追跡(ベンチャーリンク)(2007年11月10日)
今日は最後のかたる銘柄であるベンチャーリンクが決算発表をしましたので、その分析を簡単にします。ある意味で、利益の上がってない会社が、だんだん業績が良くなり、株価が上昇していくパターンを理解すれば、他に企業分析と株価予想に利用できるので、ベンチャーリンクは良い事例ではないかと考えて、かたる銘柄として紹介し、追跡している次第です。
株価が上がる為には様々な要素が必要です。利益成長、利益の質、時代の背景、相場環境、人気、仕掛け人など、多くの要素がマッチしないと株価は上がりません。新日鐵やトヨタの株価が10倍になるのは大変です。余程の現象が起きない限り考えられません。しかし比較的小さな売上高の会社の時価総額は大きくなることがあります。
ベンチャーリンクのビジネスモデルに期待して、この会社を継続的に見ており、既に5年ほど経過するでしょうか? 本格的に買い始めたのは2005年でしたが間違いでしたね。昨年、篠崎やが離反し、フジオフードの契約条件が大きく変わりました。新興株の低迷の市場全体のリスク(システマティックリスク)もあり、今年9月に上場来の最安値129円を付けました。ようやく、ここから期待して買いに入るべきだったのでしょうね。私の期待通りの展開にはなっていませんが、マズマズの展開かな…と考えています。それでは、昨日ベンチャーリンクの第三四半期の決算が発表されましたのでその分析を…

この会社の特徴はFCビジネスを展開しており、セブン・イレンブン・ジャパンが大きく成長したパターンをイメージしています。つまりFCの加盟店料と加盟店の売上から発生するロイヤリティー収入による売り上げ増が業績を押し上げると考えています。セブンイレブンは小売専門ですが、ベンチャーリンクは外食産業、教育、ジムなど、色んなFC展開を図っています。既に全国で2891店舗のFCビジネスを展開しています。
☆売上と利益
売上は40億82百万円(1Q)→90億83百万円(1.2Q)→142億05百万円(1.2.3Q)の売上をあげています。四半期ごとに追うと4082百万→5001百万→5122百万円。亀の歩み程度ですが、少しずつ成長しています。営業利益も209百万の赤字から、50百万の黒字へ、更に87百万円の黒字と拡大をしています。ただ期待ほど増えてはいませんが、プラス展開していることは事実です。会社のホームページには決算短信は載っていますので、自分で調べると良いでしょう。

☆ FC加盟店数の推移
次に月次のFC増加数です。スポット収入になる加盟店数は、ここ数ヶ月間、落ちていますが、新規開発FCの端境期の影響もあるのでしょう。これからカーブスに続く高成長が期待できる業態が開発できれば良いのですが…。会社側は保険販売ビジネスの「ライフサロン」に期待しているようです。既に90社と契約済みだと言っております。

何故、このような低い営業利益の段階で注目しているかといえば、損益分岐点を越えた辺りに、売上水準が位置するからです。月商15億円~17億程度が黒字のラインだと推測されます。当期は新ビジネスの開発費負担もあり、利益が伸び悩んでいるようです。380百万の営業キャッシュフローに対し、806百万の投資キャッシュフローを計上しています。株価が面白く上昇するのは、赤字から黒字に転換する瞬間に、一番、株価に対するインパクトが発揮されます。ベンチャーリンクは、これから1年から2年程度、非常に注目されるものと考えています。
株価には夢が必要。既に中国本土への外食ビジネスを展開しており、この動きも株価の支援材料となることでしょう。相場全般の環境判断は、来年は難しいのです。大統領選挙を控えるアメリカの景気動向の見極めが必要とされますし、中国経済のバブルの沈静が成功するかどうか…変動相場制を採用する「元」の自由化まで、この問題は続きます。故に、国内産業の成長業種に、相場の的が絞られます。ネット産業をはじめとする新興産業にスポットが当たると考えており、ベンチャーリンクは、依然、有望な銘柄だと考えています。しかし業績水準が低迷するようでは、株価の上値は限られます。出来ることならば、順調な一株利益の成長に期待するものです。