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決算を迎えて…(2006年10月21日)
メールを読んでいると、時々、悲しくなります。市場の動きなら兎も角…かたるの読者は長くお付き合いを頂いており、信頼感が互いに高いと思っているのですが…。株式投資は、日々、戦略を変えています。経営者の選択や外部環境により、それぞれ少しずつ株価判断が変わります。しかし基本的な戦略はそう大きく変わるものではありません。双日のように会社の業績は良いのですが、ファイナンスの選択により目標株価が大きく変わるのは仕方がないことです。
あとは業績の多少の読み違いはよくある事で、そんな事で一喜一憂するほうがおかしいのです。株価は既に下げているのに、業績悪化報道がされた場合、勿論、逆の場合もあります。USENは前者の例で、HOYAのようなケースは後者ですね。このような事例のケースは、あまり心配する必要はないのです。既に業績などを織り込んで株価は変化しているわけで、決算発表は過去の話です。この数字が、今後に影響を与えるかどうか? ここが重要なのですね。

報道によれば、USENは公認会計士の監査が厳しく査定され減益にされたとか…。ギャオの黒字化が遅れていること。借金が多いことなどがマイナス要因なのでしょう。しかし決算発表の翌日にストップ安で寄り付くのですから驚きです。投げる人が居るのですね。おそらく、これで二番底を形成する可能性が高いですね。チャートを見ると、まだ底練り状態が続きそうなのですが…。新興株式の場合は、一番重要なのは売上水準の推移でしょう。
M&Aを繰り返す企業が多く、売上が伸びていれば、一時的な利益の落ち込みは仕方ないでしょう。この時期は変革期でもあり、経営者としては売上の追求に走り、利益への意識が弱いのは、ある程度の期間なら容認されます。ソフトバンクが代表的な例ですね。しかしいつまでも赤字では、次第に市場から相手にされなくなります。ソフトバンクは危険な賭けですよ。ある意味で…普通の方法ではありませんね。しかし、あのアイディア力と行動力は素晴らしいね。
これから多くの企業の決算数字が発表されますが、基本的に一時的な赤字や先行投資により赤字はある程度容認されるのです。何年も黒字化しない事業を抱えているとか…減益の改善策を講じてないとか…理由が明らかにされないとか…こういう決算や株価の下げは怖いのですが、昨年のベンチャーリンクのように、レインズなどとの契約切れによる売上高悪化など、理由がハッキリしていましたから、株価は100円台から上がってきたのです。さらに改善策が円滑に進んでいましたからね。
基本的に株価が下がってくると、多くの投資家は不安になりますが、投資している会社をよく自分で調べる事です。IRNETのTOPページには株式コードや社名のどちらかを入力すると、企業のホームページにリンクしています。最近は多くの企業がIR活動に力を入れていますから、自分の目で調べ、疑問に思えば会社に電話して聞いてみるもの良いでしょう。事前にちゃんと調べないと駄目ですよ。IR担当者に失礼ですからね。疑問点を整理し自分なりに勉強してから回答を求めるべきですね。
さて決算の見所は、利益を上げているセクターは更に伸びるのか? 企業活動は円滑に拡大しているか? 仮に赤字の部門があれば、改善策は講じているか? 大幅な赤字でも一時的な処理などの赤字は恐くありません。株式の減損会計処理など…楽天のTBS株の処理も同様です。むしろ減損処理したほうがスッキリしますね。先行投資の赤字は容認されるのです。自分なりに投資している会社の業績見通しを考えてみると良いでしょうね。
今日の株式教室の内容は薄いけれど、「利益の質」の問題は重要です。一時的な利益なら、いくら儲かっていても、評価の度合いが低いのです。業績と株価の推移も重要です。既にかなり下げているなら、基本的に業績悪を株価は織り込んでおり、材料発表で悪材料出尽くしになり、株価は上がるものです。