流れを読むプロセス(2008年06月07日)
株式市場の流れを見極める為の奥深さは様々な視点から切り口が存在します。そんな考え方のプロセスを確立することが、お金儲けに繋がりますし、市場経済を豊かにします。実は株式市場への参加者の知識レベルが上がれば、適正な資金配分を通じて豊かな国が創れるのです。わが国は硬直化した資金配分の為に失われた時代を過しています。そうして閉塞観が満ちたうつ状態の経済運営がなされているのです。市場経済が栄えれば適切な資金配分が実現し、効率的な社会構造に変化するのです。その為には株式市場が栄え、市場参会者の意識レベルが高くなる必要があります。今日は銘柄の選択をどのようにしているのか? 上手く伝わるかどうか分かりませんが、そのプロセスの一部を紹介します。

何故、今頃、NTTが上がるのだろう?
単純な疑問を突きつけられたのが、業績がそれほど良かったわけでもなく、むしろ今期は減益予想を打ち出しているのに、何故、株価が上がり始めるのだろう。それも超大型株のNTTをストップ高まで慌てて買う必要が何処にあるのかな? と考えていました。しかし他の銘柄も大型株ほど強いのですね。商事、みずほ、松下、ソニー、重工…6月2日にモルガンスタンレーのアルカイヤ氏のインタビュー記事は衝撃的でした。日本国債を売って株式にシフトしている。長期金利は年内に2%を上回る。3年以内に3%をうかがうというものです。市場の流れを見てこれまで描いていたシナリオを修正する必要を感じたのです。しかし…

インフレ相場が起こる可能性は…仮に起こっても、その進行速度は…難しい選択です。大きな流れは感じられます。内外価格差の縮小から逆転現象が至る所で起き、福島のゴルフ場では韓国からの長期滞在者で埋まっているとか…ここ2年~3年ほどの現象でしょう。銀嶺カードが日本国内で幅を利かせ始め、日本のデパートでも中国人と思われる外国人を見かける機会が増えました。大きな地殻変動を感じている現象です。BRICsの躍動を最初に感じたのは1989年です。ベルリンの壁が崩壊し東西冷戦が崩れ、世界経済の均衡バランスが崩れました。そうして2007年サブプライムショックが起こり欧米の金融機関が痛手を受けます。代わりに元気なのがイスラム金融です。中国の鄧小平が市場経済を受け入れて、変化を実現するまでかなりの時間が掛かり、今、アメリカの変化を民主党の選挙に覚えた感じをもっています。
国内では不良債権処理がようやく終焉を迎えます。1989年ですよ。実に20年も掛かるのです。馬鹿なトップをいただいた国民は大変です。フランスでも官僚制度を崩せませんね。日本でも…構造改革など出来ないのですね。世代交代の時間が必要なのです。僕等は、今、過渡期に生きているのです。市場原理を優先し時代をリードする産業の転換期に僕等は生活しています。マイクロソフト、グーグル、日本ではソフトバンク…きっと歴史を振り返ると、あの時が明治維新だった。と言われるのでしょう。まさにブルドックとアデランスは象徴的な現象ですね。昨日は荏原が話題になっていました。全て共通の流れに時代は動いています。
バックボーンはこの流れ…私がビスタニュースで『時代背景を考える』と言うレポート通りに動いています。問題は自分の信条と相場観の選択なのですが…明日はインフレ相場対応銘柄のレポートを書く事になります。しかし5月上中旬の貿易統計を見ると4年半ぶりに輸出のマイナス集計だそうで、相場感を変化させなくても良いのではないか?とも考えますね。様々な現象から相場の本流を読もうとして…色々考えるのです。仮にインフレ相場が継続して続くなら銀行セクターなどのインフレ対応銘柄を主軸に取り組まねばなりません。しかし米国の失業率や雇用統計値をみると、従来どおりのシナリオで内需の好業績銘柄である新興株の相場がスタートすることを意味します。私のこれまでのスタンスが正しいことが証明される筈ですが…。
少し難しいですかね。GDPデフレーターのマイナス解消は、積極的に行動する社会の幕開けで、これまでどおりのデフレ社会はうつむき加減の閉塞感のある社会、野村證券のインサイダー防止の為に社内監視テレビをつけ、職場の机を仕切るパーテーション高さを上げることが何故、必要なのでしょうかね? まるで文化大革命ですよ。チクリを奨励する消費庁の創設、役人は報道機関を監視し誘導する情報コントロールをして…国民は真実を知らないで、みのもんたのほっとけない報道に酔いしれる。一部の誇張された現実に法令が傾く姿は、没落する国家像を描いています。しかしガソリン価格が上昇し、小麦粉が上がり、バターが不足する事態は…国民に閉塞感からの脱却を迫っています。後期高齢者医療問題は…アデランス、荏原は真実を訴える格好の材料です。
インフレ社会相場の実現は日本に残された時間のない事を示し、構造改革のスピードを上げることを催促しているのですね。大阪府の橋下知事の経費削減策は、役人への自覚を迫る事例です。地方公務員の給料が削減されデフレの恐さを知らしめています。後は裸の王様の国家官僚です。改革派の数は増えていますが…時代は変化していますが…この狭間で銘柄を選択するのです。スピードの加減なのでしょう。上がる銘柄は分かりますが、どの時点で変化が訪れるのか? どの時点で乗れば良いのか? やはり売り買いのテクニカルの問題なのでしょうね。折角、流れを読んで上がる銘柄を手掛けていても、株が上がりだした時に大量に持っていなくては、継続して乗れなくては意味がないし…このギャップをどう埋めるか?
今日の原稿は抽象的で解りづらいでしょうね。現代美術のようなできばえです。見る人により子どもが描いたいたずら書きに見えるでしょうし、見る人が見れば、カディンスキーのような作品に見えるかもしれませんね。まぁ、美化する自己満だね。心の揺れ具合と相場観をどう整合させるのか? 僕自身きっと分からないのでしょうね。残念ながら…故に失敗しない売買方法が必要なのでしょう。最近ビスタニュースの原稿を書く上で取り上げているテーマです。