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分水嶺(2012年11月18日)

維新と太陽が一緒になりました。しかし…まだインパクトは少ないですね。結局、第3極の政権を実現させるには、石原さんと小沢さんの様な水と油の関係のような人間関係にある人達が、大義の下に集まらねばなりません。今のままでは、そよ風程度の影響かな? 今の日本の体制を破るには、もっと強い暴風が必要なのでしょう。株屋としては安倍さんの考え方に大賛成ですが、彼は政治家一族の出ですからね。世襲制ですから育ちの点で、今の荒波を乗り越えられるかどうか? むしろ橋下さんの様な育ちの方が可能性はあります。坂本竜馬の家計は貧しかったという話ですが…この先入観は、どうも大河ドラマの影響かな?

今日の日経には金融緩和が述べられていますが…あの程度の記事はどうも愚作ですね。一つだけ気になったのは、慶応の池尾和人の発言ですね。「構造改革は、辛抱強く成し遂げなければならない」という記述です。わが国の成長を支えたのは加工貿易システムです。安い原材料に付加価値を付けて、加工して輸出する加工貿易が日本の成長を促進させてきました。この富を糧にして輸出によりGDPを引き上げましたが、貿易摩擦を生みプラザ合意でこの魔法の杖が使えなくなったのですね。プラザ合意頃から、前川レポートの内需拡大が問題にされましたが、GDPの構成比をみると依然として消費の比率は米国より低いですね。彼のレポートの骨子は内需拡大と市場開放、金融自由化です。TPPは未だに実現していませんね。1985年からの課題が、まだ揉めています。でも同時に、この金融の自由化により、今の「失われた時代」を生んだとの批判もあります。「馬鹿とハサミは使いよう」と言います。

現況を見ると、パナソニックやソニーなどの超一流企業まで、構造改革の手が伸びています。1992年末のパイオニアの指名解雇から始まった構造改革は弱小企業をなぎ倒し、ようやく日本の本家にたどり着いたのでしょう。ここで慶応の池尾さんの発言が生きてきます。「時間をかけて構造改革するしか道はない。」彼の他の意見を、読んだことはありませんが、この文面から察するにマネタリスト的な考え方をする人ではありませんね。おそらく現在の金融緩和に否定的なのでしょう。何故、頭のいいはずの官僚組織が機能しないのか? 僕には長らくの謎だったのです。彼等はきっと、この構造変化の道を採用したのでしょう。日本村社会は劇的な構造変化に耐えられるような構造でないと判断したのでしょう。故に今の失われた状況が生まれています。

しかし米国は別の道を模索しましたね。ロックアウト解雇を選択し失業率が高まりました。しかし果敢な金融緩和によりドル安を背景にして、製造業も同時に支援しています。日本と違う戦略ですね。一方、日本は中小企業円滑法の採用など…所謂、延命策を永遠と続けています。市場は安倍政権の誕生を読み、僕の目には五分五分の感覚です。昨日はチャート面から少し補足しましたが…何故、三菱UFJは新安値を付けているのに三井住友やみずほは2003年の安値を下回らないのでしょう。株式持ち合いの影響なのでしょうかね? それとも、もう少し時間が掛かるのでしょうか?

三菱はどちらかと言えば、純血主義ですね。合併して大きくなっていますが、内部の話を聞くと東京銀行もUFJ出身者は余程実力がないと、三菱との人間においてハンディがあるのでしょう。しかし僕の知り合いの事例を見れば、この噂される排他的な人事も、本当かな?と疑いたくなります。何故なら、正論を押し通す仕組みを維持しているように見えます。僕の友達は1年分の年収を補償され、移籍させられました。証券界の常識では1カ月分程度、更に余分に考えても、せいぜい3か月でしょう。それを1年分払ったのです。つまり…非常に紳士的な会社ですよ。岩崎弥太郎が創った三菱は、UFJの吸収過程を見れば、我が国の根幹をなすグループですね。この会社の動向が、日本の政策の中枢と繋がっていると思われます。東大法学部の人脈は、日本の根底を成していますからね。

安倍さんは残念ながら、この人脈の筋から離れています。別に学歴で物事をみようとは思いませんが…ハッキリ言って親の七光りの血族人脈で、今の地位を得た人ですね。だから今の難局を乗り切れるとは…到底、考えられません。今の時代は孫正義のような貧しい時代がないと…孫さんが成功された時に、涙を流し講演されていました。その映像が此方です。

以前も紹介したことがありますが…何度、聞いても感動を貰いますね。僕は野田さんも嫌いじゃないですね。あの16日の日を語った国会答弁はなかなか、どうして…、彼の発言も感動を与えてくれます。おそらく手腕は兎も角、彼も誠実な人なのでしょう。でも残念ながら、安倍さんにも、石破さんにもそのような感覚は、今の所、抱きませんね。むしろどうせ駄目なら橋下さんを選択したいと思っていますが…、野田さんも捨てがたいな。と考えますね。何しろ、いくら財務省論理優先の政策とは言え、党を割ってまで実現させた行動力は捨てがたいものがあります。つまり僕の選択はまだ決めていませんが…株屋としては安倍さんですが、野田さんか、橋下さん、どちらかの選択になるでしょう。

マネタリーベースから見れば、いつ起こっても不思議ではない株価上昇も、まだ分かりません。このまま上がるかもしれません。その確率は五分五分程度でしょう。日銀の無尽蔵の貸し出し支援は、どのような広がりを持つかですね。この政策はホームランになる可能性も秘めています。奇しくもパナソニックもソニーもリストラですからね。とうとう日本を代表する一流企業まで、構造改革の手は伸びてきました。この需給バランスの改善は、日中の貿易額推移からも垣間見られます。株価面も、GDPの構成比からも、全てのデータが構造改革の終盤を告げています。いずれにしても…長かった「失われた時代」が終わりを告げる時が来ましたね。あとはタイミングなのですね。国民の選択と見えない糸のタイミングがどう変化して行くのか?

年金資金なら、現物株投資なら…全体に間違いがない株価水準なのです。しかし時間が見えないのですね。目一杯張るとすればレバレッジをかけます。そうすれば時間や変動幅が問題になります。この微妙な揺れ具合が、成功か失敗かを分ける成否の分水嶺です。だから走り出してからでも良いのですね。上手に行動しようとか、うまく立ち回ろうとか…思わなくても、余っている資金なら株を買って待てばいいし、半分だけ投資してあとは時代を確認する方法もあります。いろんな選択肢はありますね。僕は残念ながら、ユトリがないから一発に賭けるしかありませんが…そのタイミングに迷いがある以上、なかなか行動に移せないが、同時に時間も限られています。だから運命論が僕の心を縛っています。時代の流れに身を任せるしか最後は仕方がありません。孫さんが成功できたのは…あの苦しい時代がバネになり、努力もされて、しかも時代が味方をしたのですね。同じように努力して挑む人は大勢いますが…あとは運、天命を待つしかありません。長く投資をしていると運を感じることは良くあります。果たして僕にその機会は回ってくるでしょうか?

ユーチューブの孫さんの講演を、こうして聴ける時代です。インターネットは素晴らしいですね。やはり革命ですよ。産業革命以上の飛躍期なのでしょうね。ただ時代の渦の中にいる僕らには、その事を客観的に判断できないのでしょうね。この渦の中で、もがき苦しみ努力して早く高みに登り、少し休みたいですね。さて最近は三角関数に興味を覚え、あるアイディアの検証をしてみようかとも考えています。僕のエクセルには色んなデータが集まり始めていますからね。もう少し数学やコンピュータのプログラム知識があれば…な。これから少しずつ勉強するしかないな。