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経済統計と相場観(2008年07月19日)

今日は7月17日の日経新聞に製造業の税負担と言う記事から…税の空洞化が進むとありました。

海外利益が還流しないと言う現象が報道されていましたね。今、この矛盾の対策の為に、二重課税しないように、法律を改める動きが経済産業省にあります。調べてみると…確かに日本の法人税率は高いようで、その為に日本への投資が減っているというにも、ある意味で分かる気がします。その様子が下のグラフです。

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私は大きなミスを犯したのですね。その理由が最近になって分かってきました。最近とみに交易条件とか交易利得と言う記事を目にするようになりました。GDPはある程度成長しているのに、国内消費になかなか火がつかない理由を解説した一つの要因です。2008年の1ー3月期の交易損失が26兆円もあるという話です。その為に実質的な国民所得が減り消費に火が付かないという解説ですね。

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この二つの記事を合わせてみると、相場の組み立てがこれまで間違っていたのですね。言い訳ですが、双日は仕方なかったのです。その証拠に双日のボーナスが先日の発表ではあの任天堂を抜いて群を抜いたトップでしたね。大手商社は載っていませんでしたが空前の好景気なのです。誤算はMSCBの大量発行、野村證券の方針、この二つの読み違いが株価の低迷になりました。

その後、と言うより、ほぼ平行してダイエーも手掛けていましたが此方は上記の理由と、丸紅の対応が失敗の原因です。更に景況感の悪化を見ると完全に私は相場の読みを誤っていたわけです。2006年までは金融が立ち上がり、設備投資が盛り上がり、いよいよ消費に火がつくと考えて相場を組み立てていましたからね。ところが失政のほかに交易条件の悪化と言う見落としがあったのですね。

今の前提は資源価格がこれから下落し世界景気が減速すれば相場の読みは当たる事になります。最近はあまり個別銘柄にコメントしなくなりました。ビスタのほうで解説しIRNETは、何れ本来の目的であるIR活動に主眼をと願っているのです。IRNETではマクロ統計を多用していますね。最初はその数字の意味がなかなか相場観と繋がらず、使えこなせなかったのですが、最近、少しずつ統計数値と相場観が繋がり始めています。例えばこの交易利潤の話や税の空洞化の話しですね。GDPの増加の原動力は輸出で設備投資がらみのものが多いのです。故に建設機械の株価が上がったのは当然の現象です。エアコンのダイキンの株価が高騰したのも背景を調べれば理由は簡単に分かります。その延長線上の銘柄を探したのが近畿車輛でした。しかし近鉄の子会社であり独自性が欠けるので大きく取り上げませんでした。ビスタでは第二弾銘柄としてピジョンを取り上げましたね。この会社は上手く成長すればダイキンのように育つ可能性がありますね。まぁ、他にビスタニュースでは様々な銘柄をスクリーニングで掲げています。最近、株集めにあっている会社もリストアップしてありますね。

情報と言うのは自分で利用するものなのです。その利用する能力がなければ駄目なのですね。IRNETは相場のポイントを捉えているつもりです。だから長く読んでもらえば自然に相場観が見えてくると思います。今の相場の焦点は何処にあるのか? そこにポイントを置いています。ビスタでは週一ですが参考銘柄を掲げ、その理由を述べていますね。どれを採用するか? それは読者の自由です。最近は皆さんの売買手法が間違っている事に気付き、その点も解説するようにしました。自分がどの戦略を採用するか? それは投資家の自由なのです。情報と言うのは参考に掲げた銘柄が上がるとか下がるとか、そんな程度の低い話しではないと思います。そんな事は、将来、起こる経済情勢によって刻々と変わるのです。明日の為替相場が分からないように、あまり意味がないと考えています。

私が度々政策批判をするように、経済政策が間違っているから株価が下がるのです。そんな事は当たり前の話です。それならばカラ売りをすれば良いのですが一般的ではありません。日本のように長い間、失政が続き低迷している国は珍しいですね。普通はGDPが成長するものですよ。国民は失敗しても現政権を応援しているわけで今の生活に満足しているのでしょう。しかし長銀の最高裁の判決(中川了滋裁判長)は意味のあるものですね。ブルドックの今井さんとは大きく違います。国策捜査に対する異議と言うのは初めての現象でしょう。この話は長くなるのでまたの機会にします。まぁ時代は変化しているわけです。今日のヒントを噛み締めて相場観を形成しないと失敗を繰り返す事になります。