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メディアの皆さんへ(2013年03月10日)
雇用者統計が良好だったと…米国経済回復が伝えられ、円安が加速している様子です。統計資料の見方として歴史観を捉える為に、長い期間の観察が必要ですが…日銀のように歴史観を重視しない組織もあるようです。日銀の統計資料を見ると、貨幣に対する認識が時代の変遷で変化している為に、時代に合わせようとするあまり、期間の長い資料が整備されていません。あるのかも知れませんが、いつも使いにくさを感じます。米国でも基準を変えているのですが、長い期間の修正がなされているようです。
日経新聞には早くもFRBの金融緩和出口論が掲載されています。つまり過剰の金融緩和を止めるべきだと言う良識派の保守的な意見として掲載されているのでしょう。しかし2006年の日銀の金融政策の失敗について誰も語っていません。少なくとも日経新聞では批判記事を見ませんでした。日経新聞の記者は、昨日、カタルが「株式教室」で書いた「水が高いところから低いところに流れるように、お金は金利の低いところから高いところに流れる」と言う基本認識を理解している記者は、一体、何人いるのでしょう。
一見すると…、小学生でもわかる理屈ですが、リスクと言う概念が働き選択に迷うのですが、この基本認識を日経新聞の記者も、実はよく理解してないのです。だから2010年にダヴィンチがスポンサーを得る事が出来ずに、上場廃止に追い込まれたわけです。金子さんの悔しさが、よくカタルは理解できます。日経新聞は、常に間違って世論を誘導しています。今回のシャープの報道も似たような欠点が見えます。まぁ、日経新聞に限らず、朝日も、読売も似たようなものですが…。世論を煽り太平洋戦争を始めた反省も出来ていないようです。大新聞の編集長は役員でしょうが能力がありませんね。国家の大勢を動かしている認識に欠けています。だからデフレ環境が20年以上も続き、失われた時代が続くのです。

さて冒頭の米国出口論の記事を、時々見るようになっています。確かに統計資料を見れば改善はしていますが…2000年代の失業率は高い時で6%台です。今は改善していると言っても7%台の後半ですね。更に米国金融株は上がっていませんね。つまりバブルの状態ではないのです。物価が上がりインフレで苦しんでいますか? シェールガスの恩恵もあり落ち着いています。もっと経済を加速させ、GDPを5%、7%と高めるチャンスですね。何も3%程度が良い訳じゃないのです。高いほどいいのですよ。可処分所得が膨らみ、先進国には一大チャンスが生まれているのかも知れませんね。
カタルの基本認識は、ベルリンの壁崩壊とインターネットなどの情報網の発展により、先進国主体の経済の輪が広がり、新興国が躍進したのですね。今度は追い付かれた先進国の順番だと言う発想も根底にあります。上場企業は怖くて投資を見送ってきましたが、安い労働力を超えるチャンスが来ています。「みちびき」と言う言葉を示したら…、この言葉だけでピンとくる人は、たいしたレベルですよ。そうです。インターネットで「みちびき」を検索すれば「準天頂衛星初号機「みちびき」は運用系並びに待機系の計2台のルビジウム原子時計を搭載する冗長構成をとっており、そのうち運用系のルビジウム原子時計を使用し測位信号を生成しております」解説がトップで検索画面に上がってきますね。
日本はもっと早く成長戦略を進めなくてはなりません。日本のロケット打ち上げ技術は世界トップ水準に、もう少しで肩を並べます。しかし残念ながら、米国と大きく違うのは民間が主体になってないから駄目なのですね。JAXAの予算は政府が出していますね。この発想が米国と大きく違います。カタルが郵政民営化を支持したのは、硬直化した資金配分を変える必要があったからです。今でもルネサスの再建に投資をしています。民間資金を押しのけて政府がしゃしゃり出てきました。小さな政府と自由を求めるマネタリストの考え方と基本構造が大きく違います。どちらが良いのか? ハッキリしませんが、政府は糸口を作れば…あとは民間に委ねるべきでしょう。今回の失敗である「長い失われた時代の背景」を考えると、頭のよかった筈の政策官僚の失敗ですね。政治家に負け硬直化した予算配分を間違い続け「どぶ」にお金を捨てています。そうです。総資産経営であり、規模の拡大を重視している新日鉄のようなモノづくりの考え方をメディアも支持しています。しかし現実はどうでしょう?みんな負け組ですね。世界最先端だったはずのテレビも半導体も…みんな、世界競争に負けました。
