物色の流れ(2007年03月31日)
新日本製鉄の上がった理由は好業績、M&A、大型株、アジアの隆盛、自社株買い、持ち合い活動などの複合要因です。輸出比率は25%で、うち75%がアジア向けです。しかし買われる背景には、ライブドアショック以降の新興会社への会計不振がありましたね。だからリスクの少ない、昔からの大型株に物色の鉾先が向かったのでしょう。

私が手掛けなかった理由は、株式の持ち合い活動です。失われた時代を経てようやく日本独自の悪しき慣習と決別したのに、再開しようとする村社会論理が嫌いでした。1000億円の自社株買いは画期的な出来事だったのですが、同じ年の秋に3000億円のCBを発行しています。そうして今年も1000億円の自社株買い?この資本政策はなんだったのでしょうか?

その後、三菱重工が米国のテキサス電力からの原子力発電所受注で人気になってきました。その前の鉄鋼株と共に上がっていたのですが、鉄鋼株が休むと乖離率に余裕があるために上がってきたのでしょう。増額修正し大型株でアジアの隆盛と言う背景は一緒です。重工の利益の質は市況に頼る新日鉄より確かです。原動機、中量産品(エンジン、ターボチャージャー、フォークリフト、物流機器、エアコン、印刷機など)など多岐にわたる利益の源泉を持つからです。しかし重工はアジアへの輸出比率は意外に低いのですね。イメージがインフラ整備に関わる品物を多く扱っている為に被っているのでしょう。

今度は日立が人気になってきました。この会社が買われている背景はM&Aへの期待なのでしょう。連結子会社を多く抱えていますから…買収しても採算に合うのでしょうね。この3社に共通しているのは大型株と言う背景だけですね。あとはアジアの隆盛と言うチャンスはありますが、コマツや日立建機などに比べると、今のところアジアへの輸出比率は特段に高いわけではありません。
何故、この3銘柄が市場で席巻し人気株になったのでしょう?
一見、共通しているのは、インフラ整備の会社と言うイメージでアジア地域のインフラ整備に活躍できる会社群というイメージですが…。もともとライブドアへの不信を背景に新興株からの人気離散が始まり、決算不安を抱えていたから大型株に向かったのでしょう。しかも更に、ここに来て株主総会が近付いた為に色んな現象が見られます。東京鋼鐵にサッポロビール、ものを言う大株主が増えM&Aへの背景がありますが、しかし三菱重工にはその噂を聴いたことはありません。
そこで、かたるは松下を思い浮かべたのです。さて続きは、明日のビスタニュースで…新日鉄、重工、日立に続く銘柄はなにか?…を考えます。さて先日行った対談が纏まったそうです。
此方からどうぞ…