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株式教室

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株価急落を受けて…(2007年03月17日)

今回の株価の急落を考えると一つは円・ドル・キャリー取引の揺り戻しがあり、もう一つはアメリカ経済の動向が注目され、最後に中国経済の過熱の三つが存在するのでしょう。
円・ドル・キャリー取引とは、日本で調達した低金利のお金をアメリカなどの金利の高い国で運用して差益を稼ぐ方法と言われています。実態規模は定かではありません。新聞などによると20兆円とも言われていますが、個人の外貨預金などを加え40兆円説もあります。昨年に量的緩和が解除され、短期市場にだぶつく資金は回収されました。今回は0.25%の金利引き上げで0.5%の金利が掛かる事になりました。

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実態が定かでないものに株式市場は脅えます。しかし実態が明らかになれば市場と言うのはその材料を消化するものです。円・ドル・キャリー取引の実態の把握は定かではありません。この理論の根拠は金利差ですから、この差を徐々に縮小していけば、いずれこの取引は解消され適正な水準になり、将来の予期せぬ事態が回避されると言う読みなのですね。G7の効果は確実に生まれているわけです。この席で円安問題が取り上げられたと言われますからね。

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既に株価の調整は問題が表面化し、株価が下がった事により70%~80%は消化されたのでしょう。どの時点で、問題が完全に消化されたかは、株価が上がらないと分からないわけです。複合問題としてもう一つ言われているのが、アメリカ景気の後退説です。しかしFF金利と10年国債の金利推移を見ていただければ、アメリカ経済はやはり市場国家ですね。充分、景気問題に対応できるでしょう。

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SP500のチャートから予測すると、今回の調整は長引くかもしれません。その理由は上昇期間と上昇率にありますが、とても相場を出し切った姿に見えませんね。今回の調整は良い息抜きなのでしょう。既に3週間~4週間目に入り下落率は6.6%を越えています。過去の調整幅は6~9%どまりです。概ね8%前後の数字でしょう。1344前後がその数字になります。あと僅かですね。あとは日柄の問題です。

大きく表面化したサブプライム問題は、住宅市場の現状が、市場に警告として反映されます。故にグリーンスパン効果は充分発揮されたと思われ、バーナンキ新議長の次の手腕が見所ですね。先ほどの金利比較です。10年債は下げ始め、FFレートは横這いですから、何れ利下げが実施されるのでしょう。あとは中国経済問題ですが、全人代が終了し此方もイベントは終りました。市場にリスクが反映され、過去のものになります。

さてこれからの日本株式市場はどうなるのでしょうか? 
相場の中心を演じた新日鉄の株価動向は? 新しい主役は生まれるのか?
今後の展開が注目されますが、幾つかのパターンをビスタニュースの明日の原稿で考えて見たいと思います。