調整後の株価の形(2006年09月30日)
今日は久しぶりにチャートの形を勉強して見ましょう。どんな株でも株価が上がると必ず調整局面が訪れます。その調整パターンには色んな形が存在します。今日は最近注目されている東芝の例を用いて解説してみましょう。東芝は「今日の市況」でも何度と取り上げています。今年初め、原子力部門強化の為にウェスチングハウス社グループを買収しました。また半導体部門にも多額の投資をして積極策をとっています。現在の業績はすこぶる好調のようで増収増益を堅持していますね。
さて、今日は業績面からの解説ではなく、チャートの形をみて株価判断を考えて見ます。下のチャートのように400円台だった東芝は昨年の夏から今年初めに掛けて815円を付けました。当然、株価が2倍にもなったので、安値で買った人が利食いする時間調整が必要です。好業績からの買い物の需要と、利食いによる供給のバランスが崩れたのが7月から8月です。8月末に842円の高値を形成し、先の高値の815円をクリアしました。この意味は既に東芝は調整を終了しているのです。

後は業績動向が問題になりますね。通常、合併すると経営者が変わり、被合併会社はゴタゴタするものです。新規生産設備の初期稼働率が低い事と同じような現象が訪れます。またひょっとすると被合併会社に予期せぬ負の部分が存在するかもしれません。そのような事態がなくても「のれん代」などの償却負担が増します。しかし、このような点を考慮しても業績はいいのでしょう。故に東芝は新高値を更新したのでしょうね。

通常、新値を形成すると、もっとも強いパターンは右肩上がりでジリジリ上昇するパターン(A)です。次に強いのがほぼ横這いで、若干の右肩上がりのパターン(B)です。長い調整のあとの上昇相場のもたつき場面は、買い場になるケースが多いようです。今回の東芝のパターンは株価が上昇し、持ち合い相場を8ヶ月ほど経過しての上昇後の押しのパターンで非常に強い上昇パターンではありませんが、充分、評価できる形を有しています。

どの株もそうですが、株価が上がり水準訂正をした株は業績の推移に問題がなく、充分な株価調整を経ていれば、買いを考えてもいい対象になります。私は現在の東芝は一度新高値を付けた直後の最初の押しで再び新高値を抜くチャンスがあるように感じられます。果たして再び842円を抜き、新高値を目指すのでしょうか? 貴方ならどう判断するんでしょう。