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今年を振り返り…(2006年12月30日)

今年は二極化の時代だったのですね。格差の時代とも言うのでしょう。昨日は日経平均株価とJQ指数のチャートを比べました。同じように今日は新日鉄とソフトバンクを比較してみました。今年はソフトバンクを空売りして新日鉄を買っていれば年間を通じて満足のいく成果だったのでしょう。新日鉄は意外にも大型株なのに、1.59倍にもなっているのです。逆にソフトバンクは半値以下です。新興株勢力の個人投資家は痛手を受け、保守的な機関投資家はこの世の春を満喫する。選択により「天と地」の格差が生じました。

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「時代の背景を考え投資する」をモットーにしている「かたる」は1月のライブドアショック、日銀の量的緩和解除の金融政策、村上ファンドなど、多くのシグナルを受け取っておきながら、反官僚社会主義精神のためか…、体制に反対する姿勢を貫いたために敗北をきしたのでしょう。昔から「政策に逆らうな」と言いますからね。おかげでお客様にも迷惑をかけ、自分自身の生活も怪しくなる始末です。たかが歩合セールスがいい気になりすぎたようです。

5月の最初の段階で方針を転換すればよかったのです。ゴールデンウィーク明けの相場は投信相場と予期していたのに…。実際は下げ続ける双日を買い続けたり…、今年は正常化に戻す作業の年だったのでしょう。大手銀行の公的資金返済をはじめ、産業再生機構入りをした会社の正常化など…ようやく不良債権処理の後始末が終わりを迎え、デフレ時代の清算の年だったのですね。大きく市場の流れを読み違える原因の一つに、相場の流れを見間違いました。金融相場から中間反落、そうして業績相場へと考えていたのですが、実際の景気波動は非常に弱く、設備投資から消費になかなか景気循環が回らないのです。

現在の環境が続くなら、電力、海運、鉄鋼から、商社と言う選択があるかもしれません。しかしこれらの選択は非常に危うい砂上の楼閣相場です。日銀が金利を引き上げれば相場が弱まるし、鉄鋼株など、所詮は、2007年後半は危うい銘柄に変わりますからね。なにしろ2008年に北京オリンピックで…、これまでのケースでは成長率が落ちるのが普通です。そうなれば、ただでさえ過剰生産といわれている鉄鋼市況は、値崩れを起こし安価な輸入品に競争力を保てず、収益が大幅に落ち込むのです。

自動車などが売れ行き好調から生産を増やし、高収益の薄板鋼板市況が業績を支えるとの読みもあるようですが、既にアメリカでは住宅に続き自動車も販売不振の状態で…何故、こんな環境下で鉄鋼株なのか? やはり僕には選択できない銘柄です。

視点を変えれば、グローバル企業が生き残りを賭けた戦いを象徴している相場とも考えられ、そう考えると時価総額の大きな日本を代表するソニーが業績の見通しも立たないのに上がるのも、日立の株高も頷けるように思います。さて来年は三角合併に絡み会社法がどうなるのか? 安倍政権は成長路線を堅持できるのか? この辺りの選択がキーワードになりそうです。このサイトでも目先の銘柄を出したほうがいいのか? 少し考えさせられる一年でしたね。 市場の流れを見失わないようにする為にもう少し勉強する必要を強く感じた一年でした。明日はお休みします。どうも一年ありがとうございました。良いお年をお過ごしください。