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経済政策の流れ(2007年02月03日)
景気はどのように回復するか?
今日はこのことを中心に考えてみます。経済政策には様々なやり方があります。景気の変動により政策は変わりますが、安定した物価と成長を実現するために、国は金融政策と財政政策を行います。

財政支出は公共事業投資を…、租税は消費税や所得税の上げ下げをイメージすれば良いでしょう。更に公定歩合は市中金利の上下、公開市場操作は公債などの売り買いにより市場金利やマネーをコントロールする方法。預金準備率は貸し出しの増減に対応します。このような政策を用い、景気をコントロールするのです。

日銀短観の業況判断指数は景気のバロメータです。
景気が下向きの時は金利を下げ、景気が上向きのときは金利上げます。
この金利の上下と企業業績と株価を見たのが、相場サイクルの見分け方です。景気の回復パターンには順序があります。景気が悪化すると金融政策により金利が引き下げられていきます。そうして財政政策により景気を刺激します。

これら二つの主だった政策により、景気は浮上し始めます。景気が刺激されると需要が盛り上がり、供給を増やすために設備投資をします。やがて雇用に跳ね返り人件費が高騰し、可処分所得が増えますから消費が刺激されるのです。この景気拡大の循環が、うまく機能しているのがアメリカ経済です。毎年3%~4%の成長をしているのだからすごいですね。

一方、日本は外需に助けられていますが、なかなか自立的な拡大経済になっていません。下の成長率のグラフを見ればお分かりいただけます。現在の景気動向は内閣府の景気統計から明らかなように、輸出と設備投資に支えられているのです。消費動向をグラフにしてみましたが最近ようやく僅かな兆候はありますが、まだまだです。この基本循環が頭に入っていれば、銘柄物色にも役立つのです。



この辺りの基本的な考え方は株式相場の流れを考える上で非常に重要なのです。今日はグラフを多用しましたが、筆者の真意を良く考えながらグラフを見てください。