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リターン・リバーサル(アーバン)(2008年07月12日)

今日はリターン・リバーサルと言う投資方法のさわりを解説したいと思います。

基本的には大きく乖離率が開いたものを、反対に売買する投資方法です。
株価は基本的に移動平均線に沿って動きます。移動平均線より大きく株価が上がると上方乖離が開き、これまでに株を買っていた人が利食いを入れますので、株価は下がり再び移動平均線に戻ろうとします。逆に移動平均線より株価が大きく下がり下方乖離が生じますと、今度は押し目買いが入り株価が戻ろうとします。基本的には「値惚れ買い」と言う言葉が株式市場にあるように、人間は過去のイメージに引きずられ行動する心理が潜在的にあるのでしょう。このような性質を利用した売買方法がリターン・リバーサルと呼ばれる投資方法です。

最近の個人投資家の一番人気はURBANです。素人の人は四季報の数字をみます。1株利益の中身も検証せずに数字に踊らされるわけです。積極経営だった為に借入比率が高いのですね。レバレッジをかけた経営だったわけです。基本的に借金を抱える会社はいくら財産を持っていてもお金がないと倒産します。サブプラムローン問題以降、外資系金融機関は投資余力を失いました。バブル崩壊から日本の不動産業界の発展を支えたのはノンリコースローンを開発した外国人投資家の存在です。

日本では行政力が強く役人が支配しようとします。役人は保守的になり過剰に通達を発行し民間企業の行動を縛ります。何しろ日本の民間業界にはこのような指導に異を唱える経営者が少なくなりました。経営者のサラリーマン化や二世、三世の経営者の誕生で活力がなく役人の言いなりです。このような背景から現在資金難に陥った弱小の不動産会社は健全な経営にも拘らず資金難に陥っていると言います。その代表的な人気株がアーバンです。今日はアーバンの解説ではありませんから経営分析は止めておきます。株価は正直なものです。

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上のチャートのように3月17日に株価は25日移動平均線から下方乖離し39%も乖離します。最初のチャンス場面ですね。この時の株価は409円です。今度は逆に人気が沸騰し5月7日に40%まで今度は上方乖離になります。この時の株価は685円です。その後株価は727円まで行きますが、そこで反転、今度は下がり7月4日にマイナス53%の下方乖離になります。この時の株価は189円です。そうして7月11日現在はー37%で株価は214円です。ここで注意です。このリターン・リバーサルと言う投資方法は、あくまでも短期の投資です。長くポジションを維持する投資方法ではありません。ロスカットが必要な投資方法といえるでしょう。

しかしこの投資方法を、より生かすには幾つかのルールがあります。利用できる環境が限られるのです。更に、アーバンは非常にハイリスク・ハイリターンですが、銘柄の選択により色んなバリエーションがあります。続きはビスタニュースの原稿で書く事にします。