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二つの要素(2006年06月17日)

株価の決定要因は色んな要素があるのでしょうが、基本的に二種類から構成されているのでしょう。ひとつはその会社の業績などの内部環境は当たり前ですが、もうひとつは株式の置かれている外部環境ですね。金利は大きな要素で他にも戦争や政策など…様々な要因がありますが、基本的に外部要因と内部要因から株価が構成されているのでしょう。だから、どんなに業績がいい会社でも、全体の株価が低迷すれば、上昇波動が鈍くなるでしょうし、全体の株価が下降波動に転じれば、その個別株だけが上がるというのは難しいものがあるのでしょう。

更に業種によってもPERの価値が異なります。食品などは基本的に大きな業績変動はなく、景気の波により売上が大きく変わることもありませんから、株価は安定的で低いPERで評価されがちですね。逆に新しい産業(例えばインターネットなど)は成長力が高く、売り上げの伸びも著しいので、高いPERで評価されるようになっています。売上の伸びが見込めない産業が借り入れを起こし、事業を拡張するのは危険が大きいですね。金利が高くなると、その金利の伸び以上に拡張分野が成長できるかどうか…?

故に木曜日の「今日の市況」で会社四季報の小冊で初期の相場において小型株や成長株が上がるという解説は少しおかしな話だと書いたのです。分かりますよね。金融相場が相場のスタート時点です。この時期は景気が悪く金利が安いのです。故にケインズ理論に則り、財政投融資など、公共事業投資を実施し、需要を喚起します。真っ暗闇の状態から相場がスタートするのです。この時期は金利が安いために、多額の借金を持っている商社や設備投資負担がいる装置産業などが活躍しますね。本来、小型株の成長株が活躍するのは、金利を上回る成長を示せる業績相場後半に金利がガンガン上がりますから、その時にそれ以上に成長する業種が買われるのが筋ですね。

まぁ、このように外部環境の影響を株式は受けるのです。景気が悪くなれば、当然、市況産業の業績はメタメタです。しかし食品や薬品などの需要は景気循環に関係なく見込まれますから、普通は業績相場が終わり、逆金融相場の辺りから、これらの食品株や薬品株が活躍するのが普通でしょう。ところが最近はグローバル化経済になってきていますから、一概に、このような昔ながらの景気循環と物色業種などの関係は、あてにできなくなりつつあります。

今、僕らは恵まれていますね。明治維新に匹敵する環境下に僕らは生きているのです。インターネットと言う情報産業の誕生により、今までの価値観が大きく変わりつつあります。故にチャンスがたくさん転がっていますね。やる気のある人が報われる新しい時代感覚が要求される時代になっているのですね。話しは逸れそうですが大切なことです。

今回の株式の調整は買われすぎた反動と外部環境のおおきな変化が様々な形で株価に織り込まれた現象なのでしょう。昨年来、大きく変われた株価位置でもあり、もっと僕らは警戒感が必要だったですね。しかし日本の置かれた環境は素晴らしいと感じています。官僚社会主義の崩壊が始まっているのです。過剰借り入れ、設備、人員などの旧社会からようやく脱皮し、企業に収益の目覚めが起こりました。過剰借り入れの企業が次々に狙われ倒産し、銀行が収益に目覚めたのですね。

だから無駄を絞る効率化経営が定着し、これまでにない高収益体質が実現されています。鉄鋼会社などは空前の利益なのです。薄利多売のビジネスから収益重視の経営者の姿勢が定着しつつあります。アクティビスと呼ばれる村上ファンドの挫折は痛いですが、株式の持ち合い構造に胡坐をかぐ経営者を外さなくてはなりません。予算を国が決めるのではなく市場が決める考え方非常に重要です。例えばPFIなどなのですね。豊かな市場が効率的な資金配分を実現し社会を構築するのです。その為に自由な資金の流れが必要です。官僚社会主義者達は自分達の特権である予算権を確保したいがために、プライマリーバランス理論を持ち出しているのです。それほどプライマリーバランスが必要なら、国家公務員を半分にすれば良い。みんな民間に移管するのです。これまで駐車違反の取締りをしていた警察官は、今、どんな仕事をしているのでしょうか?

財務省は予算を削ると行政サービスが落ちると言っていますが、必要のない部署の配置をなくせば良いのです。公立病院の赤字は、公務員の為に人件費がネックになり再生が進まないといわれています。公務員は民間の姿を見るべきですね。準看で1200万円も貰っている例があるそうですね。これじゃ再建など出来るわけがない。「不撓不屈」(ふとうふくつ)が封切りされたようです。僕が、昔、読んだ本ですが、この話は実話です。如何に官僚と言うのが横暴かお分かりいただけるのでしょう。

同じ日本人同士、いがみ合っている時間はありません。今の日本にとって、何が一番重要なのか? 適正な資金の流れを作ることは非常に重要な事ですね。僕がボランティアで何年も書いているのは、皆さんに株式を良く知ってもらって、豊かな市場を構築したいと思っているのです。多くの若者が市場に参加する事によって、様々な考え方が株価に反映され、やがて適正な資金配分が決まるのです。

株価を決定する要素は、日本の政策官僚が、市場をどの程度盛り上げるか? ホリエモンや村上の政策逮捕は日本の成長に必要な事とも思えるし、揺り戻しとも取れますね。難しい解釈です。量的緩和解除は正常な経済へのステップでしょうし、今回の株安も必要な過程のように感じます。このような試練が人を大きくします。日本の投資家のレベルが高くなるのでしょう。だから株安も重要です。株価=外部環境+内部環境で構築され、外部環境の中にはホリエモンの逮捕も入るのでしょう。個別銘柄ばかりに目が向きがちですが、実は一番大きなのは、時代の流れと言う外部環境を、どのように自分が解釈するのか?と言うことなのでしょう。

時代の流れが見えれば、豊かになる産業が分かるし、その中で頑張る企業に投資すれば、共に成功の果実を手に入れることが出来るのです。金利水準も非常に重要な要素ですね。全ての源ですから…仮に金利が5%に上がるとすると、成長率は3%の企業は買えなくなりますね。債券投資の方が有利だからです。この考え方はイールド・スプレッドと言う考え方です。分かりますよね。故に相場の初期に小型成長株が買われても、旬を捉えていないから、大きな相場にならないのです。

取り留めのない内容ですが、今日は外部環境と内部環境と言う考え方で株式を捉えてみました。