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連想(2013年01月20日)
アルジェリアのプラント武装事件は終了したようですが、多くの犠牲者を出したと言います。この事件の引き金はマリ政府の要請を受けたフランス軍の空爆攻勢によるものだと言われています。マリにはリビアの残党が多くの武器などを持ち込み戦っていると言います。カダフィー大佐率いるリビア政府を叩いたのはNATOです。今のシリアの混乱も反政府組織を支援する欧米寄りの影の力が働いていると言います。シリアは北朝鮮以上に厄介な独裁政治なのでしょうか? イランの核開発、北朝鮮の動きを一方的に批判している欧米は、嘗て自分達が行った核実験などの優位性を誇示しており、世界での発言権を確保しています。米国は生物兵器などの開発を根拠に、イラクに侵略戦争を起こし支配しました。その為に爆弾テロは多発しています。アフガニスタンも強引にアルカイダの組織を武力でつぶしたのでテロが起こっているとも言えます。結局、報道されている欧米よりの考え方は本当に正しいのでしょうか? 中東のアルジャジーラは良く犯行声明を放送していますが、この度、米国のテレビ局を買収しました。これで報道の流れは、少しは変化するでしょうか?
株価を考えるうえで、このような背景を探ることは非常に重要です。何しろ、経営者自身が詐欺師のような連中もいますし、会計法も知れば知るほど隠されたマジックが存在します。作為的に決算数字を作ることが出来ます。勿論、グローバル化の進展で国際会計基準が整備され、包括利益と言う考え方の導入も始まっています。しかし市場の動きをみるとこの包括利益を根拠にして相場に発展した銘柄は、まだ存在しませんから一般的な認知は進んでいないものと思われます。結局、正義とか法律とかの解釈は一般的な認知なのでしょうね。どれが正しいというものは、ないのかも知れません。日本のデフレ社会による低迷は起こるべきして発生した当然の帰結です。日本は過去に置いて高成長するために様々なマジックを使ってきました。そのマジックのツケを払ってきたわけですね。
米国はそのマジックを巧みに使い国民を誘導し価値観を変化させています。アメリカン・ドリームなどのマジックは、国民の幸福度に繋がるのかどうか…マイケル・ジャクソンやホイットニー・ヒューストンなどは幸せだったのでしょうか? 物質的な豊かさを手に入れた事が幸せなのでしょうか? 長いデフレ社会において、この辺りの感覚に目覚めた日本人は多いですね。先日、紹介した東大名誉教授の月尾嘉雄さんの考え方も、その点を指摘していました。ブータンの国王が来日した折も話題になりましたね。幸福度と言う話が…。最近、ミャンマーが話題になっていますが…先日、僕は中国の「侵略外交」と述べていますが、歌手のリンリンさんがマンダレーの死と言う曲を謳っており話題になっているそうです。
WSJより背景を説明すると、『リンリンさんによると、過去10年の間に大勢の中国商人がマンダレーに押し寄せ、地元の企業を買い漁ったり、住民を市外に追い出したりしたという。この「マンダレーの死」という曲を歌う彼の姿はファンの1人によって撮影され、インターネット上に公開された。それ以来、数十万人がその動画を見た。「どの公演でも、必ずこの曲がリクエストされる」と語るリンリンさん。中国文化や勤勉な多くの中国人は尊敬するが、彼らとの取引では得られるものより奪われるもののほうが多いと不満を口にした。リンリンさんが歌に込めた厳しいメッセージやその反響の大きさは、経済や軍事、政治の面で大国化した中国に対する反感がミャンマーを初めとするアジア近隣諸国で高まっていることを示す1例だ。中国による天然資源の採取や同国製廉価品の輸入といった商業的問題から、領有権をめぐる対立や同国初となる空母の配備などの地政学上の問題まで、懸念材料は多岐にわたる』
市場原理主義が人々を豊かにすると考えてきましたが、節度のある行動が気品に繋がり尊敬を集めるのでしょう。日本の経済援助のやり方も、大きく変わり始めています。ただ物を与える一度限りの施しより、自立できる循環型の社会構築が必要なのでしょう。以前、紹介したことがある住友化学のアフリカでの蚊帳の製造などは、良い取り組みの一つですね。労働の場を提供してマラリアなどの疫病を防ぎます。企業経営方針もそうですが、政策も有効な仕組みもあります。再生エネルギー買取法が自民党政権下でも継続される見通しとの事で良かったと思っています。エネルギー価格は上がり企業の競争力は奪われますが、日本はエネルギー問題をもっと真剣に考えた方が良いですね。それに太陽光の変換効率の改善余地は大きく技術革新を先駆できるかもしれません。シャープは昨年末に従来の2倍近い変換効率の製品を開発したとか…それでも37%と言う数字だそうです。更にわが国周辺には100年分の天然ガスに匹敵するメタンハイドレートが眠っていると言われています。コストが合うのか分かりませんが、掘削技術の進化でシェール革命がおこる米国の事例もありますからね。
今日も話が大きく飛んでいますが、昨日の続きでもあります。市場で物色される銘柄の背後には、必ず相場に発展する潜在力があるのですね。その潜在成長率が高い企業の株価が未来利益の存在に繋がり、未知の魅力に惹かれ人々の心を動かします。昨日の銘柄選別の続きですが、目先の利益を優先する相場から未来利益を優先する相場に変化を見せるのですね。相場の物色対象はだんだん広がっていきます。先駆した人気株から出遅れ物色に…更に潜在力を評価する相場へと…。信用力の創造はPER100倍の夢まで容認するようになるのですね。ソニーが大きく水準訂正しているのは、行き過ぎたデフレ社会の読みを払拭している相場ですね。PBRの存在が背景にある訳です。だから米国本社の売却で利益が出る構造が改めて認識されたのですね。しかし現実はパナソニックと違い、まやかしの域を出ませんが…。三菱UFJが純資産価格の1倍割れの現実はどう考えてもおかしいのです。赤字企業のソニーさえ修正され始めていますからね。
このような数々の矛盾が更生されてから、初めて、ようやく経済成長のまともな話に移れるのでしょう。故に先駆した銘柄のスピード調整はありますが、全体相場のボリュームアップの相場は続くのでしょう。