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景気指標と株価(2008年06月14日)

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最近、景気指標と株式市場の動きを考えることが良くあります。日本を取り巻く世界の関係がわが国に与える影響の効果を思うのです。残念ながら日本の国は完全に世界の変化から遅れています。故に20年近く日経平均株価は新高値38915円を更新できないのです。単純平均株価は当時1579円だったのですが、今年が最低の297円なのですね。GDPはほぼ20年前から横這いです。少子高齢化時代を迎え、現体制を維持できないのに、未だに体制派は国民に真実伝えずに誤魔化そうとしています。悲しい現実は続くわけです。政・官・民の癒着状態は、相変わらず形は変化していますが続いているわけです。その様子が垣間見られる資料があります。単純平均株価と日経平均株価の月足推移を比較したグラフがあります。そうして、もう一つは街角景気と鉱工業生産指数の比較グラフです。どちらも国内は低迷し外需により支えられている日本の景気構造が示されている指標です。

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ただ単純にグラフを見るだけでは、多くの人は意味が理解できないでしょう。指数の意味を知らねばなりません。東証一部単純平均株価は全銘柄の総平均ですからイメージは日本経済の実力かな? 日経平均株価は日本を代表する225銘柄を選び、常に人気の産業が組み入れられています。衰退する会社は外され元気の良い会社が組み入れられるのですね。当然、世界を相手に商売している会社が多く組み入れられています。一方、内閣府が発表する街角景気(景気ウォッチャー)は日本に住んでいる人に「景気はどうですか?」と聞いているアンケート調査です。鉱工業生産指数は、企業の生産活動の状況を表す指標で、鉱業と製造業が生産をしている量を指数としてまとめたものです。貿易の恩恵を受ける企業が多く入っています。自動車産業などは中心的な存在でしょう。この指数は全ての産業が対象です。日本の景気は海外に助けられているわけです。なかなか内需が盛り上がらない。二つのグラフは政策の機能不全が興したギャップを表示していると見て良いですね。

金融デリバティブの発展により世界経済の成長は加速しましたが、リスク管理の欠如から起こったサブプライム問題は、世界に供給する流動性を減らし世界経済は減速しています。投資家は金融商品のみならず、オルタナティブ投資といい商品にも投資し始めました。このことが世界的なインフレを加速させています。中国の消費者物価が大きく上がらないのは補助金制度が効いているからでしょう。労働政策を変化させ格差是正に動いています。いずれ「元」の切り上げスピードを上げることが不可欠になるでしょう。日本が制度疲労を起こしているのに、構造改革をせずに公共事業投資を果敢に実施したのが90年代に債務が膨張した原因です。問題はこの時代のお金の使い方が間違っていたのです。道路族に吸い取られました。故に延命効果に終ったのでしょう。あの時に環境問題を考えたエネルギー政策への転換や農業問題に取り組んでいれば今頃は…。ベルリンの壁崩壊以前の経済環境なら、あの方法でも効果はあったのでしょうが、鄧小平の「富めるものから豊かになれ」との南巡講和から、労働賃金の安い中国の躍進が始まりグローバル企業は挙って中国に進出したわけです。その為に日本国内では空洞化現象が生じ、派遣や請負と言う形になり日本も終身雇用が変化したのですね。しかし今年、中国も格差是正の一環で労働法が変わりました。このような環境はデフレに苦しむ日本にとって良い傾向です。インフレは国民意識の変化を生みます。私がインフレ相場の可能性を考えているのは、このラインの延長なのですが…どうなるか。