思わぬ相場の真実が発見できる

コラム

« 投資のタイミング | 最新の記事 | 桜田門外の変 »

為替と株価の連動性(2012年12月02日)

昨日の続きは又にしますが…基本的に一般的な認識と言うのは、怪しい幻想のようなものだという可能性があります。円安だと何故、日本株が上がるのか? 

日本は加工貿易国家で、GDPに与える輸出の寄与率が大きいから、円安になると企業利益が大きくなり、株価も上がるというのが一般的な認識です。円安になれば価格競争力が上がるというものですね。しかし…自動車業界にとっては、確かに有利です。しかし考えてみれば分かりますが、円高が進み既に大衆車などは、日産だけでなくトヨタも生産移管をしており、そんなに円安が有利かどうかわかりませんね。むしろ国家として見れば、食料品やエネルギーなどの購入代金の方が大きく、総体的に考えると円高の方が有利なのかもしれません。それなら何故、為替と株価の連動性が高いのでしょう。ここでベータ値と言う考え方が有効になります。果たして円安は株高に連動しているのでしょうか? 今日はこの連動性を見る為に、日経平均株価と為替の関係を見てみようと考えています。

さて検証の結果、近年は多少、円安になると株価が連動している傾向もありますが、それほど強く表れているかどうか…。マイナスの時期もありますからね。必ず連動しているとは言えません。1998年頃は、むしろマイナス連動率も高くなっています。近年は多少円安になると株価が上がる傾向があると言う程度でしょう。(黒の線はベータ値の近似値で移動平均線のようなものです。)

c20121202a.gif
c20121202b.gif