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選択が進化を促す(2013年03月17日)
今日は嬉しいと言うべきか…こんなものでしかないと言うべきか、近年では、久しぶりに株式教室の土曜日の閲覧者が4000人を超えました。平日は5500人程度なのですが土日は大きく落ち込み、3500人程度が常態化していました。これもNHKのおかげかな? なにしろNHKは外人投資額が1兆円を突破と…世論を煽っていましたからね。主体者別売買動向の数字は此方から…、僅か1週間で1兆円もの投資をしていますから、一連の作業が浸透してきたのでしょう。マネタリーベースの増大が期待インフレ率を高め、信用創造機能が復活している現象ですね。2月の最終週の不動産株の嵩上げが生んだ成果でもあります。だから金曜日の相場は駄目株の代表格のソニーの純資産価格奪回の動きが出ていましたね。
昨日の株式教室では実体経済と金融経済は、鏡の関係で表裏一体と述べました。その動きはこの1週間の投資行動です。この1兆円の投資行動を見て、経営者は設備投資を考えたりするのです。TPP参加の姿を見て国内投資も膨らむでしょう。国内産業の生産設備は古くなっており装置産業では…事故が多発しています。予防保全の考え方は、何も道路やトンネル、橋だけでなく、我が国の生産設備も寿命を大きく超えているのです。東ソーや三井化学、コスモ石油などの爆発事故等も、生産設備の老朽化が指摘されている面もあるようです。こんな事象にも、相場の切り口は存在します。相場は壮大なスケールの入り口に位置している理由は、至る所で見られます。
ITSを利用したサービスは渋滞を防ぐことでしょう。わが国の交通渋滞を防ぐノウハウは世界一流でしょう。時々、歩行者や自転車、車などの通行量を計測するアルバイトの姿を街で見かけますが、彼らの地道な統計数字が信号機の長さを変え、渋滞を未然に防いでいます。更に信号機にはセンサーが取り付けられており、通行量が少なくなった夜間などはセンサー機能により信号機の色が変わりますね。このような技術も日本の素晴らしさの一つでしょう。カーナビを利用した渋滞のリアルタイムの情報の検知から、カーナビゲーションは最短時間で目的地に行く道を、指示するようになるでしょう。様々なサービスが入り口の段階にあります。介護の世界で歩行支援ロボットが、ようやく導入されます。既にホンダなどは自動車などの開発より、ロボットに比重を移し、家事ロボットや歩行支援や肉体労働者向けの支援ロボットを発売すべき段階でしょう。引っ越しのおじさんがロボットスーツを身に受け、楽々とピアノを運ぶとか…冷蔵庫や洗濯機を運ぶ時代もやがて来るでしょう。
さてこのような夢の技術を支えるのは、実体経済だけではなく、金融機能が支援をしないと経済が動きません。ソフトバンクは金融の力でスプリントの買収に乗り出すのですね。借り入れや社債の発行が、実体経済を動かしている事例でしょう。経済は実体経済と金融経済によって成り立っている様相が良く分かると思います。さてアベノミクスの欠点は何でしょう。ようやく外人投資家にも期待インフレ率が波及し始めています。金融緩和だけでは早晩、景気は息切れを起こします。財政支援である税制補助、農業分野だけでなく金融面や不動産取引に対しても必要でしょう。何より、付加価値の高い新産業戦略がないと名目DDPを押し上げる事は出来ません。
GDPの解説が必要ですかね。皆さんには…。三村さん批判をするのは…彼ら化石時代の人間が日本を引っ張っており、間違った方向性を支持しているから、失われた時代が長引いているのですね。メディアの編集委員達の責任でもあります。日本の製造業の売上高営業利益率を見て下さい。みんな10%未満です。5%程度はザラに存在しますね。「ものづくり」は大切だと言う、間違った認識を過剰に与え、金融所得を不労所得と蔑み、卑しいお金と区別する日本の社会風潮の責任でもあります。その為に過去、日本は額に汗して稼いだお金を、10倍も100倍も、いとも簡単に外国人に持って行かれていますね。GDPとは付加価値の合計であり、原材料費を除いた売り上げです。自分の努力が生んだお金の合計を示します。パン屋さんなら、小麦粉などの材料費を除いたものですね。だから売上高営業利益率が大切なのですね。2011年新春号では、グリーの従業員数は216名年収が400万円となっていますが、最近号では2065名の年収が751万円になっていますね。なんと10倍の雇用を生み、尚且つ所得は2倍近くまで増大しています。当然可処分所得は大きく増えますね。多くの識者が毛嫌いをするゲームの世界の話の実話です。
