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僕らの船は今何処を走っている?(2007年01月20日)
何故なのだろうか?
私は2003年の5月からの金融相場が2006年の春に終わり、業績相場に移行したと考えていたが…どうも、その後の相場付を見ると、依然、金融相場の色彩を多く残した相場展開が続いている。昨年からの新日鉄の新高値更新をはじめ、最近のリートの活躍や不動産株の新高値など…明らかに大きな相場の読み違いをしていた節があるようだ。

下の日銀短観と公定歩合の推移(赤い線)を入れたグラフを見ていると、金利が、依然、低いままで推移している様子が伺える。最近、日銀の金利引き上げの話と前後して新興株式が反発し始めた。昨年はライブドアの問題に前後して日銀は量的緩和政策を解除して金利を少し付けのだが…

一方、「需要⇒生産⇒雇用⇒所得⇒需要」と言う経済メカニズムのサイクルは普遍で、今のところ、海外による需要の高まりで、生産活動が拡大し、設備投資に火がついた所。ようやく、今春になると新規採用の難しさが生まれ、賃金が上がりつつあり、この為に所得が増え、故に可処分所得が増し消費に火がつくかどうか? この辺りの水準まで経済活動は来ているようだが…。アメリカの経済動向は下向きで、中国やインドなどの新興勢力の需要は依然として強いようである。
しかしアメリカでは「キチンの波」の在庫投資循環は峠を越し下火だが、2000年にブームとなったITバブルの設備投資循環の波動である「ジュグラーの波」が訪れつつあるという。更に日本では半導体などの競争力を増すために、償却期間の短縮や残存価格の見直しを実行し、新たな競争に政府も応援している。この辺りの波をどう読むべきなのか?
何しろ、今の時代は、「キチン、ジュグラー、クグネッツ、コンドラチェフ」の4つの波が同時に起こり、時代を進めているというから相場の流れを見極めるのは大変だね。
このように、景気循環から相場の流れを推測し、業種を絞り業績のいいものを物色するわけだけれど、一体、我々の船は、今、何処を走っているのか? 羅針盤のない航海を迫られておるようで、一度、方向感を失った僕に、果たして自分の船を港までもって行くことができるのだろうか?