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新たな格言(2008年05月31日)

バフェットは6兆円もの資産を築いた実践の投資家です。彼はこう述べています。
『私は市場が混乱している今こそ絶好の買い場だと思う。株価が下がると落ち着きを失う投資家が多いが、私はビクともしない。むしろそれを期待しているほどで、益々興味がわき冷静に市場の変化に目を光らせている。』

日本の場合はソフトバンクの誕生からヤフーが空前の成長を示し新興株ブームが起こったのがITバブルの発生した2000年でした。この時に野村證券は1兆円ファンドと言う大きな投資信託の募集を行ったのです。あの時期のスター株はソフトバンクに光通信でした。1999年の暮れにあのソニーが年末にかけて3日間連続のストップ高を演じるものすごい相場でした。熱狂的なネットバブル相場の誕生です。ITバブルと、後年、呼ばれるようになります。

新時代の幕開けを感じた時代でしたが、その後、時代を生かせずに日本は規制国家に戻ります。2002年から2003年に掛け再びボトムがやってきた再生相場が始まりました。過度に悲観された状態に株価が置かれ、正常な政策運営で株価が戻ります。代表的な銘柄はみずほでしょうね。木村リスト銘柄と称される財務内容が悪化したリストが作られ売られた時ですね。しかし見事に日本株は復活するのですね。

2006年1月福井総裁は量的緩和政策をやめて、この年の7月にゼロ金利を解除します。日本の景気の後押しをしたのはBRICsの成長でした。商社株は空前の大相場に突入します。しかし2006年からの失政により新興企業は大きな痛手を受けます。一番大きかったのは会計基準の変更でしょう。新興企業はスピードを重視するあまり、多くの企業がM&Aを梃子に成長してきました。ライブドア問題は大きな傷跡を残したわけです。更に健全化を重視する清貧思想の継続ですね。僕には国が何処まで個人の問題に関与するのか分かりませんが、この傾向は続いています。明日から道路交通法も変わり後部座席のシートベルト着用などの法令が施行されます。福田政権の消費庁構想も清貧思想ですね。

私は効率化主義者、市場経済主義者なのでしょう。行き過ぎた市場原理に反省もしますが、基本的に個人の自由が必要だと考える人間ですから…。故に、成長力を失った、ここ十数年の政策に違和感を覚えます。営業より内勤者が重視され、一体、誰が稼ぐのでしょう? コンプライアンスは必要ですが、その前に喰うことが先決です。日本の国は稼がない連中が大手を振って、政策を決めているから違和感を強く感じますね。新日鐵の株式持合いを強く批判しているのは、そのような背景があるからです。しかし時代は変化しており、アデランスのような事例が見られるのですね。グローバル化は確実に進展しているわけで、譲位論を振りかざす輩は、時代の経過により開国論になびくと思っています。こだわり続ける新興株論の背景には複雑な思いがあります。株屋として考えるべきなのか、日本人として国を思うのか…苦労して税金を納税している自分は馬鹿ではないか?と思うことはありますが、自分のポリシーは守りたいと思っている次第です。やはり新時代を築くのは新興企業なのです。最近、再びソフトバンクに注目し始めたのは、この企業を助けるのが証券マンの責務だと思うのです。儲かるとか儲からないとかいう次元の話ではありません。日本人として応援する。この応援の心が利益に繋がらないようでは、日本は「ゆで蛙」ですね。新日鐵を買うことが愛する事になるのか?ソフトバンクを買うことが正しいか?その選択です。譲位論と開国論の選択ですね。

僕の考え方は一貫しています。
故に新興株に傾斜したレポートを書き続けています。そんな中で不思議なのが減益決算にも関わらず株価が上がる企業の背景です。昨日の市況では東京エレクトロンを取り上げましたが、今日はビスタニュースで取り上げたサイバーエージェントと言う会社を取り上げます。ネット広告代理店大手の会社です。最近はきっと電通が上でしょうね、やはり…。下のような業績の推移なのに…、何故、株価は上がるのでしょう? ビスタニュースで最初に取り上げたのが、昨年の6月17日のレポートです。当時は新興株が上がると思っていたのですね。この6月頃から幾つかの銘柄を調べました。しかし相変わらず下手ですね。買うと下がるのですから…この当時は底入れしたと思っていたわけですよ。その理由は…色々あります。実際に楽天の最安値が7月ですから、大きな間違いではなかったのでは…と感じていますが…。

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この会社は月次の売上を発表していますね。緩やかな上昇波動を継続しています。しかし僕にはあの時は株を買えましたが、今は買えない水準です。銘柄を選ぶプロセス、この推移が重要だと考えているのです。冒頭にバフェットの話しを出しました。株価が下がると落ち着きを失う投資家が多いが…背景が崩れなければ、株価が安くなり買い続ければ、儲かるわけです。ビスタニュースでは、その前のレポートに取り上げた会社も同様の動きをしていますね。今週は再び買いました。恥ずかしい話、8万円台で買った株を、戻ってきた昨年から今年トントンで売っているのですね。しかし現実はそこが買い場になるわけです。バフェットの教えには背きますが、下げっている時に買わなくても、上がり始めてから買えば良い。安値を買わなくても、高くなってから買えば良い。そんな格言が生まれそうな感想を最近は抱いています。

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