今の世界で希望のある名目成長率を語れる世界は、ゲーム産業ぐらいのものでしょう。他の産業は全てデフレの実質成長率の世界です。僕は6か月間新聞配達をしました。最初は150部程度の世界です。体が慣れるに従い200、250と上がっていきますが、最後は320~330程度が限度だったですね。午前6時までに配る部数の話です。それでも月給は25万円の世界の話です。年収では300万円の世界です。建設作業者は若干上でしょうが…建設労務者のお金をピンハネするほど単価は叩かれており、カツカツの様相が見えます。だから東北復興の予算が付けられても、なかなか進まないのでしょう。この世界は400万程度でしょうかね? 一般の作業は500万円程度が限度なのでしょう。一部上場企業でも1000万円の年収は遠く難しいのが現実です。高級官僚の幹部クラスでもせいぜい2000万円です。
日本の少子高齢化を支える産業を育てないと…売上高営業利益率が5%の世界を、いくら育てても、可処分所得を増やすには限界があります。付加価値の高い産業のゲームは、当初はこの比率は50%を超えていました。現状は30%の世界です。携帯端末のソフト開発者の年収は1000万円を超えるとも言われています。
何故、ナノキャリアは季節感が合わないのに、上がってきたのでしょう。J・TECは、確かに素質は良いのですが…何故、スター株に育ったのでしょう。理由はIPSなどの遺伝子技術の進歩を加速させるために、資金を集める目的かも知れません。多くの人は市場を勘違いしています。市場は資金調達の場ですね。その優先順序を決める作業の場なのですね。嘗て、野村証券は京都でトランプやかるたを作っていた会社の資金を助けました。最初は「ゲーム&ウォッチ」と言う小さな手帳サイズの画面が付いた時間が分かり、簡単なゲームができるおもちゃを販売したのが切っ掛けでした。任天堂がファミコンを発売しドンキーコングを売り出した時は…マリオのような人間がキングコングに囚われたお姫様を、階段を上って行き助けるゲームで、ゴリラは樽などを上から落とし邪魔をすると言う単純なゲームでした。中小企業の小さなカルタの製造会社の頑固者おやじの山内さんを、支援したのが野村証券ですね。資金を作り世界の任天堂に育てて行ったのです。500円の株価を1800円前後で公募させ、更に8000円程度だったかな?また資金を与え、海外進出を支援しました。トヨタもソニーも、そうやって大きくなったのです。
実体経済と金融経済は、助け合い相乗効果を生んでいきます。日本にIPS細胞を利用した医療技術の開発が必要だから…、付加価値が高いから、臓器が簡単に作れれば移植も進みます。脊髄損傷で車いす生活の人に生きる希望を与えますね。だからバイオ関連株を高く放り上げないといけないのですね。日本の未来の産業の為に…、同じように付加価値を提供する産業を育てねばなりません。ルネサスが米系ファンドに買収されるはずでしたが、産業革新機構が中心となり、経産省は支援しました。何故でしょう。そうです。車のマイコンは成長分野で付加価値の塊なのですね。汎用品の半導体に動く命令を与えるソフトを備えた産業を、経産省は重点分野として育てようと試みている産業です。総称して、この産業を「組立ソフト」と呼ばれています。
パワー半導体は交流を直流にする、電圧を5Vや3Vに降圧するなどし、モータを駆動したりバッテリ充電したり、あるいはマイコンやLSIを動作させるなど、電力の制御や供給を行う半導体ですが、広い意味で組立ソフトの範疇でしょう。電気を切ったり入れたりする単純な作業から、演算をしたり電流を制御したり、どんどん半導体は賢く進化して行っています。エアコン見れば分かりますね。温度センサーと組み合わせ、機械が生きているように室温管理をするようになっています。車の電子化は進み…今では自動運転する機能を完備するように進化しています。これらを動かすのが組立ソフトの世界の話です。経産省の資料からこれらのイメージ画像を見つけました。頭に叩き込んでください。


