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BRICs銘柄の行方(2007年11月24日)

サブプライム問題を引き金に、日本独自の政策不況を感じとった株価は他国に比べ、非常に弱い展開を続けています。基本的にはバブル(1989年より)の後遺症(銀行に政策の失敗を押し付けた処理)を引きずっている為に、BRICsの成長により助けられてきた景気回復の恩恵が切れてきたのですね。2003年より始まった戦後最長の景気回復はわが国が主導したものではなく、世界景気のよる恩恵だったのです。日本は既に少子高齢化社会で売上が伸びる国ではなくなりました。増収増益は夢また夢。大きな政策転換がない限り、輸出比率が高いとか…海外拠点が多いグローバル企業しか成長しません。

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サブプライム問題の影響などにより、流動性不安が世界景気のブレーキとなっています。このブレーキの効き具合が、どの程度なのかを見定める時間が必要なのですね。急ブレーキなのか…、それともエンジンブレーキ程度なのか…。この判断の見定めは難しいでしょう。人により大きく意見が分かれます。中国の一人あたりのGDPは2000ドルを突破し、購買力が上がってきたので世界中の資源が上昇しています。近年では食料品まで上がっています。中国のCPI(消費者物価指数)が上昇し、先頃の17回中国共産党大会では「科学的発展観」を重視する政策が取られるといいます。

来年の北京オリンピックを控え、固定資本投資などが大きく減少する事になるでしょう。更にアメリカの消費がサブプライム問題から影響を受け、中国の輸出政策も打撃を受ける事になるでしょう。BRICs銘柄にとって、外部環境は険しくなる見込みなのですね。故に、ここに来てBRICs関連銘柄が下げているのです。下の代表的なBRICs銘柄の推移を見てください。上の4銘柄は下値と下値を結んだ下値支持線は右肩上がりですが、信用の買い付けが多い、下の2銘柄は右肩下がりの展開になっています。基本的に人気株だったものほど、整理に時間が掛かるのでしょう。完全に戻り売りのスタンスで臨むべきなのでしょうね。

今の予想では、目先はマイナス乖離率が高いので、一度、株式市場は乖離調整のために戻るでしょうが、再び下値を探る展開になることでしょう。アメリカの消費動向や中国の固定資本形成に、影響を与える中国の金融政策などにより、BRICs銘柄の下値位置が固まります。来春以降に見える環境により、今が底値で、再びBRICs銘柄が新高値を取る可能性も皆無とは言い切れません。しかし現状ではBRICs関連銘柄は好業績でも、下がるか良くて横這いの株価波動に入るか? …のどちらかでしょうね。

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株価と2008年3月期の業績予想を見る限り、更に下値があるようには感じられません。今の市場は極端にサブプライム問題(アメリカ景気の後退)や中国経済のハードランディング路線の懸念を織り込んでいるように感じられます。現状では何度も述べますが、来春にならないと、どちらが転ぶか分からないのです。それは市場が懸念するような展開もありますが、ソフトランディング路線が普通は濃厚なのですね。何故なら、アメリカは既に0.75%の利下げを実施し、中国は既に預金準備率を引き上げ、金融引き締めを実施している訳です。故に私は弱気を一旦返上し、強気に対処し始めているわけです。嫌いなBRICs路線の株価も、現状では一旦は戻り相場に入ると考えています。しかし僕らが買うのは本筋を狙うのでBRICs関連銘柄ではありません。

詳しくは、明日書く予定のビスタニュースの原稿で…