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検索してみよう!(2012年12月16日)
自己資本比率規制が金融の力の源であるリスク許容度を奪い、流動性の罠が生まれました。つまりお金が動かなくなる現象ですね。一般的にリスクに対する考え方は、時間により増幅されます。つまり投資する時間が長ければリスクは増大するわけです。この危険を避ける為にネット・トレードは短期売買に集中しました。この売買手法は、日ばかりを主眼にするもので、銘柄の善し悪しは関係ありません。今日はどんな動きをするか?…と言う短期の主眼によるもので、人気が集中し出すと、最初にその流れを掴まえ、最初に乗った人が勝ちで、他は負け組の世界ですね。一日で勝ち組と負け組が決まります。故にその日限りの動きが主流になります。翌日には若干、前日のムードを引き継ぐケースは多いですが、基本的に、新しい一日が始まった瞬間から、別の銘柄との観点で相場が動きますね。
一方、カタルの投資はオーソドックの投資を心掛けています。基本的に中長期に上昇する銘柄を選定しようと努めています。その為に投資した会社の利益が増えるかどうか?時代を読む工夫が必要になります。最近のデータから米国経済の回復が可能性は高いのですね。ただし目先的に「財政の崖」と言う財政支出の削減と減税の終了。つまり増税効果が消費支出を減らし経済の需要を減らすので、景気が落ち込むというシナリオですね。この為にFRBは追加の金融緩和QE3を実施し、更に最近はツイストオペの終了で長期債の買い入れが減るのでそれを補い、さらに失業率のターゲット目標6.5%を加えていますね。この政策は、つまり資金需要のバランスを加減し株などの資産インフレにより、消費の下落を防ぐ効果を生んでいます。通常、米国株は下げるのですね。ところがFRBは資産価格の下落が消費に影響を与えることを知っているから、下げないように予防的な処置を講じるようになっています。
今までの常識では結果が生まれてから、その結果を受け対策を実施するというものから、予測に基づいて行動するようになっていますね。この時間差に日米間の政策方針の違いがみられます。日本は常に後講釈と言うか…結果を踏まえて国民の声から行動を嫌々起こす。と言う側面が多かったのですね。だから先日の白川さんの反応に繋がっています。日銀は欧米の中央銀行より率先して金融緩和を実施していると反論をしている訳です。結果が全ての世界で自分は一所懸命に勉強したが受験に失敗したと言い訳をしている訳ですね。しかし米国は結果が全て…失業率が上がると批判を受けます。だから今度は失業率を目標値に据えて改善するとバーナンキは主張しています。
ここで日銀の検索サイトに飛んでマネタリーベース残高と前年比増減を調べてみましょう。自分で探すのは手間がかかりますが、一度覚えれば必要な時に自分で確認できます。その様子を示しますね。順を追って選択しグラフの作成まで日銀のサイト上で作れるようになっていますから、視覚的に様子が分かりますから、皆さんの相場観の参照になるでしょう。作業が終了したら、10月の26日の「今日の市況」から株式教室、コラムを通じて、この辺りの考え方を解説し直しています。今回の株高の背景を、マネタリーベースから説明していますから参考にして下さいね。僕は自分で調べて、自分なりに考えて書いているから、僕は頭に入っていますが、皆さんはその作業をしていませんから、僕の認識より株高の背景に対する考え方が、希薄だろうと考えますから、改めてこの認識を植え付けておきたかったのです。




しかし…残念ながら僕の理想とする相場展開と、実際の…この2か月ほどの相場展開は若干イメージが異なっていますね。この誤謬が気になっているのです。実は昨日の原稿は書いている途中で、その引っかかりが気になり、また空想の旅に出て疲れてしまったのですね。どうもシックリこないのです。違和感が生まれた時は注意を要します。おそらく相場に参加している投資家もその事を潜在的に意識している筈です。毎年繰り返される新春相場への期待値で相場が下がるとも思いませんが、昨日の無制限と認識していたのに、15兆円の貸し出しと判明した言葉の違いなど含め、何か違和感を覚え始めていますね。このような時は、通常は確かめ作業が市場で起こる筈です。つまり相場は弱ければ下がりますし、強ければ物色に変化が生まれます。
昨日、解散が決まった11月14日からの上昇率の検証をしました。これまで二度、大相場への相場のスタートを経験していますが、どうも記憶はあいまいですが、少しイメージが違うのですね。潜在的な金融相場と…。このギャップが気になって仕方がないのですね。早くも来春に予定される日銀総裁の椅子に焦点が当たっています。武藤さんや竹中さんが有力候補となっていましたね。まぁ、3代続く失敗を繰り返したプロパーからの起用はないでしょう。つまりだれが日銀総裁になるにしろ、更にアクセルが踏まれることは確実です。加えて何処かの時点で、円安の弊害が指摘される時期が来るかもしれません。100円を超えれば、企業の合理化努力では吸収できませんね。90円を超えた段階で青色吐息でしょう。特にパンなどの小麦メーカーやガソリン価格など…影響が在るのでしょう。
マネタリーベースの増大は続くものと思われ、相場が下落するシナリオは考え辛く、やはり物色の方向性が変わる可能性があるのでしょうか?しかし…見えませんね。今週は総選挙の結果を受け、自民党政権の先走りをするのでしょう。故に三井住友建設などが有力視されますが、金融株が飛ぶような場面があると、直ぐに一服の展開を迎える可能性もありますね。ただ銀行セクターが上がると途端に市場マインドが大きく変わります。ボリュームが一段とアップしますからね。そこで調整波動を迎え仕手系の個別物色か?と言う読みが今の選択肢ですね。今日は16日ですから、来月の半ばまで強含むと読むのが一般的かも知れません。
時間とリスクの関係を考慮しながら、新しい相場展開を読むことになるのでしょう。さぁ、これから選挙にでも行ってくるか…皆さんも、ぜひ投票を!