未来かたるが開催!みんなによく分かる

株式教室

« 潮流を感じる | 最新の記事 | 負け惜しみ »

潮流を感じる2(2006年09月16日)

先週は「潮流を感じる」というタイトルで、世界経済の流れを読む重要性を学びました。東西冷戦が終わり東側の国々が市場経済に参入し、資本の移動が起こり、それらの国々が社会基盤整備をする話しでしたね。この現象が起こり始めてから既にかなりの年月が経過しています。現在は世界の国々の金利も上がり流動性が削減されています。資本コストが掛かるので移動が制限される。故に経済活動は鈍る訳です。各国の中央銀行はインフレを懸念し、利上げをしたのですね。ようやく、この効果が表れ始めています。下のグラフを見てください。CRB指数とWTI原油価格の動きです。両方とも上昇トレンドが崩れ始めています。

r20060916a.gif

この動きは非常に重要で、お金の流れが変化している事を示しています。従来は人口の大きなBRICsが経済成長し、その為にたくさんの資源を使うので、これらの一次産品価格は下がらないと言われていました。この下落現象が一時的なのか? それとも既に長い年月続いてきた上昇トレンドが終ったのか? 市場の予想では圧倒的に前者の考え方が有利になっています。しかし株式市場では、既に資源がらみの銘柄が売られだしました。かなりの増額修正をする最中の出来事です。住友鉱山や三菱商事など…

逆に、原材料価格の高騰により収益が圧迫されていた会社にとって、最近の現象は恵みの雨となっています。しかし、まだ業績には影響を与えるものではありませんが、とりあえず、市場はその方向で動き始めるのでしょう。もっとも原油高で苦しんだ企業はエネサーブでしょうが、既にエネサーブは同部門から撤退しましたからね。原油価格の低下により、空運、船などが買われたケースがありますが、意外に陸運などは穴株になるかもしれません。インターネットなどの普及により物流の規模が膨らんでいます。売上は順調に伸びていたのですが、燃費の高騰により利益率は下がっていたからです。他には化学製品や紙パルプなど、多くの原材料メーカーが楽になるでしょう。

株式市場を考える上で、一番重要なことは金利水準を考える事です。金利は全ての産業に影響を与えます。大きな売上を誇る企業ほど影響を受けますね。逆に売上規模が小さく利益率の高い会社は総じて影響は軽微ですみます。物を動かすには必ず金融コストが生じるからです。一番大切なのは時間です。時間が経過すると何もしなくても人件費は嵩みますし、払う給料にも金利が掛かります。効率化社会とは、如何に少ない時間で同じ仕事量をこなすか。ここに尽きるのでしょう。近年、コンピュータや情報システムの真価のおかげで作業効率が飛躍的に改善してきました。わが国の産業界のグローバル化を推進しているのもインターネットなどの成果なのでしょう。産業革命と同じ技術進歩の中で僕らは生きているのです。

Web2.0と言う新しい現象がネット業界で生まれ始めました。SNSのミクシーなどは新しい人との出会いを創設するネット広場の役割を担っているのでしょう。携帯電話とインターネットが融合し新しい生活スタイルが生まれつつあります。まもなくキャッシュレス社会も到来する事でしょう。素晴らしい進化のなかで僕らの新しい創造が社会変化を与えるのでしょう。そろそろネットの業界も、双方向性を大いに生かすビジネスが生まれるのでしょうね。この新しい潮流と旧体制派の巻き返しが市場の焦点になっているように感じます。BRICsの国々でもロシアのように国家権力の乱用とも思われる旧体制の動きもあります。

株式の世界でもっとも重要な要素は、「天の声」時代の流れを読み、その潮流に乗っている企業と共に歩む事です。市場経済で成功する為に他人より早くその流れを見つけ、その流れに乗ることです。ライブドア事件で揺り戻し政策に気づいた人は、その後の戻りを空売りしていた事でしょう。そうしてかなりの利益を得ていたのでしょう。現段階では難しい判断ですが、CRB指数の急落は我々に何を暗示しているのでしょうか? またWeb2.0の新しい変化の中心は、どんな企業が恩恵を受けるのでしょう。