間に押し付ける政策を実行しているのが、フルキャストの行政処分です。時代環境を考えない権力の横暴ですね。正社員化が望ましいのは事実です。このような事例を見せつけ経営者の態度を変えさせ労働分配率を引き上げようとする気持ちは分かります。しかし日本の法人税は諸外国に比べ高いのです。その中で利益をあげて事業を継続する為には、過剰な労働分配をする余裕があるのでしょうか? 自分達の都合の悪い部分にだけスポットを充てる政策の為に、市場は悲鳴をあげているのです。
ところが同時に平行したサブプライム問題の為に、問題の本質が歪んでいることを誰も指摘しません。アメリカは大丈夫です。中国も大丈夫でしょう。一番問題なのはわが国、日本の現実です。誰が考えても可笑しな水準の株価を演出したのは、わが国の政策ですね。経済に立ち直りのゆとりができたので、歪んだ形態を元に戻したいと実行した動きは理解できます。日銀の金融政策を見ればわかりますね。下は長期プライムレートの推移です。目論見どおり運びました? 明らかに失敗ですね。冒頭の単純平均株価は、日経平均株価などより重要なのです。日本の実力そのものだからです。悲しい現実が続きます。

この原稿は10月5日に作成しました。