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かたるの失敗(2008年01月26日)

かたるの失敗という「テーマ」で幾つかのレポートができそうです。
私の基本的な考え方は、企業業績の上下により株価が上下すると言うものです。そうして株価の変化率が高いのは「赤字から黒字に転換する場面」だと思っています。次に変化率が高いのは「配当を実施する時」です。そうして好業績の業績が加速し、成長速度が高いピークを迎える場面に、株価は人気になり、もっとも大きな変化率を迎えます。しかし場面は、際どい「禁断の果実」の場面です。

何年も売り買いが出来て、充分な利食い期間がある黒字転換の場面を選んで、かたる銘柄を選択していたつもりでした。しかし業界の過渡期や景気波動の変化期には、市場リスクが高くなり、時間軸がずれるのですね。どうもこのリスクに関する考え方が、かたる投資の失敗に繋がっているようです。基本的なイメージは下のグラフに書かれています。赤い株価を予想していたものが、市場リスクの高まりや業界の変化によりオレンジの株価波動に変化するのでしょう。業績は向上しているのに株価は下がる。奇妙な状態を経験しているわけです。

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先日、ある経営者から業績は黒字化します。しかし社内留保を先行するので実際の目に見える利益は2年後ぐらいになるでしょう。との発言を聞きました。なるほど…と思った次第です。経営者は株主のために経営をしているのではなく、一番は従業員の幸せを考えるわけです。常に一緒に働く仲間を大切にするのは当たり前です。つまり変化は隠されるのでしょうね。黒字にしようと思えばいつでもできる状態で内部留保を優先するのでしょう。故に実際は好調なのに…株価の回復は2年程度、待たされるケースが生じるのでしょうね。ここに市場リスク(システマチック・リスク)の関与があります。

昨今の相場のように流動性不安が市場リスクを高めるのですね。通常は気にしないリスクを過剰に市場は株価に織り込むのです。実際は黒字なのに、信用不安により企業が倒産する事があります。故に銀行は過剰に株価を気にするのです。2003年の日経新聞を春から読んでみるとわかります。あの当時はみずほが倒産する前提で世論が構築されていました。実際、日本債券信用銀行や日本長期信用銀行などは倒産しましたね。自己資本比率が10%程度の会社ですから、政策の重要性が問われるわけです。アメリカの地価が6-8%程度の下げで世界の金融は揺さぶられているわけです。

日本の地価は…異常な政策だったから失われた時代の償いが起きたのでしょうが、政策担当者が責任を取らないから、自己増殖をやめない官僚組織なのでしょう。GDPは横這いなのに…国民の賃金は下がっているのに、自分たちの使う分は減らないのです。政府最終消費はGDPに対する使用比率はドンドン上がっています。誰もこの悲しい現実を取り上げない。かたるの失敗は右肩上がりの経済を信じている弱さに起因しているようです。

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