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景気循環と株価(2013年03月03日)
米国の強制歳出削減策とシェールガス効果の綱引きが行われることになり、現在までは市場はシェールガス効果に軍配を挙げているが、FRBの金融緩和停止問題も今年は絡み、微妙な段階を迎えていますね。米国の金融界は、依然リストラを続行しています。つまり正常な金融機能が動かないことを示しています。僕は今でもベンチャーリンクのビジネスモデルは生きていると考えています。しかしあの時に金融支援する体制になっていなかったのでベンチャーリンクは敗退しました。土壇場に追い込まれた人間は強いもの。それを支援すべき社会のゆとりが大きく欠けています。残念ながら必要もないところに、財政投融資資金を使った産業革新機構なる機関がしゃしゃり出ていますが、本来なら民間のファンドの出番の筈、ルネサスなどは外国資本が手を上げていたわけですから政府の出番はない筈ですね。ここが不可解な所です。日本人の村論理とグローバル基準が対立するわけですね。
先ほど、ページビューの購読者数を見ると、土日は大きく落ち込みます。約40%近く落ち込むようです。何故でしょう。おそらく現役の証券マンなどが閲覧する為かな?と推測しています。僕の経験を糧にしてステップアップして欲しいと願っています。日本人の教育は、生きた経験値を伝える人間が少ないですね。みんな偽物です。僕の知識レベルや方向性は、失敗をしているから一流とは言えませんが、かなり良い線に来ていると思います。今はあと一歩の壁が乗り越えられません。市場の評価が洗練させていないとも思う事があります。例えばガンホーです。ガンホーは高PERで評価されていますが、サードパーティは存在しますか? グリーやDENAは囲い込みが済んでいますね。まぁ、今日は話題の主眼が違うし、この話しは長くなりますから。又にしましょう。
さて今日は「景気循環と株価」の関係の話ですね。基本構造は単純です。景気循環には一つの流れがあり、上下に振れています。つまりGDPの成長率と述べても良いでしょう。この景気循環の目安を何処に置くかにより、見方は分かれますが…名目GDPや実質GDPなどの数字にも表れます。様々な指標が存在しますが、一般的な景気認識のひとつである日銀短観を、ここでは取り上げましょう。「業況判断指数」と言う民間企業にアンケートを実施して回答を求め、指数化したグラフです。下のグラフは日銀が発表しているものです。基本的に、このグラフの山が景気の好調期間で、谷が不況の時期を示しています。そうして紫色の帯が景気後退期と日銀が判断した時期ですね。ただグラフが下降に転じる前に既に株価は下がっています。日銀と実際の判断は大きくずれています。

どうですか? 基本的に株価と景気動向は一致して動いていますね。1989年に株価は大天井を打ちました。この時期の山は大きく、高いですね。2006年もマズマズですが、非製造業の方を見ると、より良く実態が分かります。果たして2006年の山は良かったのかどうか…。僕らは日本国に住んでいますから、サービス業などがアンケートに応えている非製造業の方が、僕らの景気認識の実感です。
さてこの景気動向に従って日銀や政府は動いています。そうして不況期には金融政策や財政政策を実施するわけです。昔は金融政策の手段と言えば、公定歩合操作や公開市場操作、法定(預金)準備率操作などが、金融政策の3大手法と呼ばれており、なかでも公定歩合操作が代表的なもので、それだけ実施すれば大概は良かったのです。財政政策も公共事業投資を増やせば、民間需要は回復してきました。しかし1989年のバブル発生と崩壊は、我が国の根幹を壊しました。米国の庇護の下での「まやかし成長」(固定資本形成を主流にする信用創造)が通用しなくなりましたね。この解説は長くなり、これまでに何度もしていますから、今日は解説を省きます。下の表は代表的な手法をまとめたものです。

さて昨日も登場させましたが、株式相場も景気循環にも季節感が存在します。景気循環も春夏秋冬と四季があり、株式相場も同じように四季が存在します。それは企業業績が景気循環により大きく振れるからです。その関係をまとめたものが、故浦上さんが纏まられた「相場サイクルの見分け方」と言う表ですね。このアイディアは今でも通用する部分が多く基本構造なので、頭に叩き込んでおかねばなりません。基本は政府の財政支援や日銀の金融支援で需要が回復すると、企業はもっと儲けようと設備投資をします。そうすると人手が不足し人材を募集しますね。当然、賃金も上がります。賃金が上がると可処分所得が増え、購買力が上がるので更に需要が増えますね。この好循環が景気を支えGDPを増やしていきます。その景色図がこの表には表されています。

