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チャート(2007年11月03日)

今日はチャート論の解説をしましょう。基本的にテクニカル分析は過去の動きからの推測に過ぎません。様々なチャートの形から将来を予測するものですが、最近ではネット証券が栄え手数料が安くなったので売買の短期、高速回転化のために、従来の経験則が当て嵌まらなくなっています。しかしチャートの形には人間心理が現れるもので、微妙な動きは形から感じ取れます。それでは最近の人気株ヤフーを題材にして解説しましょう。

日足を見ますと、4月23日に35750円の安値を付け、8月17日に35200円の二点底を演じています。しかし8月17日は4月の安値を割っており、この時点ではここが安値かどうか分かりません。その後8月の終わりにかけて、これまでの8月10日の高値(40550円)を更新していきますが、未だに8月17日が当面の安値になる確認は取れません。一度、下がり10月に入ってから、9月5日の高値(44750円)を取ります。この時点で初めてヤフーの買いチャートに転換します。前の二つの山を越える。

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売り物をこなしながら、ほぼ一本調子に上昇します。通常、人間は安値覚えがあるために、なかなか、このような上昇相場の時は株を買えないものです。しかし多くの場合、このような高い上昇率を演じる人気株は目を瞑って買う場面です。一旦は、株は利食いから下落しますが、そこは初押しと言い、絶好の追撃買い場面になります。ソフトバンクもそうでしたね。10月17日に大陰線を演じ下げましたが、再び高値追いになりましたね。更に話題のドワンゴもそうなると思います。此方も初押し場面です。故に「初押しは買い」と言う格言が生まれたわけです。例外はあるでしょうが…確率は高いようです。

さて、ヤフーに話を戻しましょう。
ヤフーは10月23日に大陰線を形成し、24日の決算発表を受けて25日にはトウバの形のストップ安を演じています。そうして、翌日はトンボの形で、実に出来高は65万株です。翌日も51万株も出来高が膨らんでします。この形と出来高から強弱観が対立している様子が伺えます。下値で買った人の材料出つくし観でのイベント売りや利食いが重なります。その後、この辺りでもみ合っており、金曜日に再び大陽線を演じているところです。現在は、この株価から下がるか? それとも上がるか? 定かではありません。

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今度は週足を見ます。チャートから分かるように、ようやく下値のボックス相場を抜け出したばかりの若い相場に見えますね。そうです。ヤフーの相場は新婚ほやほやです。これから家庭が築かれ、新しいドラマがスタートするのでしょう。次に月足を見ると、ITバブル時の調整期間を超え、調整波動は充分ですね。調整未了で再び下落波動になる可能性は薄いように思われます。

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私は決算説明会を見ました。7-9月期はオーバーチュアの売上は1か月分の計上ですね。10-12月期はフルに3ヶ月加味されます。さらに来年初頭にトップページをリニューアルし広告料が増えます。中間期の前年同期比の広告収入の伸び率は27%増です。業績面の不安もなく、しばらくは新値追いの可能性が高いと推測される訳です。

テクニカル分析では株価は上がることはあっても下がる可能性は薄く、横這いの可能性があるだけです。業績面からのファンダメンタルの分析では、業績の不安は見当たりません。故に当面、人気を維持すると推測されます。しかし既にPERは50倍を越えており上値余地が高いかどうか…この辺は意見が割れるようです。さて、今日はテクニカル分析を踏まえ、投資するか? それとも見送るか? 判断基準のひとつとして、チャートの勉強をしました。「初押しは買い」は使えるアイテムです。

そうして、ここでもう一つ重要な事は、日足ばかり多くの人は重視しますが、判断に迷ったらチャートの時間軸を変える(週足や月足を用いる)ということを覚えて下さい。
さて今日は有意義な勉強をされたと思います。投資をする場合、テクニカル分析だけでなく、必ず、企業のホームページに行き、決算説明会を自分で見て、考えると良いですね。投資の失敗を他人のせいにしても損をしたお金は戻ってきません。自分の身は自分で守るのです。