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先導株の動きは重要(2006年08月19日)

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株式相場には常にリード役がいます。一般に先導比率と言う言葉があります。全体の出来高に対する人気上位10銘柄の占める全体出来高の割合を言うのですが、この先導率の高い銘柄の株価の行方は全体相場に大きな影響を与えます。左のチャートを見てください。日経平均株価は6月14日が底になり14045円より反騰し、途中で二番底(7月18日)を入れ、底値を確かめ15.3%上昇し高値を追っています。今の所、ゴールデンクロス(GC)は形成しておりませんが時間の問題でしょう。

一方、業績相場の中核銘柄である加工産業のトヨタは日経平均株価と同じ波動を描き、上昇率は20.0%と順調に戻し相場に入っている印象です。半値戻しは全値戻しの諺を実践しているようで、既に2/3戻しを達成しています。今年後半から来年にかけ新高値を目指す動きに見えます。

個人投資家の人気株ソフトバンクは、残念ながら戻し率は30.9%と一番高いのですが、チャート上は先の高値も抜いておらず、未だに下値確認が出来ない有様です。もう一度、下値を確かめ高値を7月4日の2765円を抜かなくては明確な底打ちチャートとは言えません。一般的な株式は6月14日が安値だったのですが、個人投資家好みの株式の多くは7月19日や楽天のように7月27日に目先の底値を形成しています。

察するに、日経平均株価との違いは個別的に信用買い残の投げが重なった時期が違うので銘柄により底値がマチマチなのでしょう。さて、難しい局面に入りました。全体の戻り相場は一服します。何故なら、乖離率が開いているからです。日経平均株価は、しばらく横這いか下げを演じるのでしょう。そうして移動平均線が上がり目先の利食いをこなす展開になるものと思います。同じように個人好みの株式もずいぶん値戻しが進みましたから、弱含み展開が予想されます。しかし此方は移動平均線の乖離もありませんから、調整が短いのでは?と推察する次第です。

もう一つ、考えられるのは、一度、下を見る展開ですね。ソフトバンクなら1894円を確かめに行く展開です。一度、2000円前後の安値を付けても不思議ではありません。25日線が現在2176円ですから、その辺りが目処になるかもしれません。そのほうがスッキリします。強烈な金曜日の値押さえは、それを狙っている可能性があります。そこが買い場となるでしょう。トヨタなどの一般株はお休み、新興株の戻りも弱含みの展開、来週は嫌な気分に再び落とし入れられるのか? それとも、それ以上に強い動きを示し、一直線に2765円の高値をクリアするのか? どちらの展開も考えられる次第です。

このように、市況を左右する人気株式の動向は非常に重要です。個別株の動きも先導株の行方に左右されます。日経平均株価が安いときに切り上がるのは無理がありますし、余程、強烈な買いが入らない限り難しいのです。個人投資家の動きを左右する売買代金の大きな株式、指標株であるソフトバンクの動向から、当分、目が離せないでしょう。