さて、いよいよ本題の007が必要とされるユビキタス社会の産業のコアであるのは、組立ソフトの開発だという時代背景がご理解いただけると思います。どんどん家電は人間化して行きます。考えて行動するようになりますね。スマフォの進化を見れば分かります。冷蔵庫は、電子レンジは…洗濯機は…どんどん進化していますね。その進化を支えるのが組立ソフトだという事がご理解いただけると思います。狙いは車、しかもカーナビは外部とのやり取りを交え、進化はさらに進むでしょう。村田製作の得意分野は汎用品のコンデンサーで、電気を蓄えたり放出したりする受容体素子の小型化が得意分野です。しかし付加価値率は非常に低いのですね。単価が安い為に余り利益が出ません。それでも世界最先端を走る企業ですから、生産設備の合理化を実現して売上営業利益率は10%近くを確保しています。村田の社長は更に何を考えますか? インテルの売上高営業利益率は27%です。村田の社長なら…当然、この差を縮めようとしますね。その為に必要なものは何か?…を考えます。
一方、開発要員25名の弱小企業の007は、世界から相手にされません。知名度がないからですね。製品への信頼感がないからです。もし大手が応援したら…QBの採用はもっと広がっていたかもしれません。此方の映像が当初、カタルを007の虜にしたのです。切っ掛けですただその後、QBだけが高速起動の技術ではないことを理解するのですが…。他のSQLの技術はどうでしょう。WiFiの技術は世界NO1の折り紙を任天堂から獲得したのですが、ブルーレイなど僅かな採用に留まります。ソフトの開発は時間との戦いでもあります。
何故、カタルが007をカタル銘柄に選び、推奨しているのか? ご理解いただけますかね? 銘柄選別は会社側の業績数字を読み、その数字の増大に賭けるゲームのようなものですが…実体経済が金融経済に反映されるのが、株価だと一方通行の発想をしていませんか? アベノミクスに大きく欠けるものは成長戦略です。その成長戦略とは何か?少子高齢化を支え、少ない労働力で増大する年金生活者を支える為に日本には何が必要でしょう。その為には売上高営業利益率を上げる作業が必要なのですね。単純労働の世界の年収はどんなに働き、どんなに頑張っても500万円が限度の世界の話です。鉄を作り売上利益率が5%にも満たない産業は、中国にくれてやればいいのです。薄板鋼板の技術がいくら高いと言っても知れています。それより炭素繊維を普及させた方が良いですね。炭素繊維は日本が世界へ独占的な供給を果たしています。加工技術が難しく、普及がこれまでは進みませんでした。しかし加工技術は進化し、燃費などを考慮すれば必要な産業でしょう。
少子高齢化を支える付加価値の高い産業を育てる事に金融力を使い、その開発支援の資金を新分野の産業を育てる為に割り当て、バイオ株を高く放り上げ、組立ソフトのような付加価値の高い産業を大きく育てることができれば、日本の少子高齢化を支える事が出来るかもしれませんね。既に車は汎用品、その分野でも頭脳分野の世界トップシェアを確保するためにルネサスエレクを助け、ナノキャリアの資金調達を助け、007のような組立ソフトの会社を世界有数の企業に育てる事が出来れば、日本の年金生活を支える原資が確保できるかもしれません。金融経済が実体経済を支えるのですね。株式市場には必ず両面が存在します。ソフトバンクの成長を金融の力で支えるのですね。そうして僕らの年収を500万円から1000万円にすれば、2人で1人の年金生活者を支える事が実現するかもしれません。
フランス革命も、ベルリンの壁崩壊も時代的な背景が存在し、技術進化が人類の進歩を促進させています。人間の生活が単純労働から解放され、付加価値の高い産業へシフトするからですね。株を買うと言う行為は、我々の資金配分を決めている行為なのです。日本株が上がりそうだから、儲かりそうだから日本株を外人投資家は買うのですが、その資金が新しい産業を育て大きく育成するのです。故に付加価値の高い新規産業分野の株は、自ずと市場から高く評価されるのが常識でしょう。現状は見えない利益で確認されません。しかしその資金配分は、我々人間が握っているのです。どの産業を育てようとするかによって、われわれの未来が決まるのです。今、あなたが投資した資金が、日本経済を支えているのですよ。明日の世界は我々の手に握られています。人生は冒険なのです。