基本的な戦略(2008年05月03日)
日は少し長いスパンで株式相場を考えてみたいと思います。基本的な戦略と言うことですね。多くの投資家は目先ばかり気にする人が多いようです。人間は面白いですね。私も含め目先の快楽に心が一喜一憂します。人間の気持ちは時間を超えることが出来ないのです。一時的な感情に行動は左右されるのですね。生命保険の自殺による免責期間は通常は2年程度らしいですね。最近は自殺者が増え3年に延長する動きもあるようですが…つまり大概の心の動きは2年間の時間を置けば、変わるという統計なのでしょう。だから失恋の心の痛みも時間が解決するのです。
投資で儲けるということは、時間を越えた考え方が必要なのでしょう。最近、このことを良く考えます。基本的な投資家の動きを知る上で、私はよく東証一部の単純平均株価の推移を用いています。実に、この推移が投資心理を物語っていると思います。1977年の単純平均が今の株価と同じです。つまり日本の市場原理は1977年のままなのです。30年間、時間が停止していると考えています。僕らが選んだ政治家が官僚の言いなりになり政策が無くなったのでしょうね。きっと…。アメリカ軍が占領下で日本人をロボット化したのでしょう。日教組の存在や予算システムなど…戦後レジームから脱却が出来ない哀れな国民です。この話しをすると長くなるので…今回は省きます。1989年に日本は頂点を迎えました。その時の単純平均株価は1579円です。悲しい事に、ずっと右肩下がりを続けています。

2003年にみずほの1兆円増資が実現し、何とか日本は踏ん張りました。そうして2006年1月の政策転換(金融政策やライブドアの問題)により再び下げ相場を余儀なくされます。政策不況(サラ金法、建築基準改正法、金融商品取引法など)やサブプライム問題により2008年3月に二番底を入れたのでしょう。この動きが見事に描かれているのが東証一部単純平均株価の推移ですね。三角合併を悪戯にマスコミが煽るものだから、馬鹿な経営者は挙って買収防衛策を実施するわけです。実力のない奴が如何に上にいるかと言うことが株式市場を見ると良く分かりますね。上場企業の社長の年収は2000万円程度でしょう。0.5%の世界です。働いている人の中で200人に一人存在します。金額ではありませんが、その程度の地位にしがみ付こうとする輩が多いということでしょう。
しかし心ある経営者は、日本の政策に失望し早くから海外展開を図っています。失われた空白の時代に、中国へ拠点を移しグローバル化を推進させてきました。私は以前よく株価の説明にホンダを用いたものです。1995年にホンダはアメリカの事業が立ち上がるのですね。アコードの躍進です。グローバル企業ならではの展開です。喰えなければ、喰えるように人間は考えるのですね。日本企業の一般的な会社の株価は下がり続けますが、ホンダは逆に上がり続けます。ビスタニュースでチャートの解説に用いたのがダイキンです。この会社も海外売上を伸ばし成長しました。日本は何故、閉塞感に包まれているのでしょう。業態の転換が出来ないのです。硬直化した予算形成など大蔵省の罪は重いです。戦後の復興期は素晴らしいのですが、どうも1983年辺りが節目だったようですね。

ここに来て民主党のガソリン税戦略のおかげで、ようやく、一般会計と特別会計にメスが入ります。IRNETの読者の人はお分かり頂いていると思います。一般会計がおよそ80兆円なのに、硬直化した特別会計は460兆円もあるのです。私が批判する「掘っては埋める」馬鹿げた道路予算を代表する無駄なお金の使い方を生んでいる元凶です。このような生産性の低いお金の使い方を長年続けてきたので、GDPの伸びが停滞しイギリスに負け、あのイタリアに負けるのです。無策が続く農業政策に手を入れるべきですが、法律が邪魔をしていますからね。商社は海外で農業を始めていますね。何故、海外なのでしょうか? 政策官僚は猛省すべきですね。でも最近の新聞を読んでいると、まだ数字は僅かなのですが、多くの上場企業が海外展開を計り始めました。どうも国内のガソリン税や後期高齢者医療制度への批判により、日本人の心にも変革ムードに火が付き、サブプライム問題の終焉と共に日本企業も海外展開に向かい始めたようです。
長期的な戦略は非常に大切です。
国内問題と海外展開の両方が好転し始めているように感じます。今、描いているシナリオは「みずほ」に象徴されます。ようやくバブルの清算が始まるのです。双日は馬鹿だね。みずほがこれから始めるのに…急ぐことはなかったのです。三流なんだから…背伸びをした社長はニチメン出身かな? 経営者の器ではないですね。僕の心の傷は2年を経ても癒えてないか…。株の世界は常に色んな見方があるのです。ヘッジファンドが売るとか…、1兆円の売り物があるから株価が下がるとか…目先の見方ですね。僕のようにようやく負の整理が始まったので、新しいステージにステップを踏み出したと言う見方もあるのですね。面白いですね。2003年の原動力は、1兆円増資を実施した「みずほ」でした。そうして、今回の単純平均の上昇の切っ掛けもやはり「みずほ」の健全化ですね。
失われた時代を二度にわたりダメ押しを入れられ、新しいステージに歩みだした。私は単純平均株価の動きを見てそう感じているのです。皆さんはどう感じているのでしょう。より詳しい内容はビスタニュースで、この続きを書きます。