昨日、カタルの相場観の修正の話を展開していますが、今の景気の季節感は冬から春です。アベノミクスの登場により春を迎えつつあるわけです。この表では逆業績相場から金融相場に移行している段階ですね。金融相場の主役は銀行、証券、不動産の資産価格の動向に業績が左右される3大セット銘柄ですね。しかし逆業績相場の段階は医薬品や食品などのディフェンシブ・ストックと呼ばれる保守的な銘柄群が主役を演じます。この季節感の判断を何処に据えるかにより銘柄選別が変わる訳です。そこで時間軸の話を昨日は展開したわけです。ナノキャリアと野村証券の話ですね。
ただここで…日銀や政府は、基本的に間違っていたのですね。だから失われた20年と呼ばれる景気の空白期間が存在するのです。何を間違っていたか? 彼らは信用創造機能を無視しています。カタルが何度も述べていますが、声は届いていません。それはメディアが…、日経新聞が正しい認識をしてないからです。彼等の記事は学生の論文と同じで、血と汗が滲み出ていない偽りの記事ですね。一流新聞のエリートは現場を知りません。地方に1年、そうして経済なら取引所、日銀、大蔵、政府筋などを回り、海外勤務になり戻ってきます。末端の新聞配達の経験もないでしょう。やってみればいいのです。最初の2か月は身体がついて行きませんね。そうして新規契約をこの環境下で獲得して、毎月、自分の与えたエリアの部数が伸びるようなら本物でしょう。遅配や配り忘れもなく完璧に末端の業務をこなし、それから記事を書き始めるべきでしょうね。証券関係なら現場に行けばいい。投資信託を売って、株のセールスをしてみればいい。縁故がなく毎月数千万の募集は至難の業ですね。ところが現場の仕事を全くさせずに、素通りをさせて教育するから、人間が育ちませんね。そんな人間が編集委員になり、記事を書いています。
僕の30年以上に及ぶ経験は、生きたお金が掛かっています。だから、かなり良い水準まで来ていると自分では思っています。でもこんな経験など30年もかけて、するものではないですね。せいぜい10年でしょう。教えてくれる人がいなかったし…、試行錯誤するしか、方法や手段がありませんでした。会社は人を育ててくれるので、証券会社なら現場から研究所に行き、データとの集め方や見分け方を教えてくれれば、もっと時間を短縮できましたね。皆さんは、ネットを通じて僕の知識を公開しているので、これを糧としてステップアップして利用して下さい。毎日、読んでくれれば、次第に理解できるようになるでしょう。難しい文句があっても素通りして毎日読めば良いのです。そうして「より良い日本」を築いて欲しいものです。
今回の自民党の交際費の見直しは、素晴らしい生きた財政政策の一環ですよ。一人5000円程度の交際費じゃ、景気など浮揚しませんね。座って一人4万円の銀座なら、生きた会話が楽しめます。付加価値が増しますね。何故、みのもんたが毎晩、銀座のクラブをはしごするのか?それは世論の情報集めが主眼でしょう。昔、彼とよく遭ったものです。一日20万も使えません。そりゃドンペリなど…毎日、何本も空ければ足りませんが、普通に安い焼酎やウイスキーではたかが知れています。食事だって…そうですね。でも交際費の拡大などは、確実に消費を刺激しますよ。間違いなく…。
今日の日経新聞にカタルが述べている信用創造の記事が一面に出ていましたね。そうです。不動産投信、リートの話ですね。日銀の資産買い入れが、次第に効き貨幣乗数効果を高めます。2010年10月に日銀は包括的な金融政策に踏み切りました。しかし批判を恐れてのチョビチョビ出動です。故に白川さんは、日銀法改正まで追い込まれたのです。バーナンキとの違いは実力主義の米国と、まやかしの日本との違いですね。しかしインターネットの普及は、本物の人間を選り分けるはずです。カタルのページビューはベンチャリの失敗にも拘らず、2月は平均5000人でした。土日は大きく落ち込み3500人程度ですね。まだ本物の認定を受けてないから、このていたらくなのでしょう。
さて日銀と政府が景気の認識を間違っているのは、資産デフレを軽視しているからです。米国が優れているのは株価を下げていませんね。日本はこの状態です。ここで株価の単純平均と地価の動向を掲げておきますから、先ほどの日銀の短観で示されている業況判断指数と比べてください。カタルが何故、信用創造の話しを、何度も取り上げているか理解できると思います。後は自分で考えてくださいね。また明日。

