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市場予測(2008年02月16日)

今日は市場予測の変化について考えて見たいと思います。インターネットの普及で情報が誰でも簡単に手に入るようになりました。その影響でしょうか? 市場での反応が素早くあまりにも過剰に反応するように感じています。しかし市場での反応はやはり短絡的です。故に必ず修正波動がその後、起きるようです。私は当初サブプライム問題の広がりがこんなになるとは思いませんでした。理由は簡潔です。担保に入っている住宅を直ぐに売却すれば良いわけですから、金融機関がこれほど騒がれるほど悪化しているとは思わなかったのです。流動性のない未熟な市場評価が優先され、その評価により過剰に損失を計上されている事実が存在したのですね。この動きを加速するかのように大手の格付け機関が追随するのですから驚きです。しかし私はまもなくこの誤りを市場は訂正すると考えています。その例として米国の企業業績の推移と実際のGDP統計の比較を何度か「今日の市況」に載せています。

企業業績 3Q 4.5%減 4Q 20.3%減
GDP    3Q 4.9%増 4Q  0.6%増

この数字を見た時に思いました。<市場と言うのはすごいものだな。> 
様々な予測が市場を動かし、常に実際の数字と関連しあって市場価格を動かしていると言う事実です。最近の市場は、景気後退(リセッション)に突入するとの見方と、ゆっくり景気後退に向かうとの見方が対立しています。最近ではリセッション支持派が増え株価が急落しています。しかし今の市場予測は何れ修正を迎えるでしょう。その理由は既にビスタニュースで述べています。まぁ、一例を挙げないと皆さんは納得されないでしょうから…市場価格の代表の株価でアメリカを代表する住宅産業の会社のトール・ブラザーズの株価を見てください。この株価に代表されるように市場の予測とは相反しアメリカの住宅産業の株価は逆行した動きになっています。

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サブプライムの損失の原因は金利が上がり条件改定に付いていけない債務者が住宅を手放す事にあったのですね。その原因は既に多くの対策で処理されています。一例を挙げれば利下げです。他にもローンの借り換えを急がせるプランも実行されていますね。…にも拘らず、ABXなどの指標は価格が低迷しています。しかし…モノラインまで来て最近では再保険の問題から日本の保険会社の株価も影響を受け始めています。

企業業績とGDPのギャップは一例ですが、他にも色んな指標で過度にリセッションを織り込んだ事例が生まれています。日本の市場でもその動きは現れています。チラチラと「今日の市況」では解説していますから文脈を読まれる方はお気付きでしょう。何度か春から夏と言う言葉を用いています。問題は既に次の山場でしょう。ビスタニュースではその辺りを含め私の考えるシナリオをこれから忌憚なく述べていくつもりです。アメリカでは「ポールソン・クレジット・オポチュニティーズ2」ファンドが人気だとか…すごいものですね。1億3000万ドルが32億ドルだそうです。1年で350%だそうです。この意味はサブプライム問題の終焉が近いことを物語っているのでしょう。市場は常に少数派の論理が勝利を収めるのでしょう。しかしそのタイミングを計るのは難しいね。