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騰落レシオ(2006年05月13日)

酒田五法の「相場の形」の続きがあるのですが、今日は今話題になっている騰落レシオを中心に話を進めようと思います。良く日経新聞に25日移動平均の騰落レシオの話が載っています。もともと、指数には多くのものがあり、どれを採用するのか? 人それぞれです。一般的には移動平均線が主体で、その乖離率により株価位置を見るケースが多いのでしょう。(下のグラフ図)中長期的には26週線や13週線が主体のなるのでしょう。最近は短期で売り買いをする投資家が増えたために、市場の解説なども短期的なものが多いようです。しかし考えてみれば分かりますが、株式も投資なのでお金を調達して、そのお金を使って利益を生む作業の一つなのです。だからイールドスプレッドと言う指標は重要ですね。何故か、日経はこの基本的な考えを広く用いてないようです。

話しが飛んでいますが、不動産の価格が何を基準に止まったのか? ご承知のように地価は90年代を通じて一貫して下がり、最近、大都市では下げ止まりの傾向を示しましたが、多くの地方都市は未だに地価は下げています。何故、大都市の地価が下げ止まったのか? 歴然とした基準があり、収益還元法と言う尺度で地価を捉えた為です。その為に、債券と同じように土地を証券化し「リート」と言う商品が生まれ、大都市の地価が止まりました。その土地を手に入れ、賃貸マンションや貸しビルなどを作り、いくらの収益を得られるか? 現在のリートの利回りはおおよそ3%台でしょう。しかし金利が上がり続け5%になったら採算割れになりますね。(地価の値上がりを考えない)故に商品の魅力が薄れます。

土地が見境もなく上がり続けるのは、大量の需要が生まれるかどうかに掛かるのでしょう。日本が移民を受け入れれば、地価が上がる可能性が出てくるでしょうが、現在の出生率を考えれば、収益を生む土地と生まない土地の二極化は避けられないでしょうね。便利な都市部の地価は安定し、地方の地価は一人あたりのGDP評価に影響されるのでしょう。地価の話しは兎も角、株も金融商品でも調達金利が微妙な影響を与えています。故に日銀が量的緩和をやめた影響で、海外のヘッジファンドは運用条件が難しくなっていることでしょう。

益利回りと長期金利の差がなければ株式を買う意味が薄れます。PER25倍と言う水準は4%の益利回りになります。現在の長期金利は2%弱です。景気回復期待がある現在、未だに鞘が抜け、充分、株式を買える根拠がある事になりますね。益利回りはPERの逆数です。日経新聞の指標欄に掲示されていますから、時々ご覧になり株価の水準を確かめられると良いでしょう。株式はあくまで投資の商品なのです。材料は金利で売上が株式、株式を売って売上を計上し、原材料費を引き、収益があるかどうか? それがイールドスプレッドの考え方です。当然、金利が4%を越えると採算が合わなくなり、株価は下がらなくてはなりません。…が、ここで経済成長率が問題になりますね。GDPの伸び率が高ければ、金利が高くても良いのです。中国のように)9%成長が続けば、5%でも6%の金利でも充分採算があう事になります。

少し素人の人には話が難しいでしょうか?
指標にはそれぞれ意味があります。日経新聞に良く載る指標の一つで25日平均の騰落レシオがあります。一般的には120を越えると過熱し、70を下回ると割安とされています。記憶によれば、90年代の騰落レシは40台があり上は160台まで付けたことがあると思います。騰落レシオとは値上がり銘柄数を値下がり銘柄数で割ったもの。25日平均ですから25日間の値上がりと、25日間の値下がりを、それぞれ足して、割った数字を表したものです。市場参加者の投資心理を数字化したものと思えば良いでしょう。

景気動向はプラス成長しているわけですから、本来は常に100以上の数字を示しても不思議ではありません。その動向を受けるように、ここ数年は高い数字を示しているようです。当たり前ですね。現在の上場会社の来期業績予想は10%のプラス予想です。73に下落した数字を客観的に見れば、この数ヶ月でかなり安い水準に株価があると見ていいですね。下の日経平均株価と騰落レシオの推移を見てください。(上の数字が25日騰落レシオ、下の数字は25日移動平均の乖離率を示しています。)

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数字をあまり過信してはなりませんが、なにやら、この辺りを下値に株価はボックス圏内か再び上昇するのか?どっちかに見えますね。既に多くの企業が今期の業績を発表し、数字が固まってきました。既に株式市場は次の焦点の中間期の数字に関心が向かっています。中には追証寸前の人もいるでしょうが、あまり悲観される必要もないでしょう。チャンスなのです。