理由は基礎的な発想が大きく間違っているからです。そうです画一化教育を廃止して、自由な発想を取り入れる評価基準に変えねばなりませんね。何故、ユーキャンなどの資格会社が儲かりテレビCMを打てるのでしょう。おかしなマニュアル社会の現実があります。通信会社のマニュアル営業には、金融機関のマニュアル営業にはうんざりします。規則、規則…。人間を忘れた、人間の尊厳を無視した社会構造が、どうも個人情報保護法案辺りから生まれたように感じます。確かに犯罪を防ぐ効果もあるでしょう。しかしそれ以上に日本の競争力を奪っているのがマニュアル社会ですね。優秀な人間が呆れかえり、みんな日本を離れます。
朝日新聞さん、日経新聞さん、あなた方が世論を作っているのです。NHKなどのメディアが正論の基準を作っているのですね。あなた方の認識が間違っているから、白川さんは2010年10月に初めて「包括的金融政策」に踏み切ったのです。この意味を…何人の経済記者が知っているのでしょう。先ほど、カタルは「みちびき」の話を用いました。あの話が成長戦略に繋がる意味と、理解できる人はメディア関係者で何人いるのでしょう。あなた方の発想力の無さが、日本の失われた時代を永遠に創り上げているのです。竹内洋岳さんと一緒に山でも登り、1週間でも一緒に彼と過ごせば、考え方も変わることでしょう。彼は素晴らしい発想を持っています。山登りは想像力だと…そうして平等だとも述べています。
先進国のGDPは飛躍期を迎えています。
「みちびき」は農業機械の無人運転をやってくれます。額に汗して働く生産性と…頭を使う生産性は、どちらが高いのでしょう。日立やパナソニックやソニーは…シャープは自前で数千億円も使い液晶工場を建設し、投下資本も回収できないまま、償却を迫られ無駄なお金を使いました。「ものづくり」などと…メディアが宣伝するから…ファブレスのアップル戦略を模倣できなかったのです。二宮尊徳の銅像論を持ち出すから、金融機能を馬鹿にして不労所得と蔑むから…失われた時代が続いたのです。ダヴィンチの金子さんは、お金が金利の高いところを好むことをよく知っていました。そうして行動に移しました。しかし…ライブドアの堀江さんのように、自分達のものさしが間違っているにも拘わらず、ふるい基準を持ち出し「ものづくり」という時代遅れの尺度を美化する余り、失われた時代をメディアは築き上げています。今はNASA(National Aeronautics and Space Administration)は消え、民間企業のヴァージン ギャラクティック社が活躍する時代なのです。20万ドルで宇宙へ…。最初の宇宙旅行はこんなものでしょう。
さて「みちびき」、「包括的金融政策」の価値を理解していれば、成長戦略を理解でき、先進国の成長力が上がる理由も、自ずと理解されます。健康保険適用に、歩行支援ロボットが間もなく採用になります。先ずは介護の世界から導入すればいい。やがて家事ロボットがホンダから、村田から発売されるかもしれません。「みちびき」の後続機をあと数機、宇宙に上げれば、農業機械の24時間活動は実用化を迎えますね。コマツのブルドーザーは無人で動くのです。包括的な金融政策の導入から、2年して、ようやくリートの規模は拡大し始めています。カタル銘柄の「タカラレーベン」も「松屋」も大きく上がり始めましたね。行き過ぎた資産デフレが解消されはじめ、やがて資産インフレに切り替わる切っ掛けは、2010年10月の包括的金融政策だったのです。しかし…あまりに下準備が長かった。
額に汗したフローの所得が、資産デフレで消えていたのに…。日銀は1989年からようやくスタンスを変えたのが、2010年です。ダヴィンチの金子さんはさぞ悔しいでしょうね。馬鹿なメディアに翻弄されて…お金が高いところに流れる仕組みを、メディアの間違ったアナウンスによって、彼等は逆流させていました。そうです。ROEの高い企業のPERを、ROEの低い企業のPERより高く評価すれば、日本のお金の流れは変わり始め、「効率的な付加価値」が生まれ始めるのです。きっと多くの日経新聞の記者も、朝日新聞の経済記者も、お金の流れが理解していないのでしょう。だから世論を間違った方向へ誘導しているのですね。政策の責任は、メディアの責任でもあります。能力のない人間が如何に、日本には多いのでしょう。竹内さんの「想像しながら山を登る」という意味を少しは理解して欲しいものです。