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業績相場への壁(2006年08月12日)

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業績相場に移行したのではないか?と考える根拠は、第一四半期の好調ぶりで四半期別の達成率(進捗率)が25%を大きく越え、30%前後になっている様子なのです。一次産品の業績寄与度が大きな商社、素材各社は好業績を背景に株価が堅調になっていますが、通常、この時期は素材より加工産業へのシフトを図るべきだといわれています。機械、電機、自動車、精密など…同時に、小型な値嵩株への切り替えを始めるべきだとも云われます。しかし近年はグローバル化になり、既にGDP統計に見られるように輸出などは弱くなり始め、構造改革の成果か…内需の拡大が景気を支えているようです。

所得も増え始め消費が堅調になりますから、その関連株も潤うのでしょう。日本における構造改革の業態変化を考えると、情報通信と金融が一体化の道を歩んでいるように感じます。ソフトバンクの携帯電話の新規参入は、価格競争よりアイディアが問われる勝負になりそうです。技術の先行投資は当たり前ですが、情報の中身はコンテンツが勝負。このコンテンツの良し悪しが情報化社会を左右します。日本のソフト技術はスタジオジブリぐらいのものでしょうかね?

FOXやANXなどのアメリカドラマを見るとコンテンツ勝負なのですが、どうも…アメリカに大きく水をあけられている感じです。新聞・雑誌をはじめ、どうも日本人は情報の価値を判断する能力が乏しいようです。自分で考えることをせずに流され続けて生きている種族が多いのでしょう。GDPがある程度上がると、ものへの要求から精神的な満足度を求める種族が増え、豊かな時間へ投資が進むのでしょう。これまでのマスメディアは一般的な大衆をイメージし視聴率を争ってきましたが、この視聴率の価値観を一変させるような革命がインターネットであり携帯電話なのでしょう。

私は本で「天の声」(時代性)「地の声」(業績)「人の声」(人気)を考え、相場に挑まなくてはならない。と書きました。人の声の人気は天の声に近いもので、むしろ株価の位置と言っても良いかもしれませんね。年初からの新興株の急落は、時代性はあったと思うのです。しかし業績の割りに株価位置は高く、買われすぎていたのでしょう。その時にライブドアショックと日銀の量的緩和政策解除が重なり、仮需の買いが多かったために急落したのでしょう。

しかしその反省をみると2003年の秋の株価位置まで大きく売られ、この売られた株の中から業績推移が確かな将来性のある会社の株が買われるのではないかと推測しております。業績相場に移行したと言っても多くの株が上がるわけではありません。業績見通しが確実な銘柄の株を丹念に拾うのがベストの選択だと思っています。王子の敵対的なTOBのおかげで日本企業は益々業績重視の傾向を強め、自社株の価値を気にする経営者が増えることでしょう。下の益利回りのグラフを見てください。私がここに来てまた強気になっている背景にこの益利回りの動きがあります。M&Aは効率化経営を推し進め、業績の向上に繋がります。

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あとは日本を代表する企業が、次々に大量の自社株買いを実施するような環境が促進されるのか? この動きは今日の日経新聞の「大機小機」の「心配なのは官の巻き返し」のコラムと密接にかかわります。何故、村上は起訴されたのか? 窺った見方をすれば、規制改革・民間開放推進会議議長の宮内さんへの楔でしょう。ライブドア問題から端を発した一連の動きは官の巻き返しの動きなのです。故に次期総裁の心構えが日本の将来を左右するのです。マスコミは繰り返し、繰り返し行政の無駄を追求しなくてはなりません。岐阜県庁の裏金など氷山の一角なのです。

株が2万円を付けるかどうか? そんな事は誰にも分からないのです。業界を代表する日本企業が自社株買いを実施し、配当性向を高め、時価総額を気にする経営をすること。そうして側面支援するために、官から民への動きが活発化し規制緩和されれば、簡単に日経平均株価は2万円を越え、アジアの覇権を握れるのでしょう。しかし今日の「大機小機」で心配されているような形になれば、当然、企業業績は悪化し株価は下がり日本の国力も減るのです。業績相場も道半ば、条件は整っていますが、果たして新政権に改革への実行力があるかどうか?問われる株価なのでしょう。