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コラム

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クロトン効果はアノマリーを凌駕できるのか?(2013年05月03日)

最近のテーマは、「クロトン効果」は「アノマリー現象」を超えられるか?…と言うものです。株式市場でよく言われるのが「5月には株を売れ」と言うジンクスです。この言葉は米国でも、日本でも共通のものらしいですね。統計学上のデータから推計すると、5月に株価は調整に入ると言うものです。これは理屈上も正しいと思われます。機関投資家などのポジション調整が一巡する意味もあるのでしょう。しかし…今回はこのアノマリーと呼ばれる現象が起こるのか? 多少、違和感を覚えている次第です。その理由は、稀に見る歴史的な実験がこれから敢行されます。「異次元緩和」の実施と言うクロトン効果です。4月は金融界の対応が出来ていない為か…長期金利は上昇し住宅ローンに影響を与えています。これは日銀の予想外のクロトン攻撃が原因ですね。混乱する市場を見ると分かります。一時的に積み上がる当座預金残高への金利0.1%をなくすと一体どうなるのでしょう。

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FRBは事前に金融界に準備の時間を与えています。最近は資本比率の引上げが話題になっていますね。欧州筋が一番遅れていると言われ、ドイツ銀行は28億ユーロの増資を実行するとか…更に劣後債の20億ユーロの積み増しも目指しているようですね。このFRBの動きは景気動向に影響を与えます。GSEの改善と財政の崖の話は、微妙なバランスの中で進行していますね。最近の統計数字を見ると、政府系の予算削減から与える動向は無視できない現象にも見えます。

皆さんには、この辺りのバランス感覚は、理解されないかもしれませんが、非常に重要なのです。個人的な小さな変化は取るに足らないものですが、マクロのレベルでは大きな変化になって現れます。その変化が人々の心の変化に影響を及ぼし、相互作用が増幅され景気動向の形が決められていきますね。きっと、分かり辛い解説ですね。これは…私自身がピンときている訳ではなく、最近、この微妙な風と言うか、出来事と言うか…が、全体の大きな潮流に影響を及ぼしていると言う事に、気付き始めています。カオス理論ですね。NYで蝶が羽ばたくと…日本で台風になるとか…言う現象ですね。カオスの世界の話は、微妙な心の変化が生んでいる自然や人間心理の動きを示しているように感じています。

結果論から言えば、故にクロトン効果がアノマリー現象を凌駕できるか、分からないのです。だから市場の動きを見ながら、自分の投資戦略を決めていくことになりますね。何故、カタルが事前に自分の相場観に従い、最大値の投資をしないか? 例えば…最近の事例を参考にして話を進めましょうか…。007を事例に掲げますね。この株は過小資本銘柄なので、本来は簡単に値動きが増幅されます。ところが…今回の値動きは実に鈍いですね。理由は2010年の動きにあるのでしょうが…本来は簡単にストップ高する規模の会社です。かたるは村田との資本提携をみて、最初から2010年の高値の株価を抜き、上場来高値を目指すと…当初から考えていました。何故なら、外部環境を含め、こんなに条件がそろった事は、過去にないからです。上場した2007年より、2010年より、今回の方が恵まれた環境下にありますね。

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しかし実際のカタルの行動は、市場動向を見ながら株を買っています。実は4月22日、23日、24日の20万円台の一時的な動きと出来高のバランスから、今回の飛び出しは容易に想像できていました。極めつけは26日の動きですね。非常に優れた動きでした。信用規制が解除され、短期筋が買いを入れましたが…なんと引けは前日比でマイナス圏まで下げますね。この時の出来高が7624株です。この動きは決定的な変化を示しています。その翌日に、僅か2174株で199700円まで戻し、引けもプラス圏で終わったのを見て…、カタルはボックスを抜けると判断しイカルスを飛ばしました。宇宙ヨットのイカルスは、光子を動力源として飛行します。光の速さまで加速されますね。この帆が見事に宇宙で広がった時の感激は、関係者にとって…いや人類にとって素晴らしい一歩ですね。カタルは確信のある実験に対し「イカルス」を使用することにします。今の僕にとって1株は大切な金額です。まぁ、少し前は一晩で消えるお金でしたが…。

そうして、久しぶりの20万円乗せは…時機到来を示していました。故に金曜日も1株の実験を実行し、おそらく月曜にも…今度はおそらく指値を用いるのでしょうが…。実験機を飛ばす予定ですね。それでは、何故、最初に買えるだけ買えば良いじゃないか?…当然の疑問が湧きます。村田の資本参加を見て、最も安い買いは6万円台なのですね。何も20万円台で買わなくても…最初から全力投球して買えば良いと言う発想も成り立ちます。確かにそうなのですね。しかしカタルは市場原理主義者なのですね。自分の考えが、市場から必ず承認されるとは限らないのです。これまでに何度、騙されてきたことか…。更にカタルの読みが当たっても…時間が掛かるケースが多く存在していました。その為に、折角のチャンスを生かし切れていないのです。それならば…市場動向に合わせた投資方法の方が正しいのではないか?と、最近は考えています。だから市場の動きとカタルのイメージが合った時に、投資を実行する。「相場は相場に聞け」と言う格言の意味が、ようやく分かりかけてきたような…気もしますね。

このような実験を繰り返し…投資を実施しています。以前、カタルは2回の失敗を繰り返していると…グリーを高値で買って安値で投げた話をした時に、読者から、何故、折角買った株を投げる必要があるの?との疑問メールを頂きました。カタルは投下資本効率を上げる為に、信用取引を実施しています。投資テクニックの為に一時的に下値の玉を売り、利益を確定させ、その利益を加えて更に建玉を膨らましています。故に自分の相場観とズレた市場の動きを見て…自分の相場観を常に修正させています。その為に本来は必要のない損切りをする場合もありますね。その行為を文章で説明するのは、非常に難しく無理があります。所謂、相場テクニックの話です。

これだけの大相場なので、普通のやり方なら、既に10倍程度は資産が増えているのが当たり前でしょう。ところが僕は一度、失敗をしています。途中で大きく損切りと言うか…しなくても良い利食いを実行したのです。それはゆとりがなかったからです。もしさらに下げたら…自分の想定外の下げが来たら…耐えられるかどうか…自信がなかったのですね。懐が厚く、常に信用建玉を現引き、つまり現物に変えられる資金力があれば…何も損切りを実行する必要はなかったのですね。あのリスク回避の行動が、カタルの投資効率を決定的に引き下げています。

現在はあまりお金もないので…カタルは元本の2倍程度の資金量を引き上げ、残った儲けだけで運用している次第ですね。…と言っても、かなり資金量は増えてきましたが…。まだ10倍までは行っていませんがね。実に下手糞ですね。J・TECだけでも簡単に10倍になりましたね。ケネディクスだけでも、充分な効率投資になりますね。僕はピカ一評価の007で実験を繰り返しますが…。人ぞれぞれ、選択はいつも自由なのですね。明日の株式教室では「3Qの謎」(続編)を採り上げる予定です。