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暗黙の掟(2012年10月21日)

人は何故、些細な事で切れやすくなったのか?
WSJのコラムを見て考えました。今日の日経新聞で興味を抱いたのは太陽の黒点の話で磁場が逆転する記事でしたが…、WSJの記事の方が現在社会を象徴している出来事なので此方を採り上げてみましょう。対象の記事は此方です。この記事によれば、些細な出来事により引き金がひかれ感情が爆発するそうですが、その直接の原因は「暗黙の掟」を破ったことに対する「怒り」なのだそうです。日本でも電車内などで、若者の行動を注意した老人が暴行を受けるケースが多々あります。この怒りの原因をこの記事では「相手がルールに従わないがために信頼が損なわれること、あるいは自分に害や不都合が及ぶ可能性があることが問題なのだ」と結んでいます。

私は長らく「社会のユトリ」がなくなり、皆がギリギリの状態で生活しているがために、精神的なユトリが生まれなくなっていると感じてきました。最初に問題が起こったのは1993年1月のパイオニアショックです。当時は終身雇用が一般的で、パイオニアが中間管理職35人に自主退職を求めた事件は、指名解雇との批判を浴び社会問題になりましたが…今では当たり前のように希望退職者を募集していますね。先頃、何度目になるのか分かりませんが、再びソニーは国内外で1万人規模、国内でも2000人の希望退職者を募集しています。更に岐阜県美濃加茂市のソニーイーエムシーエスの子会社工場の閉鎖を決めましたね。パイオニアの指名解雇は1993年ですから、19年後の今日も同じような構造が続き大規模化しています。

何故、カタルが政策批判を続けてきたかと言えば、公正なルールの下での戦いなら文句は言いませんが、ルールが捻じ曲げられているためですね。所謂、裁量決済なのですね。一般的に大岡裁きと言われる裁量判決は弱者救済だから許されるのです。その為に日本村社会のルールが保たれ、「裁量」と言うさじ加減がある程度は許されてきました。ところが最近の社会傾向は、権力者が自らの保身の為にルールを捻じ曲げる傾向が多く見られます。オリンパスに東証の上場など…。冒頭の「暗黙の掟」、社会のルールを逸脱している行為が多々見られるわけです。だから怒りを感じるのですね。このような不満が渦巻くから、些細な切っ掛けによりトリガーがひかれ感情が爆発するわけですね。

自民党から民主党政権に移行させたのも、この右肩下がりの清貧思想が背景に存在します。また自民党は赤字法案などを人質にとり、政争にしているわけで呆れる構造が続いていますね。仮に自民党が変化しているなら、安倍さんではなく石破さんが総裁になるべきでしょう。何故、政治力学により、再び安倍さんが選ばれるのでしょう。故に、橋下さんに軍配を挙げたいが、週刊朝日の記事は響きますね。僕も嫌悪感を抱くのですから…週刊朝日の行動は成功しましたね。朝日新聞は基本的に権力者の村社会の根幹を担っています。しかし歴史を見れば分かりますが、太平洋戦争を煽ったのは朝日新聞ですね。あの当時、国民感情を戦争に向かわせたのですよ。検証番組を見れば日清戦争も基本は負け戦だったのです。事実を捻じ曲げるメディアの報道に、僕らはいつも踊らされているのです。

チェニジアに端を発した「アラブの春」は「ベルリンの壁、崩壊」に匹敵する出来事だと考えています。スマフォが一般化して、どんどん情報化が進展しています。今までは文章でしたがLTEの普及で映像での伝達が可能になり、一気に広がりを見せますね。つまり「正義は勝つ」のでしょう。情報のコントロールは益々難しくなりますね。だから中国経済の試練は必ず訪れます。情報統制など出来っこありませんね。最近の尖閣問題は良い事例ですね。おそらく共産党内部抗争の矛先を日本との領土問題に向けているのでしょう。ハッキリ言って日本は関与しなければいいのですね。小さな利権を大きくしなくても…一歩引けばいいのです。くれてあげればいいのですよ。海底資源開発権が問題になっているのでしょうが…50年後とか100年後に譲渡するような方法論もある筈ですね。香港の返還のように知恵を使えば良いと思っています。話が、ずれ始めましたが…情報の一般化?と言うかこの流れは止められませんね。

ベルリンの壁崩壊は、東西冷戦の崩壊が、市場原理の拡大に繋がりましたね。ここに金融デリバティブと言う資金の裏付けが出来たので、一気に新興国の躍進に繋がりました。アラブの春と言うのは、情報の力を意味しています。冒頭の暗黙のルールが変化しているのでしょう。だから一時的な混乱が引き起こされているのでしょう。1993年のパイオニアショックから19年が経過し、一流ブランドのソニーやパナソニックが売られている激動期ですね。あの当時のパイオニアの株価2000円台ですが、2005年の2度目のリストラから大きく株価が崩れ始めましたね。そうして2007年のシャープへの第三者割当増資(1385円)は、日本村社会構造の維持が困難になった証なのでしょう。しかし懲りずに、まだ続けていますね。ルネサスの増資を巡る動きです。米国系のKKRが増資を引き受ける筈だったのですが、日本村社会の産業革新機構(INCJ)から増資資金を受けるそうですね。この法律は平成11年に「財政投融資」資金の活用として始まったらしいですね。良く分かりませんが、この団体の設立は平成に21年7月です。郵政民営化の小泉内閣の影響力がなくなったのを受け、菅直人の時代に設立されていますね。

まだ抵抗を続ける力はある訳ですね。官僚組織は力が強いのですね。WSJはソニーがオリンパスの増資を引き受けた事と、ルネサスの増資を掲げて、日本は未だに変わらないとのコラムを掲げたことは、このような背景を示していますね。闇雲に時間闘争をしているから無駄な時間が使われて行き、どんどん疲弊する日本化現象が広がっているわけです。そうして橋下さんのような劇的な変化を企てる危険分子を、週刊朝日を利用して小さな芽のうちから叩くのでしょうね。中国ではこのようなことを書くと間違いなく削除されますね。日本でも大戦前は特高警察が存在し犯罪者になりました。しかし今は「アラブの春」の時代です。郵政民営化が骨抜きにされた結果、産業革新機構が生まれルネサスを支え、抜本改革を拒むのですね。日本の技術を支える理由で…。しかし市場原理主義の世界ではKKRが効率化経営を促し経営を立て直したら、たとえ中国国籍企業でも売却するわけです。

見方が正しいかどうか分かりませんが、パイオニアとシャープの連想を考えると、ソニーやオリンパスは空売りが、適切だとの見方もあり得るわけですね。ベルリンの壁崩壊から4年かな?1993年1月だから3年と少しですが、象徴的なパイオニアショックと言う労働争議が起こりました。これは新興国の市場経済化が促進され空洞化の初期現象でしたね。アラブの春は2010年末からの動きで、まだシリアなどに見られるように混沌としています。おそらくTPPなどを受け入れざる得なくなり世界が一つのルールに向かうのでしょう。欧州の銀行同盟はたしか来年でしたね。ある種の力量哲学が大きく変化しているわけです。貿易赤字が続き経常収支の黒字幅が少なくなり、何れ間違いなく変革は起こるのですね。この話は非常に重要ですから考察する継続事案になりますね。長くなったので今日はここまでです。