潮流を感じる(2006年09月09日)
昔の株式教室で、銘柄の選別に「天の声」「地の声」「人の声」を重要視して、銘柄を選びなさいと書きました。株の値段は業績で決まります。
1989年にベルリンの壁が崩壊し、世界経済は東西冷戦から市場経済に移りました。東欧の国々をはじめ、ロシア、中国といった大国が、市場経済圏に参入してきました。最近の動向ではサハリンへの関与に見られるように、ロシアは市場ルールを無視するような行動が見られ、中国も似たような傾向はあります。しかし概ね好調な成長を遂げ、BRICsと言うブラジル、ロシア、インド、中国の活躍が伝えられています。
これらの国々はインフラ整備に忙しく、積極的な投資を行っています。インフラ整備といえば、道路、鉄道、電力、水道、通信、などの基本的な生活基盤の確立が急がれますが、この影響を色濃く受けたのが、建設機械業界です。普通、建設機械はこんなに売れるものではありません。ある程度、社会インフラ整備された国は、更新需要だけですからね。ところが、市場経済圏が一気に膨らんだために、力を付けた共産圏の国々が、積極的なインフラ整備に動いているのです。

米国のキャタピラー社、日本のコマツなどは、現在、この世の春を謳歌しているわけです。建設機械界のベンツと呼ばれる製品を作っているわが国の竹内製作所の業績推移は素晴らしいものです。このように大きな視点から、時代の流れを考え、世界経済を思うと、それに関連した業種は選定されてきます。世界経済の潮流と言う表現が相応しいでしょうか?

先の「天の声」と言うのは、そう言う観点の見方なのですね。しかし時代性があっても業績が伸びなくては意味がありません。いくら伸びる業界と考えられても、実際に利益が上がらなくては意味がないのです。
この辺りの感覚が株式の銘柄選択に要求されます。残念ながら、私達には限られた情報しか入ってきません。そうして私達が気づく頃には、既に業績もかなりよくなり、株価も相当上がっている段階なのです。故に、幾つかの推論に基づき、相場の流れの理論を組み立てて、誰もが疑心暗鬼のときに、投資をする賭けに出ることになります。そうして、その賭けが成功するかどうか? 時間の流れと共に、会社の業績推移を追う事になります。市場と言うものは熱しやすく、冷めやすいものです。相場には必ず業績動向に関係なく、期待感が失われる事があります。
そのような時も、自分なりに社会環境や会社の業績動向を考えれば、株価が安くなったときに
不安から買った株を売らずに済み、場合に寄れば、その安値で再び投資が出来るのです。
世界の潮流を読むということは、時代の流れを感じることです。自分の子供の世代と付き合ったり、たまには原宿に行きファッション動向を見たり、常に新鮮な気持ちで先入観に囚われず、自分が理解できなくても、先ず、試し挑戦する。なんでも経験ですね。さて、あなたは、今、起こっている世界の潮流を時代の流れを感じることが出来ますか?